このところ何回か物欲絡みの話が続いたが、その中で Wireless LAN 導入の話を紹介した。もともと家庭内など限られた空間の中で、インターネットを利用する PC をケーブル要らずにしてくれるものだが、最近はこれが家庭内だけでなく、外でも使えるようになってきている。この流れは日本に限らずアメリカもそうなのだ。
■写真はすべて Powershot G2。

にぎやかなTimes Squareからほど近いBryant Park。
Wireless LAN は現在も僕のアパートの中で活躍中だ。うちにはよく友達が来るのだが、メールのチェックなどでインターネットを使いたいという人は以外と多く、同時に複数の PC でインターネット利用できるのは便利。よく考えてみれば電話と同じ進化だ。
かつて電話と言えば黒電話。家の中で電話のある場所は決まっていて、家によっては電話のそばに椅子なんかおいてあって電話する場所として固定していたんじゃないかな ( うちは玄関近くにあったので家人が電話するときは脇の階段にこしかけていた )。それがコードレス電話とともに家の中のどこでも電話がかけられるようになり、携帯電話の出現とともに電話を持ってでかけると言うことが可能になった。携帯電話が珍しい初期の頃は、それまで線につながっていた電話を開放することが如何に便利かはなかなか認知してもらえず、逆に偏見のような目で見られていたものだ。そのころから始まった「携帯電話のマナー」とやらもこれだけ多くの人が使っているのだから見直してもいいと思うのだが・・・。
話は横に飛んだが、僕の言いたかったのはこれが PC にもやってきたということ。
ノートPCの出現でどこでも持ち運べるようになったものの、今度はブロードインターネットが普及し、これでまたケーブルに縛られてしまった。携帯電話会社のパケット通信カードなどによりナローバンドの通信は可能なものの、ブロードバンドととなるとLANケーブルにつないで・・・ということになり、持ち運ぶのはあまり現実的とは言えなかった。
けれどもそれを可能にしたのが Wireless LAN であり、日本各地でも実験されているホットスポットだ。

もう一歩中に踏み込んで芝生の広場に。
カフェやファーストフード店などに Wireless LAN のアクセスルータを設置し、客が持ってきたノートPC を自由に店内のインターネット LAN に接続して貰おうというもので、ニュースなどで見る限り東京ではあちこちで試行できるようだ。
その多くは ISP が自社のユーザ向けに追加サービスするもので、ユーザ認証を行うソフトウェアのインストールが前提になっているものだ。どうやら NTT はハードウェアによるユーザ認証を設ける予定のようだが、もともと家庭向けに簡単なセットアップだけで気軽に使えるように作られた Wireless LAN なので、有料サービスを提供する各社はどうやってユーザ認証を行うか、頭を悩ませているように見える。
この時代有料でサービスしなくてはならないのはよくわかるけれども、妙なソフトやハードで認証を行おうとすると、困るのは結局ユーザなのだ。どこか一社のホットスポットサービスに加入すれば、それでほとんどのエリアがカバーされるのならまだしも現在のようなサービス開始時期ではプロバイダごとにエリアに特徴があり、結局ユーザによっては複数のプロバイダを使わなくてはならないだろう。プロバイダごとに異なるアプリケーションをインストールし、デスクトップに妙なアイコンが並ぶのも美しくない ( 個人的にはメルコがサービスを開始するシステムが一番すっきりしていると思うが。http://www.freespot.net/ )。
アメリカでも Boingo や Mibilestar ( 現在 T-Mibile 傘下 ) がプロバイダとしてホットスポットサービスを展開しているが、やはりカバーエリアに特徴があり、一社で万能というわけには行かないようだ。
大手プロバイダがどうやってユーザ認証を行い、利用料金を徴収しようかと考えている一方、無料化の動きも出てきている。先にあげたメルコの「フリースポット」は日本のみだが、できれば Buffalo ブランドでアメリカに進出している同社のことだからこの製品とサービスもこちらで展開してもらいたいものだ。
市民グループもそんな有料のホットスポット展開に風穴をあけるべく、Manhattan 内のとある公園で無料のホットスポットサービスを開始したことがニュースになった。その公園が今回紹介している Bryant Park だ。
場所は42nd Streetの5番街と6番街の間にあり、Grand Central 駅からも Times Square からも歩いていける絶好のロケーションだ。5番街側には New York City Library が立っているので、この公園が Bryant Park とは知らなくても図書館の裏の公園といえばわかる人も多いようだ。1 ブロック弱の公園で Central Park とは比べるまでもなく小さいのだが、園内はきれいに整備され、また椅子と椅子とテーブルが置かれていて軽食を持ち込んで食べたりすることも出来る。また夏には Film Festival が開かれることでも知られている。
話によるとこの夏より、この公園全域 ( といってもそれほど広くないのは先ほども書いたが ) で無料 Wireless LAN が使えるようになったそうだ。それを聞いて早速 Let's Note を持って、天気の良い日曜日の午後出かけてみた。

発見!どうやらこれがWiFiのアンテナの様だ。
この日はからり晴れ湿度も低く、日向にいても汗ばむこともないようなさわやかな夏の一日だった。
この公園で日光浴をしようという友達の誘いを出てきたのだが、ねらいはもちろん日光浴ではなく、ホットスポットの状況調べ ( この辺がいつも New York Watcher。苦笑 )。
大きな公園ではないものの、待ち人が来ているかを見渡せるほど小さくはなく、約束の時間よりちょっと早かったこともあって向こうから見つけてくれるだろうと最寄りの椅子に腰掛けて待つことにした。
円形のテーブルの前には前の持ち主が読み残していった New York Times 日曜版が置いてある。よく知られているように日曜版の新聞は特にぶあつくて、いろいろな特集に分かれている。近くのゴミ箱に捨てずにテーブルに置いていったのはまだ読む人がいるかも、という配慮かもしれない。残念ながら僕の目的はこれではないので、新聞をはじに寄せて鞄からノートPC を取り出す。頭上に茂った木々の葉がノートPCを覆うようにちょうど良い陰を作ってくれる。

天気の良い日は公園でインターネット。もちろん高速、しかも無料!
モニタを開くと休止状態だった Windows がすぐに立ち上がった。
僕が買った Wireless LAN カードについてきたユーティリティを起動し、この近辺のネットワークを表示させてみると・・・すごい!4~5箇所のアクセスポイントをみつけている。 試しに頭から2つ、3つを適当に選んで電波状態を調べてみると、信号の強さは強、リンククオリティも高と出た。これならどのアクセスポイントを選んでも良さそうだ。まさか市販の Wireless LAN ルータやアクセスポイントが裸で設置されているわけもないだろうと、と公園内を目をこらして見てみると、アンテナらしきものを発見。どうやらこの建物の中にアクセスポイントが設置されているようだ。
接続するとIEの最初の画面が表示され、この公園についての案内が書かれている。IE 起動2度目から直接インターネットにアクセス出来るようになっている。最初に表示された案内をろくに読まなかったのでもう一度読みたいと思ったのだが、サーバ側で管理しているようで、この画面が出ることはもはやなかった。いちいち案内が表示されるのもうっとおしいだろう、という配慮から一回しか表示させないのだろう。同じ仕組みを使っていると思われるのが上で紹介しているメルコのフリースポットで一回目に広告が表示され、2回目以降は通常のインターネット利用ができるということだ。これを聞く限りこの公園とだいぶ似ている。
もちろん愛用の電子メールソフト、Becky!を起動してみるもちゃんとこのホットスポットのネットワーク経由で僕のメールが取り出せた。スピードも自宅で使っている CATV インターネット並の数 Mbps は出ているようだ。
近くにはコーヒーを売っている売店などもあり、軽食を食べながらの野外インターネットはちょっと楽しい。
注意するのはノートパソコンの場合、日差しの強い野外では液晶の文字が暗く見え読みとりにくいこと。最近の携帯のような反射型液晶を使っている PC だったら視認性は強いかな。芝生に寝っ転がってのインターネット、気持ちよかったけれど僕の PC の場合は木陰の方が見やすかった。
考えてみればこのサービス、New York に住んでいる僕らだけでなく、日本から来る旅行者の人にも最適なサービスなんじゃないか!?真冬の寒い時は無理が有るけれど、それ以外の季節だったら屋外は快適な日々が多い。日本から自分のノートPC か Wireless LAN が組み込まれた PDA をこの公園に持ってくればなんの設定もなくそのままインターネット出来てしまう。旅行で来る人、一考してみては?
Bryant Park と共同でこのインターネットサービスを提供している、NYCWireless の公式サイト
http://www.nycwireless.net

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