参加者はびしょ濡れでもいいのかもしれないけれど、今回は見に行った僕らまでびしょ濡れに。
New York Watch 初の Coney Island。
写真はすべて Canon EOS 10D。

人魚だけかと思ったら地元高校生のマーチバンドも参加。雨なのに楽器の演奏は大変そうだ。一番右端の少年は、バスケットボール選手が女装する映画、Juwanna にそっくり。
6月のとある週末に Coney Island に行って来た。Coney Island とは日本のガイドブックにも載るほど有名なところなのだが、実は今回が初めてだ。「なんだいまさらかよ」と言われそうだが、New York Watch で取り上げるのももちろん行ったことが無かった。
Coney Island は Brooklyn の南端にあり、Manhattan から地下鉄で揺られること1時間ほどで着く。かつては栄華を誇ったであろう大きな遊園地がここにあることで有名だ。他の遊園地が次々と新しい乗り物を導入して集客に向けて努力している一方で、ここは当時の乗り物のままどちらかというと時代に取り残されてしまったらしい。ところがその古くささが却ってノスタルジーを呼ぶのか、また人が集まりだしているようだ。
とこれはガイドブックの受け売りだが、実際に行ったことがなかったので、どんな風にいい感じで寂れているのか、この目で見たいと思っていた。うちから最寄りの地下鉄ラインの反対側がこの Coney Island なので行くのは簡単なのだが、なかなかここを訪れる機会が無かった。やはり New York エリアで遊園地、というと多くの人が New Jersey 州にある Six Flags に行くようで、僕も毎年このジェットコースターだらけの遊園地を訪れている。

日本の竜宮城には亀が搭乗するが、マーメイドストーリーには象??? 載っているのはかつらをかぶったおっちゃんです。
今回特別に Coney Island に行くことになったのは、年に一度のマーメイドパレードがあったからだ。
パレードの前日、Brooklyn に住む友人から電話があった。「明日マーメイドパレードが Coney Island であるけど行かない? あれ?もしかしてホットドッグの早食いもやるんだっけ?」
いやぁあれは確か独立記念日の日だよ、などと答えながらもマーメイドと聞いて是非行ってみようという気になっていた。現在は San Francisco に住んでいる Yamajunさん、彼女が New York に滞在していたときに行ったマーメイドパレードの様子を紹介していて、一度は New York Watch で取り上げねばと常々考えていたネタの一つだった。
とは言うものの年に一度のイベント、一度逃すと次は来年・・・とのばしのばしになっていた。前日の予報では曇りまたは雨。あまり良い予感はしないが、曇りならまだ写真は撮れる。ということで「じぁ朝起きたら電話して待ち合わせの場所を決めよう」と言うことになり、この友達からの電話を切った。
そして当日。約束通り朝電話してみると「一緒に行きたいって友人がいるんだけど、しばらく Central Park にいるって言うんだよね。3時に Manhattan のどこかで待ち合わせじゃ遅いかなぁ?」と聞いてくる。「パレードは何時から?」「2時って聞いたけど」「それなら3時過ぎには終わると思うけど」
この友人もパレードは見逃したくないらしく、「じゃあ一足先に二人で見に行こう」ということになった。Central Park にいる友人も携帯電話で連絡を取りながら現地で集合することになった。
一瞬車で行こうかなとも思ったが、こういう小さな旅は電車でもそれなりに楽しい。そこでこの友人と Union Sq.駅で待ち合わせて一路 Brooklyn へ。Brooklyn に入ると地下鉄も地上を顔を出し、郊外の家々の様子を見せはじめる。このあたりまでやっくると乗ってくる人の人種もだいぶ変わる。やはり African American や Hispanic が多い。およそ Union Sq. 駅から電車に揺られること1時間、やっと終点 Coney Island 駅に到着。

この人達あたりから海っぽいコスチュームも増えてきた。彼女たちはたぶん Jelly Fish Girls ( クラゲガール ) と呼ばれることだろう。
地下鉄から降りる寸前まで気が付かなかったが、いつの間にか車両の中にはパレード参加者とおぼしき人たちの姿もちらほら。マーメイドパレードの参加者と聞いて人魚を想像すると思うが、周りには人魚らしい人はゼロ。なぜか男装した海賊らしい女性とか、ヘンな想像上の海中生物らしきものなど。期待より不安がふくらむ。
実は地下鉄が地上を走り始めるころから、それまで曇りがちの空だったのに土砂降りの雨が地下鉄に降り注いでいた。Coney Island 駅に着く頃には小降りになっていたものの、傘は必要な程度だった。駅を出て「さあどっちに行ったらいいんだ」と右左きょろきょろすると大多数の人がそのまままっすぐ歩いていくので僕らも長い物に巻かれろと後を着いていく。すぐに大きな Nathan's ( 例のホットドッグチェーン ) の大きな店舗が見えてきて、その前の通りをパレードしている様子が見えてきた。

やっとマーメイドに出会えた。・・・と思っていると、周りはがらがらだったのにいつの間にかカメラ小僧がわらわらと移動してきて僕なんかは押しやられてしまった。
事前の雨の予報のせいか、見物客は少ないようだ。それとも雨が降る前は人がいたのだが、雨のせいで避難したか帰った人が多いのか。いずれにせよ思ったほど大きなパレードではなく、また見物客は少なかった。
警察が張ったバリケードに沿って見物客が1人ずつ立って見ている感じなので後ろに立てば人と人の間からパレードが見えるはず、なのだがそうは問屋が卸さない、みんなが差している傘の製ですっかり視界を失われている。しかも傘からの水が滴ってくるのであまり近くにも寄れなかった。持っていったのが防滴のレンズではあったものの、やはり高価なデジタル一眼。できるだけ塗れないようにして、惜しいシーンだけを写真に納めることにした。
最初はマーメイドだけのパレードかと思いきや、実はそんなことなく高校生のマーチバンド ( 雨なのに演奏している! )やハロウィンの仮装パレードと行ってもいいような奇怪系のコスチュームと化粧を施した一団が続き、「本当にマーメイドは現れるのか?」と思ってしまう。
雨は次第に強くなり周りで傘を差さない人はいないほどで、ジャケットを着ていないと肌寒いほどだが、パレードに参加している人たちは全身ずぶぬれの上、ほとんど裸同然の人も多い。これはかなり気合いを入れないと参加できない。
雨が次第に本降りになり、だんだん周りには人が少なくなってきた。近くのレストランの軒下で雨をよけている人が多くなり、周りには同じく気合いで写真やビデオを撮ろうとしている人ぐらいになってしまった。それでも僕がいた場所はほとんどパレードの最後に当たる場所だったのでそう言う人すらあまりいなくなって、自由に写真を撮っていたのだ。が気がつくと人の見ている目の前に割り込んでくる人が増え、なんだなんだと見てみるとどうやらみんなカメラ小僧。ほとんど裸体に近いマーメイドが移動しているのでそれに併せてわらわらと動いている人たちだった。しかも人の目の前に割り込んでも何とも思わないようだ。僕も写真を撮るけどあそこまで他人に迷惑はかけないな。
で左のマーメイドがトラブルの大元だったのだ。でもよく考えてみるとこの日一番のマーメイドかも。カメラ小僧が割り込んでくるのもわからないでもないか ( 笑 )。

ビーチでよく見られるボードウォーク。ここでは後ろに遊園地が広がる。なぜか浴衣にスニーカーの白人男性が見える。

ひとけのない射的とコーンドッグ・ホットドッグ売り場。
そのうち傘を差していても何の意味をなさないくらい強くなってきたので僕と同行の友達も雨宿りをしようと先ほど見た Nathan's のホットドッグ店まで戻る。ここ New York ではおなじみの Nathan's ホットドッグチェーンはここ Coney Island が第一号店。最近は日本人が優勝するので有名になったホットドッグ早食い競争の主催はこの店によるものでここ Coney Island で行われる。友達と「くだらないけれど、・・・やはりここに来たら本店のホットドッグを食べていこう」と意見が一致して立ち寄ることにした。
ホットドッグ一つが$3と意外と高い。店のおばさんに載せる具を聞かれ、何があるかわからないけれど「Everything」と頼む。出てきたホットドッグは当然のことながら他の Nathan's で食べられるのと同じアメリカの味だった。
ここで土砂降りの雨がやむのを待ち、そのあとで少しボードウォークを散歩。New York や New Jersey の海沿いではよく見かける木でできた歩道だ。表面が雨で濡れてなかなか良い雰囲気だったが、この日はマーメイドパレードということもありたくさんの人でにぎわっている。もっとひとけの少ない平日の夕方などはなかなか絵になりそうな雰囲気だった。
もしかして今日のパレードに参加したのかもしれないが、なぜか浴衣にスニーカーという出で立ちの白人男性を発見。
しばらくボードウォークでがらんとした海を見た後、今度は遊園地の中を通って駅に向かう。途中見かける風景は不思議と懐かしい。店の照明やその店で売っているものなんかが日本の夏の夜祭りとどこか似通っているからかもしれない。一番最後に紹介した写真などはまるで「千と千尋の神隠し」に出てきそうな雰囲気だ。日本人にしかわかりにくいかなと思ったあのシーンだが、もしかしたら昔の Coney Island を知っている New Yorker には理解できる懐古かもしれないな、とふと思った。
地下鉄$2で目の保養をしたという人は多いはずだが、それだけはでなくタイムトラベルでもしたような不思議な一日旅となった。
Nathan's のホットドッグ
http://www.nathansfamous.com/nathans/index.html

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