2003年6月アーカイブ

さて今回も長々と Chicago Watch と称して Chicago 旅行をしたときの話。本来ならば「 NY Watch 番外編」があるので、そちらにアップロードすべきだが・・・ ( いずれまとめてそちらにアップロードするかな? )

写真はすべて Canon EOS 10D。

chicago3-2.jpg
Chicago ダウンタウンで見つけたパブリックアート。これを見てつい停まってしまうタクシーはモグリということか!?

前回紹介した Frank Lloyd Wright についてだが、今回ももう少しだけその続きを紹介しようと思う。
Oak Park にはこの記念館だけでなく、ライトが設計した邸宅がほかにも現存している。たぶんそれが一つだけではないのだろう。その証拠にこのあたりの交差点には皆、上のような標識が掲げられている。僕も時間を作ってこのあたりを散歩してみたが、ライト設計と思われる家は一軒だけしか見つけられなかった。それでもこのあたりの家はどれも「瀟洒」という言葉がぴったりなほど、こぎれいな家々が多い。いわゆる城みたいなお屋敷なら New York の Long Island でも数多く見られるが、それだけ大きな家ならもちろん億万長者が住んでいるわけで庭も建物も手入れが行き届いているのはわかるが、ここ Oak Park のは邸宅と言ったサイズでありながら、とてもきれいに町並みを形成している。話は脱線するが、建築美なのはこういった住宅地だけではなく、Chicago のダウンタウンの高層ビルにも見られる。Chicago の高層ビルのユニークなデザインを見た後では New York の高層ビルがつまんなく見えてしまうほど。
Chicago がこれほど建築美にあふれているのは、単にライト1人の力だけではないと思うが、それでも Oak Park は少なくとも彼の影響を大きく受け、後からここに家を建てる人たちが参考にしたのではないだろうか。

話は変わって Chicago の食べ物について。
たぶん一番有名なのはピザだろう。日本にも Chicago Pizza ってデリバリーのピザチェーン店がある ( あった? ) と思うが、僕が住む New York ですら、Chicago ピザの店「 UNO 」があちこちにあったりするほど、Chicago スタイルは有名だ。
一般に Chicago のピザというと、2種類あって一つは分厚くて柔らかい生地の Deep Pan Pizza。そしてもう一つが具が中に詰まった Stuffed Pizza - ピザの生地で出来た巨大なおまんじゅうみたいなものだ。大きな釜で焼く薄くてぱりっとした生地のピザも最高だが、この Deep Pan Pizza は具がぎっしり載っていてリッチなうまさがある。今回の滞在だけでなく、前回来たときもこの Deep Pan Pizza を試したが、どれもはずれが無くおいしかった。これは友達がおいしいピザ屋だけをピックアップして連れて行ってくれたのかもしれないが、東京生まれの僕が大阪に行ってどこのお好み焼きもうまいと思うのと似ているかもしれない。ファーストフードであちこちに店があり、どこで食べてもはずれがないと言う意味でこのピザは Chicago における「お好み焼き」なのかもしれない。

chicago3-6.jpg
友人が連れて行ってくれた Italian Beef の店

・・・とずっと Chicago の「お好み焼き」は Deep Pan Pizza だと思っていたら、今回の旅行でさらに別の Chicago 名物の食事に出会った。うーんピザはお好み焼きではないのだろうか、と一瞬考えたが大阪にはお好み焼きのほかにたこ焼きも名物があるではないかと気が付いて、今回見つけたこのメニューを Chicago のたこ焼きに値するものだとふと気が付いた。今回写真付きで紹介しているのがその Chicago のたこ焼きこと、「 Italian Beef 」だ。
最初友達に「 Italian Beef 好き?」と聞かれて、思わず「は?」
神戸牛やオージービーフのようにイタリア産地の牛肉がここ Chicago では流通しているのか? それに牛肉好きかと言われてもハンバーガーなのかステーキなのかによっても違うぞ、と思っているとどうやらそういうことではなく、Italian Beef という食べ物があることがわかった。
でここがおいしい、と言って連れて行ってくれたのが Portillo という店。後で調べたところ Chicago には何カ所も店舗があり有名なようだ。このチェーン店以外でも、車で街中を走っているとあちこちに「 Italian Beef 」の看板を見かけたのでよほどポピュラーなんだろう。

chicago3-7.jpg
Portillo店内の様子。

でこの店の Italian Beef を元にどんなものかを説明すると、大きなコッペバンに薄切り牛肉が入ったサンドイッチで、好みに応じて野菜が加わる。これだけだとなんて事はない、フィリーチーズステーキサンドイッチのようだが、仕上げとしてその店の特製ソースの中にそのサンドイッチをざぶんと沈め、味を付けるのだ。なのでできあがったサンドイッチはもちろん水浸しならぬソース浸しになっている。特製のソースというだけあって味付けもさることながら、牛肉と野菜がとてもジューシーになるのだ。
この食べ方、何か懐かしいと思って考えてみたら、パンをスープに付けて食べたり、ご飯にみそ汁をかけて食べるのと似ていて人前でやるには行儀が悪いような気がして恥ずかしいんだけど、子供の時はこれが好きだったんだよなぁっていう食べ方だったりする ( パンにスープや料理のソースをつけて食べるというのはみそ汁にご飯よりは恥ずかしさも全然少ないが )。
行儀が悪い、というのは食べていると余計に汚したりするのもその一つの理由だが、この Italian Beef というサンドイッチはまさにその通り。食べるのが至難の業なのだ。まず両手はびしょぬれになることは覚悟しなくてはならない。サンドイッチは油紙にくるまれ、されにビニールの中に入っているのだが、すでに油紙が水分を吸っている。サンドイッチを袋から出す時点でもう手は汚れている。がここでひるんでは食べられない。油紙をむいてサンドイッチを口にするもかなり断面が大きい、なのでかじると口の周りがぐっしょりと汚れてしまう。
なぜこれを Italian Beef と呼ぶのはわからないが、Chicago に行ったらこの名物料理に是非挑戦すべし。

chicago3-5.jpg
そしてこれが Italian Beef。見た目はちょっと・・・だけど味はなかなか!


Chicago 最終日も飛行機のスケジュールの関係で日中たっぷり時間があった。ダウンタウンの写真は以前 Chicago に来たときに重点的に撮ったのだが、今回はやはり新しいカメラを手にしているので、友達に頼んでフライトまでの時間に連れて行ってもらうことにした。
そのときも撮った「とうもろこしの形をしたタワー」( 正式な名称は Marina City ) は何度見てもやっぱり奇抜だ。このピル、60階建てのレジデンスビルだが、建てられたのは僕が生まれる前。そのくせ古さを感じさせないのはなぜだろう。
現在 New York の World Trade Center 跡地 ( Ground Zero ) はすでに基礎工事が始まっており、この上に建つ新しい高層ビルのデザインも決定した。予想図によると、SF 映画にでてくるような未来型のデザインだが、こういうデザインはすぐに古くさくなってしまうんじゃないかと、このトウモロコシビルを実ながらふと脳裏をよぎった。

chicago3-1.jpg
とうもろこしの形をしたビル、Marina City

chicago3-3.jpg
Chicagoといえばブルースの本場。こんな看板も見つけた。

夕方ダウンタウンから Midway 空港までに友人に送ってもらい、来たときと同じ ATA 機で New York に戻る。来るときは1時間戻したのだが、今度は1時間先に進めなくては行けない。フライトは1時間ちょっとのはずだが、この時差の関係で New York に着くのは夜11時となってしまった。
La Guardia 空港に着き、タクシーを拾って帰途につく。直前に雨が降ったと見えて、空港からの道は黒光りしていた。New York に戻ってくるとここに仕事や生活が待っているのか、とたんに現実を直視することになる。さっきまで晴天下の Chicago にいたことがまるで嘘のようだ。

長々と3回に引っ張った Chicago Watch もこれでおしまい。次回はまた New York の話です。

chicago3-4.jpg
青い空に高層ビルが映えるダウンタウンの様子。

番外編 Chicago Watch その2で紹介した Frank Lloyd Wright だが、彼の住んでいた家の近辺は自身が設計した邸宅が多いことからこのエリアは Historic Area に指定されている。建ち並ぶ家々は「屋敷」とか「城」とまでは行かないまでも、かなり立派だ。そしてそのデザインがそれぞれユニークなのもこの場所の特徴だろう。他の都市では郊外の家と言っても同じ頃に開発されたせいか、色さえ違えデザインやできている材質などはどれも同じに見えるのだが、ここではそんなことがないようだ。( 7/8/2003追記 )

※以下の写真はクリックすると拡大します


木々に囲まれて涼しげな家。


庭に目立った植木はなく、家はどっしりと構えている。


アメリカ南部に見られるような家?


ツタが絡まりヨーロッパ風のイメージだろうか

飛行機の中でうとうとしたものの、ほとんど徹夜明けで着いた Chicago。友人の家に行くも、すぐに爆睡・・・

写真はすべて Canon EOS 10D。

wright0.jpg
歩道を歩いていてもその独特なたたずまいにフランク・ロイド・ライト設計の家だとすぐわかる。

連休初日土曜日の朝、7:30に空港まで迎えに来てくれた友人に感謝しつつ、早速車に乗り込んで友人邸に向かう。空港からは Chicago のダウンタウンを通り抜けていくことになるが、休日の朝ということで高速道路を走っている車も少ない。出発したのはどんよりした曇り空の New York だったが、ここ Chicago はどこまでも青い空が広がっている。

一般に Chicago の天候というと、「冬は凍てつく寒さで、夏は湿度が高くてうだるような暑さ」と誰もが言い、アメリカでは別名「 the Windy City 」と呼ばれるほどあまり良いイメージでは無い。実際 Chicago ダウンタウンのすぐそばにはミシガン湖が横たわり、この海とも思える巨大な湖から吹いてくる風が冬の Chicago を凍てつかせ、夏には湿度の多い空気を運んでくるのだ。
僕は今回で2度目だが、前回の夏も今回の初夏もそれほど不快だとは感じなかった。特に今回は雨続きの New York から行ったので、さわやかな青空が広がり、湿度もそれほど高くなく、涼しげなそよ風が吹いている Chicago の気候に魅了されてしまった。

見覚えのある高層ビルが建ち並ぶダウンタウンを抜けて、友達が家を買ったという郊外に着く頃には車の窓を開け、そこから入ってくる風が眠気を覚ますにはちょうど良い涼しさだった。
家に着くと簡単に家の案内をしてもらうも、寝起きの友人も僕もものすごく眠く、昼間でそのまま眠りこけた。

昼過ぎにもそもそと起きて、友達を見てみると呆れた事にまだ眠っている。一度目が覚めると眠れない僕はそのまま荷物の整理をして時間を過ごしていると、物音に気づいたのか、友人も起きてきた。
朝寝をする前にちらっと家の中を見せてもらったが、このあと本格的にいろいろ見せてもらう。僕もコンドミニアムか家を買いたいと思っているので、見る方もつい熱が入る。
ちなみにこれってアメリカの習慣と言っても間違いじゃないと思うのだが、家に遊びに来た友人にはかならず家の中を連れて回って「ツアー」することがおきまりのような・・・。初めて行くお宅でも「ここがキッチンで、ここがリビングルーム。でこちらがマスターベッドルームでこれがバスルーム」と家中のすべての部屋を見せてくれることが多い。さすがにどの部屋も請求書や読み捨ての雑誌なんか落ちて無くて、どのベッドルームもきちんとメイクされていてその点はさすがだと思うのだが。
うちだけかもしれないけれど、滅多にこない来客でも僕の両親はそんなにあちこちの部屋を見せていた記憶はないし、居間以外はいつも散らかっていた。それに比べるとアメリカのこういう家庭の各部屋はまるでショウルームの様だ。
話をもとに戻すと、友人の家は半地下、1F、2Fとそれぞれ別々のユニットになっていて日本で言うところの2世代ならぬ3世代住宅になっている ( アメリカではこういう家を 3 Family House と呼ぶ )。この3つのユニットをそれぞれ友人、家族、親類の3 Family が分けて住んでいる ( つまり僕の友人が大家で他の親類がテナントということになる )。僕も資金に余裕があれば、コンドミニアムの代わりにこういう形で家を買おうと思っているので、購入後にどんなお金がかかるのか、どんな手間が余計にかかるのかなどをいろいろ尋ねたりした。


「さて、Chicago のどこ見に行きたい?」
そう友達に言われて、ちょっと困った。というのは Chicago には数年前にも一度訪れていて、そのときにダウンタウンの観光などはさらりと済ませているのだ。見てみたいと言えば、今回のテーマは「家」。購入したばかりという友人の家も見ておきたかったし ( なので今回は友達の家で割とゆったりと時間を過ごした )、もう一つ見たいのが、実は前回あまり見ることの出来なかった Chicago 郊外の家で、特に Frank Lloyd Wright 設計の家だ。

wright4.jpg
元々ライトが設計した自身所有の家だったものが買い上げられ、今は一般に公開されている。

Frank Lloyd Wright ( 以下ライト) については僕も日本で特集番組を見たことがあるので知っている人も多いと思うが、アメリカの生んだ著名な設計・建築家で、その作品としては New York の顔の一つにもなっているグッゲンハイム美術館の建物などが有名。ライトは日本に滞在したこともあり、旧帝国ホテルも彼のデザインによるものだとか ( 実物は移転されて復元されているらしいが、僕は見たことがない )。
Chicago とライトの結びつきは、その日本滞在の前までさかのぼる。彼が住んだ Chicago の Oak Park には自身の家のみならず、いくつもの家の設計に携わり、その家々は今でも現存している。その中の一つが今回写真で紹介している家だ。前回 Chicago を訪れたときも Oak Park ではないが、やはり彼が設計した家の一つで今は博物館になっている建物の一つを訪ねた。建物の中は写真撮影が禁止なので今回は入場料を払ってまでは中に入らなかったが、庭園やロビー ( ここはチケットとおみやげの売り場になっている ) には誰でも入ることが出来る。
なんでこんなに詳しいかというと、単にライト博物館での説明員からとインターネット上の情報の受け売りなのだ。ちょっと日本語のページで検索してみてもかなりのヒットがあり、その中で三井ホームのサイト ( 下で紹介 ) ではわかりやすく彼の生涯を紹介している。

wright3.jpg
上に紹介した写真の4本(陰に入って見えないがそのすぐ後ろにも4本あるので、合計8本)の上にある装飾物のアップ。人間が膝を抱えている。

wright2.jpg
窓ガラスにこの直線的な文様が書かれているが、これもライト作品の特徴。

日本文化が彼に与えた影響は大きいとされ、彼と日本との結びつきはその後の家のデザインにも見ることが出来るらしい。直線的で鋭いラインを多様するライトのデザインにあって屋根は日本の家屋のように柔らかな傾斜を持ち、そこだけ日本の瓦屋根のように見えるものもある。
日本のガイドブックにも紹介されていると見え、この Oak Park にある一軒家を改造して造られたミュージアムにも日本からの観光客がかなり来ているようだった。それにしても Chicago のダウンタウンから車を飛ばして数十分かかるこんなところまで、みんなよくこれるなぁと変に感心してしまった。レンタカーでも無いとこれそうに無いのに。バスツアーでもあるのかなぁ。

せっかく案内してくれるので、ライトが設計した家を見に連れて行ってもらうことにした。偶然にも友人が家を購入したのがライト縁の地、Oak Park ということで実はとても近く、結局二日にわたって見て回ることになった。
今回紹介している写真もライトが自分自身のために建て、スタジオとしても使用した家で、現在はミュージアムとして一般に公開されているものだ。前回 Chicago を訪れたときに見に行った別のライト保存館では入場料を払って入ったが、今回は入場料$9をケチって、外観の撮影に徹することにした ( 笑 )。

wright1.jpg
その8本の柱のアップ。柱一本につき8羽のコウノトリが装飾されている。

さてここまで書いていてだいぶ長くなったので次回も Chicago Watch を続けて写真を紹介したいと思う。
ちなみに今回から少しフォントを大きくしてみました。この方が読みやすいですか?

Frank Lloyd Wright Preservation Trust の公式ウェブサイト
ここの「Home and Studio」をクリックすると、今回紹介した建物の内部の写真も見られます。
http://www.wrightplus.org/

三井ホームのフランク・ロイド・ライト紹介のウェブサイト
http://www.mitsuihome.co.jp/FLWRIGHT/flw_top.htm

例年、5月6月はからりとした晴天が続く、New York の四季の中でも特に気持ちの良い季節のはずなのだが、今年の初夏はまるで梅雨。それも特に週末になると雨ばかりで、つい家に閉じこもり気味。
そんな雨の日を抜け出して、Chicago に先月行ったときの写真を紹介しようと思う。( 2回か3回に分けて紹介の予定 )

写真はすべて Canon EOS 10D。

chicago1-1.jpg
Chicago、Midway空港内のオブジェ。最初折り鶴かと思ったが、どうやら小さな飛行機の様だ。

久しぶりに Chicago を訪れたのは Memorial Day の連休。New York の天気予報では3日間と雨だったが、行き先の Chicago は晴天マーク。どうやら一番新しいデジタルカメラ EOS 10D も活躍しそうだ。旅行の直前に間に合った新レンズも持参して初夏の Chicago で使い勝手を見ることも出来る。
ところで今回の旅行先だが、知人が昨年家を買ったというので、週末遊びに来るよう誘いを受けていたのだ。とはいうものの Memorial Day の休みを前にして Chicago 行きを意識したのは2週間前。この時点で New York - Chicago の直行便は満席になっていた。
正確に言うと New York と Chicago を結ぶ直行便はあるのだが、当日まで2週間を切っているために値段の安い席や便は売り切れ、残っているのはビジネス客を当て込んだような$800以上もするような便だけなのだ。普段$200前後で往復できるのだから、この$800というのがとてつもなく高いのはわかってもらえると思う。さすがにこんな高額なチケットを買ってまで行くのは馬鹿らしいので、友達に「チケットがほとんど売り切れで、$800出さないと直行便買えないよ。今回はひとまず延期して9月の連休にしようか?」とメールすると、「 Chicago の空港を O'Hare じゃなくて Midway 空港で試してみたら?」と返事があった。早速、orbitz.com や expedia.com などで検索してみると、ATA という航空会社利用の飛行機でまだ直行便に席があり、値段も$300以下というのがちらほらでてきた。ATA ってどんな会社だろう、とホームページで調べていると、公式サイトでも航空券がオンライン購入できることを発見。しかも orbitz.com や expedia.com より同じ便でも安いのだ。ということですぐさまマウスをクリックして e-ticket を購入。


出発前夜。
近所に住む悪友の強い誘いに負けて、旅行前夜だというのにパーティに行ってしまう。雨が降っている上、場所が Brooklyn の DUMBO ( New York Watch で以前紹介済みのエリア ) ということもあって、車を運転して行く。これまでに昼間の DUMBO に来たことはあったが、深夜は初めてだ。もともとが倉庫街なので、煉瓦造りの建物が多く、周りは街灯が少ない。それに石畳は雨に濡れ、視界に入ってくるのは灰色や黒色と言った暗黒っぽい雰囲気。知らないで来たらびびってしまいそう。
そんな街中のとあるスペースを借り切ってパーティーだったが、翌朝出発が早いということで友人を残して朝2時過ぎにパーティを抜け、帰宅。部屋を片づけながら出発の荷造り開始。荷造りと言っても数日分の着替えとカメラ道具一式なのであっという間に終わる。
さてこの後出発まで一休みするか、とも思ったがいつもの僕の旅行のパターンで出発時刻が早いのだ。朝6時発の飛行機なので、国内便といはいえ2時間前までにチェックインせよ、と指示されている。となると朝4時だが、こんな早くに旅行に行く人はいないだろうと5時にチェックインすれば大丈夫なはず。でもって利用空港はうちからタクシーで10分ほどの La Guardia 空港なので4時半に家を出れば十分間に合うだろう。
これまでにも早朝出発のパターンを取ってきたが、何度も寝坊したことがあるので、最近は寝ないで出発することにしている。この日はインターネットしながら1時間半を過ごした。

朝4:30。大きな鞄を二つ抱えて表にでる。Queens でもこのあたりはイエローキャブがよく走っているので、この日はカーサービスを呼ばず、近くの交差点でタクシーを拾うことにする。手を挙げるまでもなく2台のタクシーがすぐに目の前に止まりそのうちの一台に乗り込む。「La Guardia まで」と運転手に行き先を告げると運転手は無言で車を走りせはじめる。
予想通り道は空いていて、空港まで難なく到着。チェックインカウンタも並んでいる人が数人しかいなかったのでこれまたすぐに完了。これまで「自分でパッキングしたか」とか「誰かに持ってもらったか」「荷物を預かってないか」なんていう質問を受けたけど、そんな問答が無意味ということでもう聞かれなくなった。その代わりにこの後のセキュリティが厳しくなっている。

La Guardia 空港では搭乗口に向かうまでに手荷物の検査があるが、さすがにイラク戦争当事国だけあってかなりタイトなセキュリティだ。911同時テロの後にも日本やカリブ海に旅行したが、ここまで厳しくは無かった。身につけている金属製のものはすべて取り外し、帽子も靴も脱ぐ。ベルトがないのでズボンがずり下がって歩きにくい。今回は2泊3日の短期間滞在なので荷物はすべて手荷物。着替えが入った鞄と、カメラの鞄の二つだ。幸いどちらもあけてみるような面倒なことにはならなかったが、人によっては荷物の中を探られている人もいて、ここを通過するにはとにかく時間がかかった。

朝の5時とあって、空港とはいえフードコートのほとんどはまだ眠っている。唯一コーヒースタンドと電子レンジで暖めただけのようなオムレツを出す店の2店しか開いておらず、朝食を食べずに来た人は眠たそうにしながら、仕方なく列に並んでいる。僕はといえばぎりぎりに空港に行ったので搭乗開始まで後わずかということもあってコーヒーだけ買って機内に持ち込んだ。

chicago1-2.jpg
閑静な住宅地、といってもまるで森のようだが、その中を走る一本の線路。

今回利用したのは American Trans Air 機。通称は ATA と呼ばれているが、実は今回利用するまで耳にしたことがなかった。下に紹介した公式サイトにアクセスしてみるとわかるが、Chicago をベースにした中小航空会社の様だ。この航空会社のロゴがアメリカにしてはなんだか時代遅れのような気がして、そのせいか飛行機まで古いんじゃないかと思ってしまったのだが、CI マークをのぞけば飛行機も割と新しく、サービスも快適だった。シートは広いとは言えないが、全席皮張りで座り心地は良かった。New York、La Guardia 空港から Chicago の Midway 空港までは飛行時間2時間ほどなのでその間はドリンクサービスのみだが、これで不満に思う人はそんなにいないだろう。
最近はやりのディスカウント航空会社 Jet Blue と同様、この機でも降りる前にアナウンスがあり「降りる際には目の前のポケットなどからゴミを取り出して外で捨ててください」とあった。こうすることで清掃を極力減らし、短時間で次のフライトにまわすことができるので、その分をコストダウンにつなげているのだ。機内音楽サービス用のイヤホンですら、有償で聞く必要の無い人までその分を加算しない方針なのだ。ちなみにこのイヤホンは専用ケースに入っており、持ち帰ることができる。アジアのどこかの国で製造した安いものかもしれないが、見た目には結構しっかりしていた。ATA に載ったおみやげにはいいかもしれない。

うとうとしているうちに Chicago、Midway 空港に到着。定刻よりほんのちょっと早く着いた。
上にも書いたように今回は新しく買ったデジタル一眼レフカメラ EOS 10D とこれまた最近入手したレンズ EF 17-40mm F/4L USM での腕ならしというか筆ならしというか、とにかくどんな風に新緑の Chicago が撮れるかに重点を置いて機材を選んだ。
空港のセキュリティは厳しい上に今回は一眼カメラとそのレンズということでそれだけで前回より荷物が重い。そこで今回はコンパクトデジタルカメラを持たずに 10D だけで撮ることとした。ちょっとでも不穏な動きをしているととがめられてしまいそうで、今回は空港内での写真撮影を自粛。こんなときカード型デジタルカメラとか、携帯電話デジタルカメラとか、そうでなくても Powershot G2 あたりでも写真を見てるフリをしてぱしゃっと撮れてしまうのだが。
なので空港で撮った写真はこれ一枚だけ。出迎えの人たちが集まっているところなので、到着した人と写真を撮っている人もいるぐらいだから、ここは OK なのだろう。空港自体は最近化粧直しを済ませたと言うだけあってとても広くてどこもかしもぴかぴか。Chicago と言うと有名な O'Hare 空港が真っ先に頭に浮かぶが、こんな風に航空券が取れないときに、他の地方空港経由で Midway 空港から Chicago に入るのもおすすめ。ただし O'Hare は空港まで地下鉄が来ているので市内まで迷わずに座っていけるが、Midway の場合はバスかタクシーを利用することになるようだ。

chicago1-3.jpg
Chicago郊外の家々はどれもが独自のデザインで、見ていて美しい。そのあたりの話は次回紹介予定。


僕の時計は土曜日朝8:30を指していたが、New York と Chicago では1時間の時差がある。この時間に空港まで車を運転して迎えに来てくれる友達には悪いなぁと思いつつ、現地時間の7:30AMに合わせた。


ATA 航空の 公式サイト
http://www.ata.com

今回利用した Chicago Midway 空港の公式サイト
http://www.chicago-mdw.com/

Open Studio

| コメント(0) | トラックバック(0)

ときどき利用する電車の窓から見えるその景色。ずっと気になっていた建物があった。その後何度か近くまで行ったのだが、建物の外観がある意味すごいのでとても中に入れるとは思ってなかった・・・

写真はすべて EOS 10D。

os3.jpg
これが地下鉄7番ライン。この窓から見えるのが下のような建物。

]New York の地下鉄の地下鉄といえば、かつては車両の外も中もイタズラ描きだらけだった。僕が学生時代に旅行で New York に遊びに来たときは、夜の地下鉄乗車は控えた方が良い、と人々が話すほど安全ではなかったのだが軽犯罪こそいまでもあれ、凶悪犯罪は劇的に減り、夜はもちろん深夜早朝でも安心して利用できるようになった。

一昔前の New York の地下鉄のイメージと言えば内外に描かれたいたずら描き ( グラフィティ ) だが、これも新しい車両の導入とともになりを潜め、これまたイメージ向上に一役買った。これは従来の車両に変えて、ステンレスで出来た新しいタイプに入れ替えたことからペイントしてもすぐに洗い落とせるようになったため、描く方も気勢をそがれたのだろう。
おもしろいのはこのステンレス車両、New York を走るすべての路線に入ったわけでなく、The Bronx と Brooklyn を結ぶいくつかの路線と Times Square から Queens の Flushing を結ぶ路線には従来の車両がつい最近まで使われていた。後者の路線では今ちょうどステンレス車両と入れ替えている最中で、まだ旧来型の車両を時々見ることが出来る。これら従来型の車両がまだ走っているにもかかわらず、今では地下鉄にグラフィティを見ることが無くなったのは、描く人が減ったのか、「きっと流行ってないからなんだ」などと考えていた。

ところが奇しくも「旧来の地下鉄」と上で紹介した地下鉄 - これは実際には7番線だが - に載ると Queens から Manhattan に入る直前にビル全体がグラフィティで覆われた、といっても良いような建物が右側に見えるのだ。 いつも「何だろうこのビルは?」と思ってみているとそのまま地下鉄は地上から徐々に地下に潜り、East River の下を走って Manhattan に入っていく。Grand Central 駅 や Times Square 駅に着くとあたふたと電車から飛び降り、すっかりこのビルのことを忘れている。
その謎がやっとこの間解けた。

os4.jpg
縦と横の構図、新と旧、スーツとラクガキ・・となんかアンバランスなところがNew Yorkらしくもある。後ろの高層ビルはCITIBANKのもの。

週末 Manhattan で用事があり地下鉄に載ると、Manhattan と Queens の間はメンテナンス工事のためサービス停止となっていた ( 最近週末はいつもこうだ )。で、代替路線として地下鉄7番ラインに乗り換えて Manhattan に向かったのだが、そのとき近所に住む友人も一緒だったのでこのビルが視界に入ってきたときに、このビルのことを尋ねてみた。すると「ああ、知っているよ、中はギャラリーか何かになっていて誰でも入れるんじゃなかったかな?」という答えが返ってきた。

たまたま翌日は日曜日で夕方から時間がぽっかり空いたので、新しく買ったデジタルカメラとレンズを持って行ってみることにした。目的の場所はうちからは車で5分たらずのところにある。実を言うと、New York Watch で何度か紹介している PS1 のすぐそばなのだ。近くに車を停め、カメラを持って降りる。
PS1 をのぞくと周りは倉庫か駐車場、それに工場といった建物が並び、しかも日曜日と言うことでほとんどひとけが無い。細い路地を歩くと黒塗りの鉄の扉が開いていて、まるで「おいでおいで」をしているようにも見える。夕方ということもあり、暗くなると建物の写真も撮りにくくなる、ということでまずはあたりをちょっとまわって写真を撮ったのが上の写真だ。

何枚か写真を撮った後で早速先ほどの扉に戻り、中に入る。中は階段の踊り場で、どうやら2階に登らないと行けないようだ。階段の壁も扉と同じく真っ黒に塗られ、あちこちにパーティやクラブなんかのチラシが張ってある。
2階にあがる、中は一変して白い壁になっている。天井が高く、かつては倉庫か工場だったと想像に難くない。中は壁で仕切られ、個室が出来ている。通路の両脇にアパートなんかによくあるような鉄の扉が、各フロアおよそ10くらいは見えた。
その扉の大半は開け放たれていて、覗き込まなくとも中の様子を見ることが出来る。どうやらそれぞれの部屋はアトリエというか Studio になっていて、アーチスト達がここで作業をしたり、制作したものを展示、販売しているようだ。

os2.jpg
ビルの裏側から見た風景。この中がアートスタジオ兼ギャラリーになっている。


os5.jpg
これもビルの裏側から見た風景。夕日を浴びて退廃的!?

僕が行ったのが日曜日の夕方ということもあって半分くらいの扉は閉まっていたが、それでも開いている部屋には部屋の主 ( アーチスト ) やその作品を見に来た人たちがいて、思った以上に人が訪れていた。中には講習のようなものを開いている部屋もあり、そこでは10人くらいの人たちが座ってレクチャーを受けているシーンも見かけた。
この建物に入る前は外壁からアーチスト全員がこういうグラフィティを描いているのかと思ったが、そんなことはなくアートの種類もペイント、彫刻、家具風のオブジェなど様々で外部からはちょっと想像できない。おそらく市や区がこの倉庫跡のような古ぼけたビルを借り上げ、Open Studio としてアーチスト達に提供しているのだろう。こうやって廃墟の様な建物でも再利用することで、アーチストにチャンスを与え、またその Studio を公開することで興味のある人も実際に制作現場を見に行くことができたりと面白い「場」を提供してくれている。
近所の見所はもうだいぶ行った、と思っていたのだが、こうやってみると生活を豊かにするものはどこにでもあって、自分が探さないだけなんだぁと思った次第。

この Open Studio に行ってみたいと言う人はメールででも連絡ください。住所や名称などははっきりとわからないけれど、だいたいの場所なら教えられます。
地下鉄7番ライン Manhattan 方面行きに乗り、右側を見ていると簡単に見つけることが出来るので、建物がどれかわかったら地下鉄を折り返しで乗ってもどって来てたどり着くことは出来るはず。住所など知らなくても見た目の印象がすごいので見逃すことはまずあり得ない。

os1.jpg

カレンダー

<  2003年6月  >
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

このアーカイブについて

このページには、2003年6月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2003年5月です。

次のアーカイブは2003年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ

OpenID対応しています OpenIDについて
Powered by Movable Type 4.21-ja