冬は早朝が一番、と清少納言も行っているように僕も朝からカメラを持ってでかけたかったのだが・・・
大雪の降った翌日 - これは月曜日だったが - 家から上司にメールを書いて一日休むことを伝えた。
なんといっても通勤用のクルマが雪に埋もれてしまい、抜け出せないので仕方があるまい。
雪が止んだ直後の日曜日の夕方、ショベルで雪を取り除こうとするも、すぐに除雪車がやってきて道路に積もった雪を両脇におしやろうとする。
折角軽くて払いやすい雪なのに重くて固い雪となって、さらにクルマを押しつぶそうとするのだった。雪は降った直後に片づけるのが一番だが、New York ではそれもかなわない。
当初の天気予報では月曜日の気温は上昇すると伝えていたのだが、残念ながらそれは一日遅れるとのことで最高気温は華氏35度、すなわち1℃である。だからして気温による雪解けは期待することができない。
雪の降った翌日ともなるとさすがに除雪車による雪かきは無くなり、道には薄いシャーベット状の雪 ( slash ) が残るばかりである。かわりに大きなトラックが塩化ナトリウム剤をまき散らしながらこのシャーベットを溶かそうとやってくる。
この時期、New York 中のクルマが真っ白なのはこの塩のせいなのである。雪がなくなるころ街の洗車屋はきっと大繁盛することだろう。
朝からせっせと雪かきをした甲斐もあって昼頃にやっとクルマが抜け出せるだけの隙間を作ることが出来た。寒いとはいえ重い雪をどかす作業は想像以上の力仕事ですっかり汗をかいてしまった。すでに昨日の雪かきから来る鈍い腰の痛みも気になったが、このあと出かけるために部屋に戻ってさっとシャワーを浴びる。
正直にいえば、翌日のことなんか忘れてカメラだけもって飛んでいきたかったが、さすがに二日続けて休むワケには行かず渋々午前中はやるべきことをしたのだった。
それが終わればあとはこっちのもの、カメラバッグに最小限のレンズだけ詰めて地下鉄に飛び乗った。
レンズを最小限にしたのはただでさえ重いレンズを持つと体の重心が崩れて歩きにくいのに、凍った道では簡単に転んでしまうからである。しかも凍り付いたアスファルトは転ぶと痛い。
向かったのは地下鉄に乗って4駅向こうにある、Central Park である。すでに Manhattan 市街エリアは除雪車がやってきて雪景色どころではないだろう。その点、Central Park では道以外の場所は除雪されることもないので雪景色が残ってそうだ。たくさんの人出があってもそれはそれで絵になるものだ。
着いてみると月曜日の昼過ぎだというのにたくさんの人出でにぎわっている。カメラを持っている人が多いので観光で訪れている人たちだろうか。その一方で、この日は学校が臨時休校になったこともあり、子供連れで遊びに来ている New Yorker の姿もたくさん目に付いた。自分が写真を撮るせいだろうか、プロとおぼしきフォトグラファーの人たちの存在もすぐに気が付いた。
またこの記録的な大雪 ( 余談だが前回のブログで 『 史上二番目 』 と伝えたが、後になって一番と訂正された。アサヒコムはこれまでの記録は67センチで、今年は68センチを記録したと伝えていたので、その差は1センチであるが、アメリカはセンチメートルで報道しないので、その差は0.5インチだったと思われる。この0.5インチの差なんてちょっと風が吹いたら雪が移動して高さが変わりそうな違いである。) とあってメディアの人たちも取材に来ており、僕が行ったときはこの雪の景色を使ってハリウッドのエンターテイメント情報を伝えるシーンを撮影するテレビクルーに遭遇した。

撮ったものは雑多なものだが、これも人種のるつぼ、New York らしい冬の景色ということでまとめていくつか紹介することしよう。



さて、
『 冬はつとめて。
雪の降りたるはいふべきにもあらず・・・ 』
とはかの清少納言による枕草子の一節である。枕草子はその形式が随筆と呼ばれるが、時代が変わって呼び方が違っても本質的なスタイルは 何も変わっていないことに驚かされる。彼女が現代に生きていればきっとブログを書いていたのでないだろうか。
日本の季節感に見る風情を謳ったこの冬の一節は今もなお共感できるものだが、僕も残りの節を現在の New York 風に仕上げてみるとしよう。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、道かたの雪も黒き排ガスにまみれてわろし。
路肩に寄せられた雪はすでに車の排気ガスで黒ずんでいる。
わろし、と書いたが、雪だるまにもなることも許されず、行き交う人たちも迷惑そうによけて通る都会の雪山というのも、僕にとってはこの街の雪景色なのである。
お粗末様でした。

わたしも新聞で読みました。突然のドカ雪、大変でしたね。お疲れ様でした。
わたしはドイツに来てから、「冬こそせっせと洗車をするものだ」と教わりました。以前、「どうせすぐに汚れるから」と放っておいたら、道路に巻かれた塩にやられて、マフラーを落としてしまいました(笑)
BUBUさん、
雪はおとといまでにほとんど無くなりました。多少日陰に残っていますが、もう普段とかわらない姿です。
でもおとといはものすごく暖かくなったのに、一転して昨日は氷点下9℃の気温になったりと体の調子がおかしくなりそうです。
あ、僕も洗車にいかねば。すっかり白くなってしまいました。