
New York の人はホントにピザが好きなようで、それを証明するかのように街のあちこちにピザ屋を見つけることができる。
ピザの一切れはちょっとおなかが空いたときのスナックとしてちょうどいいサイズなのかもしれないが、そうやって一枚だけ頼んでいる人も多く見かける。今朝も信号待ちをしている隣の車を何気なく見ると、運転しながらピザを食べている人がいたが、それはさすがにマレかもしれない。
僕の住居からすぐ角を曲がったところに小さなイタリアンレストランがある。レストランというよりその規模から言えば食堂といった方がお似合いである。
この店は半地下にあって首より上の高さに窓が二つばかり着いてる。その半地下のスペースにはテーブルが十卓あるかどうかで、こぢんまりとした食堂である。
入ってすぐの3畳くらいのスペースはテイクアウトをオーダーする場所になっている。その奥にテーブル席があるのだが、あまりにも小さいのでたいてい一人のイタリア人女性がまかないをしているだけだ。
僕は一度もイタリアに行ったことがないのだが、以前このブログで紹介した、作家・エッセイスト・評論家である須賀敦子さんの著書を通じて、ガイドブックよりもずっとビジュアルなイメージが僕の頭の中にある。
行ったこともないくせに、こんなことを言うのは危険かもしれないが、僕の中ではこの食堂の雰囲気と須賀氏が言葉で描くイタリアの風景とつながっているのである。
ここが Queens にある半地下のレストランなのに、である。
それはミートボールにかけられたトマトソースに感じる甘みから、太陽を感じるのと同じ事かもしれない。
けれども今回紹介している写真はどう見てもファンシーなイタメシレストランの盛りつけにはかなわず、そうおいしそうに見えない。

料理がおいしそうに見えないのは、十分な明るさが無かったからだとか、頭上のライトのせいで自分の頭で陰ができてしまうという言い訳でごまかす僕の腕もあるのだが、理由はそれだけじゃくて料理のスタイルそのものにありそうだ。
ではこの食堂のメニューはまずいのか、というそうではない。実のところ、ここの料理はおいしい、というよりはうまいのである。
味の違いを言葉で表すのは難しいのだけれど、ここの料理は 「 まったり 」 とか 「 まろやか 」 とか 「 食材のハーモニー 」 というおいしさの代わりにに、ふとっちょのイタリア人お母さんが煮込んで作った家庭の味、のようなガンとくるうまさなのである。
洗練というよりはストレートな味、繊細というよりはおおらかな田舎風味というのがあっているかもしれない。
そんなわけで、この小さな食堂はいつ行っても客でいっぱいなのである。
本来は制服のまま食事をすることなどしない NYPD のお巡りさんも、ここではよく見かける。見かけるどころかいつも表にはパトカーが止まっていてテイクアウトのピザがオーブンから出てくるのをいまかいまかと待っている警官をいつも見かけるのだ。
取り立てて名所があるわけでもない小さな街の小さな食堂。でもこんな店一つ一つのおかげで街が、魅力的に見えるんだと思う。

いつものようにたらふく食べて、店を出ると、オーブン前のシェフが 「 チャオ 」 と挨拶してくれた。
僕も気取ってイタリア語で返したいところだが、残念ながらそれはまだかなわない。

十分美味そうに見えます!!イタリアン大好きです!!(^^)
いつかN.Yでこんな風に食べたいです(^^)
Ciao!
大きくないお店とか、ピカピカのきれいなお店ではなくても、お料理に引かれて行く場所って、ありますよね。(^^)
と言う私は、最近めっきり外食していなかったりします。(^^ゞ
気分転換に、ちょっと贅沢してみようかな!
どれもおいしそうですねー(^^)。せまそうにお皿がテーブルに載っている感じがとても気に入りました。
私も須賀さんの作品好きですよ。須賀さんのことばはとてもシンプルで、彼女が体験したこと、そのことばを通して、まるで私も同じ体験をしたかのようです。その後、須賀さんの作品の舞台となった風景の写真を見たのですが、まさにイメージどおりだったので大変驚きました(とくにミラノの須賀さんの住んでいた辺りやトリエステ)。いつかイタリアに訪れたいものです。
私はイタリアン大好きです。
実は、フィラデルフィアでもおいしいイタリアンを探しているのですが、割と評判のいいところでも、なんとなく、ピンときたことがないんですよ。
昔、ローマに一人旅をしたときに食べた味が忘れられません。
H.Oさん、
お世辞でも美味しそうに見えるといってくれて making me happy です(^.^)
田舎風というか家庭風イタリアン食堂、いつでもご案内しますよ。
i-takashiさん、
そうそう、おしゃれじゃなくてもなぜか惹かれるレストランてあります。
というか僕はその方が好きかな。おしゃれな方は緊張して、味がわからなかったりします。もちろん内装とかサービスとか一流なんですけど、味がそれで麻痺してしまうような(笑)
外食していない・・ということはいつも自分で調理しているんですか!
せっかくだからどなたか誘って、そうでなければ1人でも意外に面白いことが起きたりするものですよ。
lemonさん、早速書き込みありがとうございます。
美味しそうに見てくれたのなら嬉しいです。そうこの店は店内も狭いのでテーブルも狭いんです。
そのくせ、料理はでっかくてテーブルの上は大賑わいです。ここには写っていないけどほかにもガーリックブレッドがあったんですよ。
でも料理が出てくるのが待ちきれなくてかじっていたらどんどん無くなってしまいました(^.^)
このパンはオリーブオイルがたっぷりしみていて、これだけで食欲をそそられてしまいます。
須賀さんの作品を読まれる人がいて、これまた嬉しいなぁ。
彼女の日本語は、自分の言葉であるからこそシンプルで力強いんだろうと思います。うんトリエステには行ってみたいですね。
彼女が通ったように、そしてそれは詩人サヴァが通った道なんだけれど、そうやって自分の足で歩いてみることが夢ですね。
U-kun papaさん、
僕もイタリアン好きなんですが、アメリカに来て最初は美味しいイタリアンに巡り会うことがまれでした。
でもやっぱり口コミで教わる店は美味しいです。
ローマで食べたイタリア料理はどんな感じでした? 料理は北より南のほうが美味しいとはよく聞きますが。