グリーンカード 前編

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この New York Watch を作り始めた当初、つまりアメリカに移り住んだ頃は、長期間アメリカに住むつもりは無かった。5~6年もこっちで働いたら十分かなと思って引っ越してきたのだが。

実は「NY暮らしメモ」ページの方でグリーンカードについての話を紹介したのだが、そのページを読んだ人から「どのくらいの期間で取れましたか」などの反響が意外とあったので、あちらのページには載せていないプライベートな部分を中心に書いてみたい。

移民、というと文字通り移住、それも永住を覚悟した人々のことをイメージするが、ほんの少し前まで日本を出て海外で暮らすとなると移民を示す時代があった。
時代は変わって現代ともなると、留学、駐在、そして僕のようにこちらに就職が決まったケースでも永住を決意して移住してきた人は少ないと思う。もちろんアメリカに住む以上、永住したいな、と思ってきている人はいるかもしれないが、僕の場合はそうじゃなかった。
アメリカで働くためのビザにはいくつかあるが、その中で僕のビザは H1-B というカテゴリーのもので最長6年の滞在と就労が許可される。6年なんていう長い年月のことを考えろと言われても、そんなのわかる人は普通はいない。ましてアメリカに移ってきたばかりの時点で、6年先なんかわかるはずもない。海外生活なので途中どんなトラブルが起きるかわからないし、途中でそんな生活にメゲるかもしれないのだ。僕自身はアメリカで就職して、働くことも一つの経験と思ってきたから、6年もいれば長いだろうと、その後は日本に帰国する心づもりだった。
なのでアメリカに来てから買ったもの、たとえば電化製品や家具は長く使える、と言う観点では購入してこなかった。とりあえず生活に必要なものを急いで買いそろえた、というものばかりを購入してきた。

アメリカに移って来て1年目くらいだったろうか、会社の上司を通して HR ( Human Resources - 人事部 ) から連絡があり、「会社がサポートするからグリーンカードを取らないか」という話が来た。もちろんグリーンカードが何かは知っていた。アメリカの永住権ビザのことだ。
そのときの僕のビザ H1-B とグリーンカード、何が違うの?というとアメリカでの就労・滞在6年という制約が無くなり、転職も無職の状態も自由になることだ。
まだ1年しかアメリカに住んでいない時点で「永住権」と言われてもピンとこないのと、そのうち転職してその会社が気に入ったらそこで永住権の申請をすればいいや、という「狙い」もあり、その申し出は断った。

ちなみに「会社はビザをスポンサーしますよ」というとき、通常は会社が雇用に基づいてあなたのビザを申請しますが、かかる費用はあなた持ちですよ、というところが多い。ところが僕が働いている会社ではビザのスポンサーをする際に、取得にかかる弁護士費用なども払ってくれるところで、今回のグリーンカード申請でも取得までの費用を会社が払うから、というありがたい申し出だった。

一度断ったもののその後も会社は僕のマネージャを通して何度も「グリーンカード申請しませんか?」と尋ねて来て、しまいには HR の人が直接コンタクトしてきて「出来ればグリーンカードを取って欲しい」とまで言われるようになってしまった。
会社が僕にグリーンカードを取って貰いたいのにはどうやら理由があるようで、僕のビザステータス H1-B が枯渇してしまっていたからなのだ。僕が渡米して当時は、IT 産業花盛りで海外から H1-B ビザで働く外国人が増加の一途を辿っている頃だった。そのため年間○万人と決められている H1-B ビザ発給数はすぐに枯渇してしまい、新規採用は一年待ち、なんてことがよく起きていたのだ。その後年々 H ビザの発給数が引き上げられたがそれでもすぐにその年の分が無くなってしまうと言う事態が続いていたらしい。なので会社としても H1-B ビザからグリーンカードに切り替えられる人がいれば切り替えて、留学してきている外国人大学生などをリクルートしたかったようなのだ。
そういった会社の事情はわからないでもなかったので、「辞退」から「回答保留」に態度を軟化したのだった。

それからしばらくしてのこと。毎年夏にはカリブ海にスキューバダイビングしにいくのだが、そんな中 Grand Cayman 島に行ったときの帰り、フロリダ、マイアミ国際空港でアメリカへの入国審査を受けた。
これまでにもカナダやメキシコ、バハマなどアメリカ国外に旅行しても入国審査で問題になることはなかったのだが、このときはちょっと違った。係員がパスポートを開いて、僕の H1-B ビザのページを見た後、卓上のスキャナーにかざしたあたりで不審そうな表情をしたのだった。すぐにその係官のいるブースにランプが灯り、別の係員が来て「こちらに来てください」と言われてしまった。
連れて行かれたのはガラス張りの別室で、中にはカウンターと待合い席がある。僕前には数人の先客が席について待っている。
しばらくしてカウンタの向こうから係官が僕の名前を呼んだ。スーツケースなどを持ってカウンタに行くと質問をするでもなくやはりパスポートをスキャナにかけてなにか調べている。
おもむろに聞かれたのは「このビザは東京のアメリカ大使館で発行されたのか?」ということだった。どうやら「○○年に東京のアメリカ大使館で発行されたビザにしてはクオリティが悪すぎる」ということらしい。ただこの旅行のちょっと前にもアメリカ国外に出て、同じパスポートでアメリカに戻っているスタンプがあるので、それを見て「今回はこのまま入国させるのに問題は無いが、もう後少しでビザが切れるので、更新手続きを早めにするように。グリーンカードの申請はしているか?」と係官。「いやしていない」というと「長くアメリカにいる気があるのならグリーンカードを取った方がよい」と言いながら、入国許可のスタンプをパスポートに押してくれたのだった。

休暇からあけて会社の人事部に行き、H1-B ビザの更新手続きを開始すると、「この際グリーンカードの申請をしない?」と聞かれ、それまでは迷っていたもののやはりこの先どれだけ住むかわからないのと、海外旅行に幾たびに今回のようなヒヤヒヤを味わうのもいやなので、これを機に申請をしてもらうことにした。

とまあこんないきさつでグリーンカードの申請が始ったのだが、Grand Cayman 行った年に東京のアメリカ大使館で H1-B ビザの更新をするために日本に一時帰国する必要があったので、実際のグリーンカードの申請は2000年の12月になった。

以下、次回に続く。

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コメント(15)

はじめまして!私は今主人とアメリカに住むものです。税金にかんしての質問なのですが、主人は今現在H-1ビザで働いています。グリーンカードを取得するとアメリカに支払う税金の率などは変わるのでしょうか?そこの所をくわしくしりたいのですが、もし何か知っているなら教えていただけませんでしょうか?よろしくお願いします。

mayumiさん、はじめまして。
僕もH-1Bからグリーンカードに切り替えたタイプですが、どちらのビザステータスでも支払う税金には違いがありません。
また僕が知っている限り、例年4/15締め切りの税の申告でもビザステータスによる課税・非課税の項目は変わりません。ただしグリーンカードを取ることで副業を公的に行えますからそこからの収入に関しては課税されるでしょう。
H-1Bですと原則としてビザスポンサーしてもらっている会社でのみ勤務でき、職種も限定されますよね。

早急なお返事ありがとうございます。
とうことはソーシャルセキュリティーに関しても課税の割合は変わらないということでよいのでしょうか?グリーンカードにしても税金の利率は変わらないのですね。。。今もかなりの税金を支払っているように思いますが、永住権を得たからといって課税率が少なくなるという事はないのだ。。。。今後また永住権を取る段階で質問などが出てきそうなので、その時にもまた質問させていただくかと思います。どうぞよろしくお願いします。

mayumiさん、こんにちは。
僕の感覚としてはH-1Bの時の方が税金が安く、グリーンカードを取ったらもっと多く払わないといけないかな、と思ってました(その点ではmayumiさんと意見が逆かな? )
本来ソーシャルセキュリティはグリーンカードホルダー以外の人は払わなくてもいいようにすべきだと思います。年金として支払われるまで、かなりの単位を貯めないといけませんが、H-1Bで許される最長6年の滞在許可では足りないはずです。それに失業保険も納得いきませんよね。H-1Bを持っていて解雇されたら原則は祖国に帰らないといけません。滞在が許可されないのは当然のこと、失業保険も出ませんから。ところがグリーンカードなら会社をクビになってプーしていても失業保険が支給されるので、こういったところから僕は税金が高くなるのかなと思っていたんですよ。
ところで家を買う際のローンなどではグリーンカードを持っている方が有利に働くことが多いようです。僕が知っているのはそのくらいかな。
遺産の相続に関しては市民権を取らないとグリーンカードでは不利なようです。

たびたび早急なお返事ありがとうございます。本当にソーシャルセキュリティーに支払うのは納得いきませんね。。。。グリーンカードだと失業保険がきくんですね!今の所夫のビザがあと3年あるので、会社のほうとしては来年あたりから必要であればグリーンカードの申請をはじめてくれるようです。夫は現地での採用なので、やはりどこか足元をみられているような。。。(会社の対応が)先は長いようです。また何かありましたらよろしくお願いします。

mayumiさん、こんにちは。僕も日本からの転籍で今は現地採用です。・・・というかもともとアメリカの会社なので、僕のケースでは日本にいたときが「現地採用」なのかな???
グリーンカード取得頑張ってください。

またまた質問です。アメリカに長くお住まいとみて、質問ですが、銀行関係のことです。
銀行からたまにPromotional 0% APR !  として実際に使用しているパーソナルチェック以外で、数枚エクストラのパーソナルチャックが届くのですが、使い方がわかりません。。。APRが安くなり、うまく使うと得するようなのですが、はっきりした使い方をもしご存知なら教えていただけませんか?何がどうなるんでしょう?

mayumiさん、週末終わっちゃいますねー。
さて銀行から届くというエクストラパーソナルチェックですが、郵送で三枚くらい送られてくる奴ですか?(通常の小切手とは別のデザインのものですよね?)
あれはおそらくクレジットカードなどのローンを、銀行の口座から一気に支払って、クレジット会社にローンを返済するかわりに銀行に返済する仕組みではないかと思います。
たぶんAPRが0%sいうのはなにか期限か上限があるのではないかな。あまりうまい話しというのは無いと思うので。
ということで僕は使ったこと無いのでちょっとよく分かりません。アメリカはクレジットカードのローンの利子が高いので、毎月一括払いしています。

また新しい週のスタートですね!そうなんですね。。。。やっぱりうまい話はそうそう無いものですね。。。(残念)なんせ、主婦1年生なもので、イマイチ銀行関係などにうとくて困っています。今、生命保険についても調べていますが、どこか安心な所ご存知ですか?とりあえず、アフラックからの資料を請求しています!主人は日本企業に勤めているのですが、主人以外の日本人は全て日本からの駐在の方で、全くちがう生活をされているから、こちらでの事って聞いても知らないのですよ。。。本当はこちらでの学位を生かして米系の企業に就職したかったのですが、ちょうど9.11があったのと就職氷河期(外国人に対して)が重なって。。。あとはグリーンカード取得してからの転職にかけないと!!また色々教えてください。助かっています!!ありがとうございます。

日本から一時的な就労ビザ(H1-B含む)でアメリカに住んでいた場合、ソーシャルセキュリティがとられ損になるケースがありましたが、今年の秋をめどに日米で社会保障協定が発効する予定です。詳しくは下記サイトを参照。

http://www.sia.go.jp/seido/kyotei/kyotei06.htm

今でも、アメリカに住みながら日本の年金を払っているひとをたまに見かけますが、この協定が発効すると、日米で両方払っていた期間は逆に掛け損になるようです。

ボクは日本を出ると同時に年金を払うのをやめているので、この協定の恩恵を最大限に受けられそうです。

タカさん、こんにちは。
僕も年金の手続きをどうしたもんかと日本を発つ前と後で日本の省庁に尋ねたことがあります。その結果、僕は日本で任意の国民年金に入る手続きをして、現在も支払いをしています。
現在アメリカも日本も年金の取り扱いを巡って支給年齢の引き上げなどを検討しているようですが、廃止されないという仮定のもと話を進めると、「アメリカに住みながら日本の年金を払っても損にはならない」というのが僕の結論です。

今回タカさんが紹介してくれたリンクは基本的には「日本人が5年という短期間をめどにアメリカで働く」か「アメリカ人が短期間日本で働く」というケースを想定していて、その間の二重加入による掛け捨て防止にあります。正確に言うとそのまま長く相手国に居住することもできますが、それでも主たる目的はどちらかの国の年金受給資格で掛け捨てを防止するということで、どちらか一方の年金に加算できるというものです。
たぶんタカさんも紹介してくれたサイトを読んで分かったと思いますが、ほとんどの日本人はアメリカで短期間働いたあと日本に帰るので、今回の措置により日本で年金を支給されるようアメリカで支払った期間を日本での年金システムに加算してくれるというものです。つまりアメリカ政府からの年金受給を想定したものではありません。
ところで日本に戻っても日本の年金を受給するためには通算25年間ものあいだ年金に加入し、支払いをつづけなくてはなりません。がその間アメリカに住み、アメリカで年金を支払うも、その期間を足しても25年に満たない場合(満たす場合はもちろん日本の年金を受給できる)、それでもアメリカでの年金を受給出来る可能性があります(こちらは40クレジットですね)。ただし日本で年金を支払わず、アメリカでも40クレジットに満たない場合は残念ながらどちらの年金も受給できません。

でアメリカに住みながら日本の任意国民年金に加入し、さらにアメリカで年金を支払った場合、どちらも所定の年数やクレジットを満たすと両国から年金の支給されることになります。
また日米租税条約が最近改正されて、両国から年金を支払われる対象者に対して大幅な免税措置が取られることになりました。
僕はあと一年ほど年金支払いを続ければアメリカでの年金受給資格を得るのですが、そのあとで日本に住んだ場合、日本での年金を受給されつつ、アメリカの年金を受け取るとアメリカで課税(30%源泉徴収)されることになっていましたが、今回の条約改正にあたり、これが免税となりました。また逆に僕が年金を受給されるときにもまだアメリカに住んでいる場合、つまりアメリカの年金を受給しつつ、日本から年金を受け取るとこれまた日本で20%もの源泉徴収対象として課税されてましたが、同じ理由により免税となります。

ただし上にも書いたように僕らが年金を受け取る時代にもこのシステムがうまく作用していることが大きな条件となります。国が破産したら元も子もありません。

失敬、「掛け損」というのは早とちりでした。通算の対象にはならない、だけですね。

ただし、日本で25年払わないと日本で受給資格が発生しない、というのは正しくないようですよ。今回の協定が発効したあとは、日米通算25年になれば、日本での払いが25年未満でも日本から支払額に応じた年金の給付を受けることが可能になるようです。

日本からだけ受け取るか、日米両方から受け取るか、あるいはアメリカだけから受け取るか、それは個人の選択になるようですが。

いずれにせよ、アメリカの年金が掛け損にならないのはいいことですが、選択肢が増える分、悩みも増えそうです。

あ、それでは訂正です。25年に満たないと支給されないと思ってましたから。

住民票が日本にない人の国民年金加入は任意ですから、個人の選択というのは正しいです。

ただしいくら貰えることになるのか、もうちょっとしたらきちんと計算しないといけません。
アメリカの40クレジットは割とすぐだけど、日本の25年は長い。

こんにちは、hiroさん。こんなに良いブログがあるなんて。もっと早く見つけていたらと思いつつ感動です。実は獣医師といての資格を生かしてアメリカでも生かしたいと思っています。大学時代はオクラホマで過ごし、今は日本の獣医大にいます。アメリカの経済状況(+雇用状況)も良くわかっていますし、わざわざ日本人の私に就職枠(H1-B)をくれるアメリカ会社またはclinicってあるのでしょうかね。。hiroさんのようにH1-Bからグリーンカードとるのが私の最終目的なのですが。。。
ちょっとした相談です。

hitomiさん、こんにちは。
アメリカはペットを飼っている人の数が圧倒的に多いので、獣医師やペット関連ビジネスは日本の比ではないようです。
就職は「アリ」だと思いますが、気になるのは獣医師資格の違いです。一般的な医師免許が日米で異なるように、こちらでも必要な資格は取らないといけないのではないかと思うのですが。すみませんこのあたりはきっとhitomoさんも調査済みですよね。
もし資格の面で問題がなく、資金があれば最初から開業できるのではないですか? おそらく投資家ビザなどが取れると思うのですが。

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このページは、hiroが2002年3月23日 00:09に書いたブログ記事です。

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