C さん夫妻が空港から日本へ帰国の途に着いたその翌日、入れ違いにしてもう一人の写真仲間が New York の空港に降り立った。
写真を通じてインターネットで知り合ってかれこれ数年に経つ、K さんである。
実際にお会いしたのは昨年の New York が初めてで、今回が2度目となる。
ほとんどアメリカから出たことがない僕なんかと違って、仕事で世界中を旅している K さんはいつものように危なげなく JFK 空港からホテルにチェックイン、そして待ち合わせの場所に時差ぼけなんてそっちのけでやってきた。
先にも書いたが前回からそれほど時間をおいておらず、5番街の反対側で信号がかわるのを待っていた K さんの表情を見て 「 あ、前と全然変わらないな 」 と見つめていた。ただ違うのは季節なのだが、そのせいでアウトフィットがすっかり変わっている。
先の C さんが来 NY したのにあわせるかのようにしてやってきた冬将軍は、本人達が日本に帰った後もここに居座り続け、K さんと街を散策したこの日も一日中冷え冷えとしていた。
とはいえ日中の気温はプラスに転じ、それまでの体感温度マイナス15℃・・のような気温に慣れきっていた僕にとっては 「 今日は割と暖かいですね 」 となるのだが、温暖な静岡から来ている K さんに取ってはこの気候も身にしみたようだ。
この日の K さんの出で立ちもそれを反映してか、上は Patagonia のジャケットを羽織るなど防寒装備ばっちりだった。
前回 New York を訪れたときは街中を散策したので、今回は寒いとはいえ天気がよいので Central Park が良いだろうと普段歩かない公園北部までバスで移動し、そこから東西横断することとした。
普段なら地下鉄で移動するところ、この日バスを選んだのは、外気温が低いのであまり歩かずに利用できることと写真を撮るので車窓を見ながらいつでも飛び降りることができるバスのほうが機動性が高いからである。地下鉄一日乗り放題のメトロカードは、もちろんバスでも利用できる。時にはこんな風にバスを乗り継いで見知らぬ街を散策するのも一興ではないか。
Central Park では僕が下ばかり見ているのに対し、K さんはなぜか上空を見つめている。
そうか・・・冬だから野鳥撮影が狙いやすいのだな、と気がついたときにはすでに息を潜めながら、獲物にじりじりとよっていく K さんの後ろ姿が見えた。
ただでさえだだっ広い公園で、来る度にいつも何か新しい発見をする Central Park だが、こんな風にしてちょっと自分と違う写真を撮る人とくるだけでさらにこの公園が広く感じられる。
その日は野鳥を撮るにはちょっと厳しい装備だったが、それでも K さんの話に耳を傾けながらふむふむと頷くのだった。
その後トルコ料理レストランで遅い昼食を取りながら、カメラや写真の話、それに日本にいる他の仲間の近況などを話などですっかり時間が過ぎてしまい、あわてて B&H カメラストアに行かなくてはならない時間になってしまった。
ここはほんの数日前に C さんとも来たばかりだが、K さんも一度行ってみてみたいという。実は僕自身 C さんと来たときに 「 買いたいな 」 というものがあったのでこれ幸いとほいほいくっついていった。
K さんはちょうど日本を発つ前にコンパクトフラッシュメモリーもカメラバッグも買ったばかりということで、B&H では何も買わなかったのだけれど、僕の方は結局いくつか小さなアクセサリなどを買い込んでしまった。ガイドのはずが、僕の買い物につきあわせてしまったことになる(笑)。
そのあといくつかの場所を歩き回っているうちにそれが良い運動になったのか、それともランチが物足りなかったのか小腹がすく時間になった。K さんの New York 滞在の目的はビジネスなので残念ながら自由な時間が取れるのは今夜だけということで、一杯飲みながら食事をすることに。
もちろん会話は写真談義が中心で、アルコールが入って眠くなってこなければきっと止まることなく写真の話題がつきることなく続いた夜になったことだろう。
たった一日ではあるけれど、今回も一日が凝縮されていた。K さんとはすぐにまた会えそうな予感がする。いやそれはきっと期待なのかもしれない。
家に戻ってこの日撮った写真を整理したのだが、ほとんど写真を撮っていなかったことにそのときになって初めて気がついた。
時間が経つのは妙に早いと思ったら、ずっと写真の話ばかりしていたんだなぁと一人で思わず笑ってしまった。
今回はそんな数少ないショットの中から、前回に続いて夜景を紹介することにしよう。

▲ 暖かいホテルの室内から見るクライスラービル

▲ 氷点下の摩天楼
こんな風に寒暖の差を表現してみるのも結構おもしろい。普通はガラスへの写り込みは散漫な絵になるのだが、逆に利用して室内のぬくもりを感じる写真というのもいいかな、と思う(写真上)。
さて次々とやってきた友達が去った後は、まるで客人が帰ってがらんとした宴の後のようである。
それまでのにぎやかな雰囲気と盛り上がった会話がまだ耳に残っているようなそんな錯覚が、しーんとした日常にこだまする。それがなおさらわびしさを増すのである。
そんなことをつらつらと考えながら、「 早く春が来ないかなぁ 」 などときたるべき季節に思いを寄せるのだ。明日はいよいよ3月である。




















