
Union Square には毎週土曜日と水曜日に市が立つ。
小学生の頃だから僕にとっての大昔、欧州を舞台にした物語を読んでいた時分、よく町の中心 - それはたいてい教会の前の広場だったりするのだが - で 「 市が立つ 」 という表現があった。
僕が住んでいた東京の下町ではすでにスーパーマーケットが出現していた時代だったので、この 「 市が立つ 」 という風景を想像するのが難しかった。物語に書かれた前後の描写から頭の中でイメージを描こうとするのだが、どうしても喧噪とか規模とか、にぎわいといったリアル感は浅薄で、当時の僕にとって 「 市 」 という言葉が持つ響きにはあこがれていたのを覚えている。
何も東京で市がないかというはそうではなくて、なかには朝顔市やほおずき市など季節に即した植物の展示市が開かれている。が僕が物語で読む市とはそんなものではなくて、卵やチーズ、新鮮な野菜にが売られ、鶏が駆け回るような・・・そんな daily product が売られるような市なのだ。
現代の様に物流がコンピュータで管理されるような時代になると、どこもかしも Wal-Mart のようなスーパーばかりになって見ることは出来ないのかと思いきや、実は世界で一番忙しい New York で今でも見ることが出来るのだ。
僕が初めて Union Square で市に出会ったのは今から18年程前、初めて1人で New York を訪れたときのことだった。当時学生の身分ながらゲームソフト開発などで見分不相応なお金を貰った僕はアパートメントホテルを借りて New York に長期滞在していた。
いつものように Union Square を通り抜けようとするといつもはただの広場であるその場所に、たくさんのテントが立ち並び、たくさんの人でにぎわっているのが目に入った。たぶんその時は英語学校か何かに通おうとしていたところだったと思うのだが、初めて見る市に心を奪われてしまい、端から端まで一軒ずつ丁寧に見て回ったのを覚えている。授業の方は休んだか遅刻したんだろう。
Manhattan の外に出た事がなかったから、そこで売られている 「 Upstate NY 産地直送のリンゴ 」 とか 「 Connecticut にある農園手作りブルーベリージャム 」 とか 「 ペンシルバニアから手作りクッキー 」 などといった文字を見ると見たことのない郊外の農園風景に思いを簡単に寄せることが出来た。
驚くことにこの市は、僕が初めて New York を訪れたその20年近く前から一度も休むことなく今日まで続いている。そしてさらに驚くべき事には、僕が最初に見かけたその風景からほとんど何も変わっていないのだ。
近くには Whole Foods ストアがオープンし、高品質な食料品も気軽に手にはいるようになった。けれどもこの市に来ると、Manhattan のような都会が飢えている土の香りと言ったものが農産物ともに運ばれてくるのだ。
週に二度、大都市と郊外を結んで運ばれてくるのはそんな土とか空気だけでなく、季節も運んでくる。春には春野菜、夏には夏の果物、そして秋には秋の色。
今日も日本から New York を訪れた友達と一緒に Union Square を散策しながら、秋の景色を捉えた。
都会にいながらちょっと贅沢に郊外にトリップした気分。


Usqマーケット、家から近いのでよく行きますよー。でもWhose foodsで新鮮な有機物が買えてしまうので、イベントの乗りでのお買い物になってしまいます。。
Wallstさん、
Manhattanに何軒かオープンしたWF、Union Sqが便利なのでここを利用することが一番多いかな。