2008年08月28日

夏風景「四年に一度の夏」

カテゴリー [ エンタテイメント ]



いささかブログで取り上げるにはタイミングを逃してしまった感が強い、オリンピックだが僕も要所要所でしっかりテレビ観戦していた。日本にいたときはやはり日本選手が活躍する種目を中心に番組が構成されていた記憶があるが、それはアメリカとて同じであった。
僕が見ていたのが、いわゆるプライムタイムと呼ばれるもっとも多くの人がテレビを視聴する時間帯だったので、もしかすると日中に放映したのかもしれないが、米国人にとってあまり人気のないスポーツは速報程度の扱いだったようだ。
柔道やテコンドーといった種目は、明らかに軽んじられていた。

とはいえ米国、特に New York は移民の土地柄であるから、多くの人はインターネットや衛星放送を見て自国の選手を応援していたようだ。


そのオリンピックだが、会期中エンパイアステートビルディングのライトアップが普段と異なり、いったい何だろうと思った人も多いのではないか。
エンパイアステートビルが持つ4面、それぞれのライトアップカラーが違うのだ。ニュースによるとオリンピック開催に合わせ、代表的な国の国旗カラーを順次照らし出していた、とのこと。
記憶は無いのだが、前回のアテネ五輪の時はこんなことしていなかったと思うし、そもそも東西南北の面でそれぞれ異なる色でライトアップしたのも今回がはじめてではないだろうか。
さすがに最終日は米国国旗カラーだったようだが、途中日本の国旗色のライトアップもあったと聞いた。






私事ではあるが、今回のオリンピックでは関連する仕事に携わり、今年の夏は忙しかった。見ることのできた種目は少なかったが、普段より観戦に熱が入ったのもそんなわけかもしれない。
さて秋は、NBC の HEROES というお化け番組のニューシーズンが始まる。オリンピックが終わって一息ついたと思いきや、今度はこのテレビドラマ関連の仕事で忙しくなりそうだ。いや、番組制作ではないのでストーリーについては知ることができないのだけれども。

2008年08月21日

夏風景「そして雨上がり」

カテゴリー [ Seasonal ]


夕方ともなると陽が斜めにかかり、一日の中でもっともドラマチックな時を迎えるのだが、それが夕立の後ともなると普段では見られないほど街が黄金色に輝き、一層映えて見える。
普段は鈍い色をしていて気にもかけないアスファルトが雨に濡れて黒光りし、街を下から照らし出す。
ついさっきまで不穏なほど厚く、黒い雨雲が空を覆っていたのがまるで嘘であるかのように、いやそれがあるからこそドラマチックだと錯覚するのだろうか。


New York を舞台にした映画の中の印象的なシーンでも、アスファルトが濡れていることが多い。
そんな映画の一シーンを思い浮かべながら雨上がりの街を歩いてみるのもいいものだ。

五番街にて。

2008年08月18日

夏風景「雨宿り」

カテゴリー [ Seasonal ]



何かに追われて命からがらに逃げ込んだ、Central Park 内のトンネル。
さながら映画「 Cloverfield 」に出てくる一場面の様だが、同じなのはここが Central Park 内のトンネルということだけで、それ以外は全く別である。

予想のつかない通り雨に、公園の中でくつろいでいた人たちが、慌ててトンネルに飛び込んだ、というわけだ。
最初は木の下で雨宿りをしていた人たちも、前も見えないほどの土砂降りにこれではらちがあかない、と続々と逃げ込んできた。
あっという間にたくさんの人で一杯になったが、朝のラッシュアワーの地下鉄で New Yorker が見せる 「 もうここはこれ以上乗れません 」 というような attitude でなく、少しずつ皆が体を動かしてはずぶ濡れの人たちにスペースを与えている。

公園の中ではそれこそ、他人と適度な距離を置きながら自分たちだけのグルーブのテリトリーを守ろうとしているかのように行動していても、こんなときは妙な連帯感で有機的に横とつながろうとする。

トンネルの中で突然足止めを食らった人の中には、次第にたばこが吸いたくなった人もいるようで、なるべく子供やたばこ嫌いの人たちに迷惑をかけまいと雨がかかりそうな端までせりだして、肩をまるめてそれこそ愛煙家同士で盛り上がって雑談が始まっている。

子供たちは持ってきたおもちゃを取り出す。器用に時間のつぶし方を知っているようだ。

通り雨は降り始めた時と同じく止むのも突然で、このときを待っていたとばかり人々は三々五々、それぞれの出口からトンネルを後にしていく。
お互い、It was nice meeting you、といいながら、別れる時もあっさりとしている。
それでも雨に降られて入ってきたときに見せた、おそるおそる周囲の人たちの顔を確認しながらどこなく曇りがちだった顔はもうそこにはなく、むしろ何かいいことがあったかのように、爽やかな表情で公園のなかに消えていくのが印象的だった。


雨の降った後の Central Park の空気はいつにもまして気持ちよかった。通り雨は、汚れた大気を流したように僕らの気持ちの中の積み重なった汚れをも流してくれたのだろうか。


2008年08月15日

夏風景「不穏な空」

カテゴリー [ Seasonal ]



先ほどまで青空が広がっていたかと思うと、にわかに空が暗くなる・・・夏の New York にはよくある風景だ。
水分をたっぷり含んだ黒い雨雲がどこからともなく現れみるみるうちに空を覆い尽くすと、それはまるで昼と夜を入れ替えてしまう、そんな錯覚に陥る。
こうなると大粒の雨が降ってくるのは時間の問題で、時には鋭い閃光が雨雲を照らし、その光を追うようにして雷鳴が轟く。

NY の夏は、一日の間に快晴と雷雨が見られるのは決して珍しくなく、ちょうど毎日決まった時間にシャワーが降るトロピカルな島の天候にも似ている。そんな急激な天気の変化に、New York の人々もすっかり慣れてしまっているように見える。
朝、テレビの天気予報でいくら雷雨の予報を出していても、家を出るときに雨が降っていないと、長い傘を持って出る人はまずいない。
他人の鞄の中身まではわからないが、どうやら折りたたみ傘すら持たずに家を出る人が大半ではないかと見受けられる。

そういえば、New Yorker と傘の関係を考察してみると興味深い発見をする。


定説として欧米人は傘を差さない、というものがあるが確かに New York の人もあまり傘を差さない。

雨が降るとわかっていても傘を持たずに出かける人が多い話は、先に紹介したとおりだが、実は雨が降っても傘を差さない人が多いのだ。
少々の雨ならば襟を立てて、小走りに目的地に向かっていくし、手に持っているものを頭上にかざして歩く人も少なくない。
特に夕立のような激しい雨でもずぶ濡れになりながら歩く人もいるが、それほど衣類が濡れることを不快と思わないのだろうか。

傘を持って歩く人が少ないせいだろうか、レストランの入り口なんかで傘立てを見かけることはあまりない。あってもガーデン用の大きな鉢を傘立てにしているといった感じだ ( いや元々傘立てとして作られているのかもしれないが、僕には庭におく鉢に見えてしまう )。
ましてや銭湯の入り口などで見かける鍵付き傘立て ( あの札を取るやつね ) なぞ、一度も見たことがない。あれはもしかすると日本独特のシステムなのかもしれない、と今気がついた。

傘立てが無いとどういうことになるかというと、皆床におくのだ。地下鉄でも傘は床に置く。もちろん長い傘は無理だが、たいてい折りたたみなのでそれを短くするだけで、たたむこともなく、そのまま無造作に足下に転がしている。


思うにアメリカ、少なくとも New York では傘の社会的地位が日本ほど高く無いのでは無かろうか。傘のおしゃれ特集なんて聞いたこともないし、いわれてみればデパートの傘売り場も品揃えがかなり地味である。


もっとも湿度が低いのと、屋内に入ると強烈なエアコンが効いているので、濡れた衣類もすぐに乾いてしまう。 そんなこともあってか傘の出番は少ないのかもしれない。

2008年08月11日

夏風景

カテゴリー [ Seasonal ]


今年の New York の夏は思いのほか過ごしやすく、猛暑になるかと思っていた身としてはなんだか肩すかしをくらってしまった。


8月上旬というのにここ何日かは秋ではないかと思うほど涼しい風が吹いているのだが、これはきっときまぐれでまた寝苦しい残暑がやってくるのだろう。
何も不快な夏が続くことを望んでいるわけではないのだが、季節の移り目を意外に早く感じたりすると、ふとあわててしまうのだろう。


空を見上げるとそこには何もかも押し潰してしまうほど重い入道雲がのしかかろうとしていた。
持ち歩いている重い荷物のせいで額に汗が浮く。その汗をぬぐいうも なぜか気持ちが爽やかなのは夏を再確認したからだろう。


この次も New York 夏歩き風景を紹介していくことにしよう。しばらくおつきあいください。

2008年08月07日

iPhoneを持ってMoMAに行こう

カテゴリー [ おもしろ体験 ]


New York の近代美術館こと Museum of Modern Art は、MoMA ( モーマ ) の愛称で広く知られているが、先日久々に足を運んだ。
MoMA に籍を置く写真家の友人に、近く始まる特別展のオープニングに誘われたのである。

美術館では特別展など定期的に展示物を変えるが、その展示が始まる前にパトロンなどを美術館に招いて、オープニングパーティが開かれる。ギャラリーでも新しい展示を始める際に、いわゆるレセプションパーティが開かれるが、MoMA のそれはさすがに規模が大きい。

この日同じく誘いを受けて一緒に行ったのは、森下大輔氏。彼は2006年にコニカミノルタ・フォトブレミオ賞を受賞した写真作家である。現在 New York に滞在中で、ときどき一緒に写真を撮りに行ったり、ギャラリーに足を運んでいる仲間である。


平日の夜6時半に MoMA に向かい、ここで二人の友人と落ち合う。すでに一般公開の時間を終えたとみえ、入り口では招待客のチェックのみ。
中に入るとそこには普段、美術館で見かけるのとは違う風景が広がっている。僕らのように割とカジュアルな顔ぶれも決して少なくないが、この日のためにと着飾ってきた面々もあちこちにいて、中には羽根つき帽子、ドレスやタキシードといった出で立ちの人も。
とはいえアートに携わる参加客が多いせいだろう、仕立てのよい服ながらどこか個性を感じる着こなしの人も多い。
さらに美術館らしからぬ景色というのは、ロビーやパティオに設けられたカクテルバーのせいかもしれない。


アメリカの美術館というとそれこそ時価何億、何十億円もの値段がつくような作品をたくさん擁し、さらにそれらを一種無造作・無防備とも思えるほどの自由度の高さで展示されている。珍しいからといって作品の前にロープが張られているわけでもないし、ガラスケースの中に入っている訳でもない。油絵も写真も彫刻もオーディエンスとの距離をなるべく縮めようとしているかのようだ。その自由度の高さが却って見ている側に「近くまで行って間違ってふれてしまっては大変」というある種の緊張感を生み出している。さらに聞こえるのはオーディエンスのささやき声と足音というのが、さらにその空間に緊張感を増している。


普段はなんとなく厳粛なイメージの美術館でアルコールが振る舞われ、DJ が大音量でアンビエントミュージックを流し、さらにはラジオの中継も行われているのだから、既成の概念をくつがえしてしまう。
バーテンダーもウェイトもたぶんケータリングサービスなのだろう、客の好みでカクテルを作り、トレイにたくさんのシャンパン・ワイングラスを載せ、オープニング会場の隅々までほろよい気分を運んでいる。グラスもプラスチックなんかじゃない ( レストランやバンケット会場と違うのでこういうところでは、可搬性の高いプラスチック製のコップや皿が使われることが多い ) ところが MoMA らしい。



さて今回のオープニングはドイツの作家、Kirchner によるベルリンのストリート風景を主題にした Painting であるが、写真ではなく Paintings でアプローチしているところに関心があった。
所感はこのブログのテーマに関係ないのではしょるが、MoMA については感心したことがもう一つあった。


ほろ酔い加減で特別展の会場にあがり ( さすがにここまではグラスを持って行くことはできない )、誘ってくれた友人と作品を見ながら雑談ついでに、ちょっと調べたいことがあり、すかさずポケットに入っている iPhone を取り出した。
EDGE でもつながるようだが、もしかすると館内では WiFi が使えるかも、と iPhone の無線 LAN をオンにしたところ、やはり MoMA が提供する WiFi ネットワークが見つかった。


早速接続してみると、どうやら iPhone と iPod Touch ユーザ向けに専用のページを用意しているらしい。そういった配慮もうれしいが、よく見ると 「 MoMA Audio 」 なるサービスへのリンクがあるではないか。早速タップしてみると、


今度は言語選択のメニューが表示された。うれしいことに日本語もサポートされている。


前のメニューで日本語を選ぶと、ここからは表示が日本語に切り替わった。


想像したとおりどうやら手持ちの iPhone を使って、作品に関するガイドサービスを利用できるようだ。

MoMA を始め、Metropolitan Museum など比較的大きな美術館/博物館ではヘッドセット貸し出しによる館内ガイドサービスがあり、これによって自国語で詳しい説明を聞くことができる ( そういえば広島の原爆記念館にもあったことを思い出した )。
展示物の横に張られた作品名や作者名のラベルにオーディオサービス用の数字が何桁かプリントされているので、通常はテンキーの着いた専用機にこの数字を入力するだけでその作品におけるガイドを聞くことができる。
MoMA は館内に WiFi を完備しており、このオーディオサービスを iPhone にも展開したのだろう。


考えてみればこれは美術館にとっても利用者にとってもメリットがある。
美術館からすれば常にバッテリ充電済みのヘッドセットを大量に用意する手間が省け、また中には乱雑に扱われることで専用機は故障もするだろうから、これによって人件費やランニングコストが節約できることになる。
利用者からすれば、ヘッドセットの空きを待つこともなく、もちろん利用料もかからないので節約にもなる。

こういったサービスが可能になったのは iPhone ゆえだろう。世界各国で一律の仕様で発売され、またローミングなども行われるから、アメリカに来る海外旅行客も持参の iPhone でサービスを享受できるのだ。ガラパゴスと呼ばれる日本独自の仕様の携帯電話だったらこうはいくまい。

すでに Starbucks でも iPhone 向けの専用サービスが提供されているが、iPhone の普及率の高さがある種のインフラとなって今後このようなサービスはあちこちで見られるのではないか。海外でこういったサービスが受けられるのは土地勘の無い旅行客にはとてもありがたい。


オープニングパーティはしばらく続きそうな気配だったが、ほろ酔い気分のまま MoMA を後にした。
気がつけば飲んでばかりでこの晩は食事らしい食事を取っていないことに気がついた。僕らはほろ酔いついでにもう一軒、日系の居酒屋へ向かった。


MoMA
http://www.moma.org/


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