Top of The Rock
さて途中オリンピックの話題なんかがあって間が空いてしまったが、話を元に戻して日本から NY に遊びに来ていた友人の話に戻ることにしよう。
A さん一家と C さん夫妻と一緒にブランチを取ったあと、A さんは Philadelphia へ戻る前に友人に会いに行くと言うことで NJ へ。
ここで僕と A さんご一家とはしばしのお別れである。とはいえ同じ東海岸、何かのおりにまた会おうと約束をして見送りとなった。
残った C さん夫妻とは滞在最後の一日を一緒に過ごすこととした。帰国は翌日ということで、僕もその日は休みだったが朝のフライトなので一緒に過ごす時間も今日が最後となる。
そこでこの日はできるだけたくさんのところを効率よく見て回ろうと、なかなかの強行軍である。立ち寄った先々での話をすべて書こうかとも思ったが、羅列してみて改めてたくさんの場所に立ち寄ったことがわかり、早々とあきらめた。
この日、夜にかけて歩き回ったのは以下の場所である。
Queens
↓ 地下鉄
Bloomingdale's デパート → 57th Street 沿いと5番街沿いの各ストアへ
↓ 徒歩
そのまま歩いて Rockefeller Center へ。
↓ タクシー
34th Street / 9番街の B&H カメラストアへ。
↓ タクシー
Rockefeller Center へ戻る。
↓ 徒歩
5th Avenue/Bryant Park駅
↓ 地下鉄
Queens、Woodside にある僕のお勧めタイ料理店で最後の夕食。
↓ 地下鉄
うちに立ち寄る
↓ 車
Long Island City の夜景スポット → Manhattan に戻る
この日、Rockefeller Center に二度も訪れたのには訳がある。
もともとの予定では、K さん ( C さん夫人 ) は皆と一緒に5番街の買い物を終えた後、1人でひとまずホテルに戻り、部屋に荷物を置いてくる、ということになっていた。K さんがホテルに戻っている間 C さんと僕はホテルにほど近い B&H に立ち寄り、Photographer 組はこちらでショッピング、という算段だったのである。
ところが C さんたってのリクエストで 「 昼間の摩天楼のイメージで写真を撮りたい 」 ということで、予定を変更して Rockefeller Center に短時間だけ寄ることになったのだ。
もともとは 「 エンパイアステートビルがいいかな? 」 というリクエストだったのだが、Manhattan の全景を見るなら僕が今一番勧めているのは Rockefeller である。写真を撮るならなおさらこっちが絶対いい、という強い主張に折れて、昼間の Rockefeller Center に登ることになったのだ。
とはいえ入場料は$15ほどする。数時間の間に二度登るのはちょっと不経済である。そこで昼間の写真を撮りたいという C さんだけが先に登り、僕と K さんは近くのカフェで暖を取りながら待つことにした。日中とはいえ気温が氷点下なので外で待つのはかなりしんどいのだ。実際、歩いているだけで冷気にエネルギーを吸い取られるような、そんな感覚すら感じる。
小一時間ほど経った頃だろうか、カフェで飲んでいたカフェラテのカップの底が見えそうな頃合いに、C さんは戻ってきた。どうやらうれしそうなをしているので良い写真が撮れたようだ。感想を尋ねるまもなく今度はタクシーで B&H へ移動。
ここは行くとつい何か買ってしまうのだが、閉店まで時間が限られていたので C さんの買い物に相伴することで、自分の物欲にうち勝つ ( 笑 )。B&H の感想と C さんが買ったものなどについてはもしかしたら本人のブログで紹介されるかもしれない。
その後でまた大忙しでタクシーを拾って戻ったのが、Rockefeller Center である。
このとき時刻は、夕方の5時半ごろ。夕方から夜にかけての刻々と空の色が変化する一番ドラマティックな瞬間だ。
今回は写真を撮らない K さんも、そして僕もカメラを持って三人で登ることにした。
僕がここに来たのはこれで2度目。以前来たのは12月の終わりのものすごく寒い夜で、土曜日のだというのにガラガラだったのを覚えている。今回も同じくチケットを購入し、エレベータに載って数階分あがり、そこでセキュリティチェックを通る。三脚を手にしていたので 「 持ち込めるけれど、上でたてて使うのは駄目だよ 」 と告げられる。夕方なので使えないと厳しいのだが、ルールなのでこれは仕方ない。
そのあとエレベータに乗って一気に最上階まで登りあがる。
展望台フロア行きのエレベータでよくあるのは壁がガラス張りのものだが、ここのはちょっと違って天井がガラスでできている。なのでどんどん上に上がっていくのを乗っている全員が口を開けながら顔を上げて見つめているのはどことなく滑稽な風景である。
70Fほどのフロアをあがると扉は左右に開き、一気に展望フロアに出てくる。ここの良いところはスペースがたっぷり取ってあり、また室内はソファがあるのでゆったりした気分でとガラスごしに夜景を見ることができる。
そして圧巻なのは、屋外部分である。
ここには金網もフェンスもなく、目の前にはまさに360度の Manhattan の街が眼下に広がっているのである。どういうことかというと何センチもある特別強化ガラスが人間の身長をはるかに超える高さで設置されており、視界を遮るものが何もない作りになっているのだ。
またそのガラス一枚一枚は人間が両腕を広げてもまだ足りないくらいワイドなものだが、その間はちょうどレンズ一本分がせり出せるだけのスペースがある。まさに写真を撮る人のことを考慮してデザインされたような幅なのである。
三脚が使えないのでなかなか安定して撮れないのだが、ここに一枚だけ僕らがその日見たイメージに近いものを置いておこう。
実際に見たものは、はっと息を飲むほど圧倒した美しさが地平線まで続いており、それは言葉でも写真ですら表すのが難しい。きっとその日、その場にいた人だけが感じるものだろう。
自然の風景と違って街の造形はいつでも見られるものではあるが、その日の天候そしてまるで聞こえてきそうな眼下の街のざわめきは、その瞬間にしか感じられないものである。
写真を撮るとともに、この風景をこの人たちと一緒に見に来たということを一生懸命脳裏に焼き付けようと、冷たい空気で目が痛いのも忘れてずっと見続けていた。
もっといろいろなところに連れて行ってあげたい、見せてあげたいという気持ちばかり急いて、空回り気味のガイドだったけれど横で感動している二人の顔を見てつい僕も顔がほころんだ。
二人は明日帰ってしまうけれど、また会う日まで、この夜見た風景はきっと忘れないだろう。そしてこの風景を見るとこの瞬間を思い出すに違いない。
体の芯まで冷え切った高層ビルの屋上で、不思議にも心は温かかった。
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