魔法空間
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こんな風景、宮沢賢治の童話の世界にだけ存在すると思ってた。
写真も絵も何も飾られていないまっさらな壁の上には、本物の星空がミューラル ( 天井画 ) のように広がる。
でもあるんだ、こんなところ。
想像もつかない建物の秘密の扉を開けると行くことができる。
まだ春になりきれない冬の空気がひんやりと降りてくる夕方。
瞑想とは目を閉じて考えることで、それは目の前にある現実の世界から乖離するためだが、ここでは目を開けたままそれができてしまう。
ぴんと張りつめた晩冬の冷気のせいだろうか、思わず姿勢を正してしまう。
気がつけば夕焼けはいつしか星空に変わっていた。
それでも動けずにじっとしている。
誰もがこっそり持っているお気に入りの場所。それはカフェだったり、図書館だったり、公園だったり。
僕はここに定期的にやってきて想いにふける、その行為が好きなのかもしれない。
この部屋に行ってみたいって?
いじわるだけど、どこにあるかは内緒。でも New York に来たら連れて行ってあげよう。
さてそろそろ現実に戻る扉を開いて帰ることにしようか。
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