
今日からもう3月である。
月が変わると済ませなくてはいけないこと、やらなくてはいけないことがなんだか山積しているように感じてあわててしまうのだが、この時期の目玉の一つが所得税の申告である。
だいたい年明けくらいから金融機関より昨年度の所得証明が送られてくる。これは利子収入や株の売買による利益を申告するためのものである。そしてもちろん会社勤めをしている人ならば必ず受け取るのが W-4 というフォームで、これはいわば年末調整のためのものである。
僕の場合は New York に住んで New York で働いているからまだましなほうだが、三つの州の州境にあたるこのエリアでは Connecticut 州に住んでいて New York で働くなどという人もいる。連邦税はどこに住んでいようと払わなくてはいけないのだが、州税に関してはこういう時に面倒くさそうである。
でこの所得の申告は、自分でやる ( 市販のソフトウェアを使用して申告することもできる。ちゃんと最後はオンラインで IRS にレポートされ、指定した銀行口座に還付金を振り込ませることも可能 ) 人もいるのだが、僕はアメリカに来てからこの方ずっと同じ会計士に頼んでいる。
まあその辺のことはきっと毎年このごろの New York Watch にも書いていると思うので、詳細ははしょるがなんと言っても毎年この時期は頭が痛くなる。
このサービスのために買い物はすべてクレジットカードを使用している、といっても差し支えないのだが昨年の年次支払い証明のようなものをクレジットカード会社から取り寄せ ( AMEX は送ってきてくれる )、これらを経費として申告できるものをリストアップするのだ。
それが終わると必要な書類を持って、会計事務所を訪れる。
毎年、これも同じプロトコルを踏むのだが、まずは書類を提出し、申告に必要なフォームや領収書などを確認する作業が行われる。
それが済めば今日のところはひとまずこれまでで、すぐに出られる。
オフィスの中には2、30人もの人たちが待っていたが、来週は我が身である。
ところで申告シーズンのときには必ず訪れる Flushing だが、ここは言わずとしれた巨大な China Town である。
申告の準備と、翌週以降の会計士との長時間の打ち合わせは頭痛の種だが、それだけではここが嫌いな街になってしまう。ところがそうならないのは食の楽しみがあるからである。
この街は大小、有名無名のレストランがゴマンとひしめきあっている。しかも観光としての China Town の要素はほとんど無いから物価が安い。
たとえば、Manhattan にもある小龍包で有名な 「 Joe's Shanghai 」 は Manhattan の Chinatown と Midtown、それと Flushing に店を構えているが、その三店舗とも料理の値段が異なり、Flushing が一番低価格に設定されている。それに混み具合もこちらの方が緩やかなのでそれほど待たずに座れる。
普段は行列ができるような有名店をここで訪れるのもいいが、僕が好んでぶらつくのは路地系食堂を求めてである。星の数ほどあるレストランが生まれては消えていく Flushing は不衛生でうさんくさい店も中にはあるが、探せばうまくて安い食堂が実に多いのだ。
この日、ぶらっと入ったのは麺専門店だった。初めての店の場合、短時間でしかも外見でその善し悪しを判別するのは難しいけれど、そこは本能を信じることになる。
本能といっても実際にはコンマ何秒の間にあたりを一瞥し、頭の中でスーパーコンピュータばりにめまぐるしく演算をして答えを出すのだ。普段は頭が働かないのにそういうときだけフル回転するのだから不思議なものだ。
その店の料理が旨いかどうかを判断するのにチェックするポイントはいくつかある。まずは客の入り。古今東西、客がたくさん入っている店は失敗が少ないというものである。店内の席が埋まっているだけでなく行列ができている場合は余計に旨いに違いない、と信じてしまうのは日本で見られるあの心理と同じようなものだが、アメリカでは日本ほど行列を好まない。なので安食堂ごときでにぎわっているのにはそれだけの理由があるのだ。
次にチェックするのは食べている人の料理である。
日本ではまじまじと他人が食べている料理を見つめるのは失礼にあたるが、ここでは料理の東西を問わずたいてい隣人が食べているおいしそうな料理を見て、隣の人が聞こえようとも店員に 「 あれと同じものを 」 と頼んだり、さらに食べている人に 「 それおいしそうですね。いかがですか? 」 とか 「 何という名前のメニューですか? 」 と声をかけるのは珍しいことでないのだ。
なので外からちらっとテーブルの上に並んでいる料理を見てさっと判断することができる。
僕がこの日入った店はテーブルが手前に4つしかなく、僕が行ったときにちょうど一人の人が食べ終わって席が空いたところだった。どうやら席が少ないので相席しているところもあるようだったが、たまたま僕のは小さいテーブルだったので僕だけが案内された。
中に入ってみると奥の方にもテーブルがあるようでそちらも席が埋まっているのが見えた。
中国語で何か話しかけられるがちんぷんかんぷんなのである。それでも店員はお構いなしに中国語で書かれたメニューを手渡してくるが、そこは同じ漢字圏の同胞、たいてい訊ねなくてもおおよそ理解できる。
その日僕が頼んだのは字面から判断するに海鮮辛五目ラーメンみたいなものだった。麺はうどんを細くしたような白い麺で、予想していたラーメンのような縮れた麺とは違ったが、逆に僕にとっては新鮮でこれもなかなか乙なものである。
ただいかんせん、この麺は延びやすいようで急いで食べないと麺だらけになる。結局ボリュームが多すぎて麺は1/3ほど残したが、甘みと辛みがマッチしたあんかけソースは絶妙な味わいで、それにぷりぷりとしたエビやイカの食感が食欲をそそる。
食事を終えて氷点下のストリートを歩き出したのだが、体の芯からぽかぽかしてとても気持ちが良かった。
さて来週書類を受け取りに会計事務所に行くときは、数時間の長期戦になる予定である。その日も何かおいしいものに出会えるといいのだが。


税金は頭痛のたねですね。
実は、昨年までは、私のvisaの場合、申告する必要がなかったのですが、今年は、ついにやらなければならないのです。
頭が痛いです。
U-kun papaさん、
締め切りは確か4月15日で、この日はいつも郵便局が深夜まで受け付けをするんですよね。
4/15の消印までが有効だからです。
ソフトウェアでオンライン申告するだけでなく、今は主な会計事務所もオンラインで申告し、口座自動振り込みが出来る世の中ですが、従来通り申告書類を郵送して、小切手で還付金を貰うという人も多いようです。それがまたこのころの風物詩ではありますが。
こんばんわ。日本の確定申告も面倒な計算や入力はWEB上でできるようになったので驚きました。申告書類はPDF化されるのでプリントアウトして控除申請用書類とともに提出する必要がありますが、税金にはうとい私にも簡単に準備ができてしまうところはインターネットの素晴らしい点です。
帰国してからさらに驚いたのが住宅ローン控除の優遇制度で、これから先10年分もの所得税すべてが戻ってくる予定です。給与が上がれば税金も上がるので全額控除にはならないかもしれませんが、少なくとも今の収入では所得税ゼロです。
eddieさん、
税の優遇措置、うらやましいです。
ここNY市はまだproperty taxが低いからいいようなものの、Long Islandに行くと年に100万円近く払っている人もいるんですよ。不動産価格の上昇にあわせてなので大変そうです。
僕もアメリカじゃなくて、日本の不動産に投資しようかな(笑)