飛行機と三脚

| コメント(2) | トラックバック(0)

インプレス社のデジタルカメラ情報サイト、 デジカメウォッチを見ていてこの記事が目にとまった。

http://dc.watch.impress.co.jp/cda/item/2006/07/13/4116.html

実は僕も最近、三脚用キャリーバッグを買ったのだ。
重たい三脚を持ち運ばなくてはならないときはたいてい車を利用していたのでそれまで必要性を感じなかったのだが、それが購入に至ったのには理由があり、昨年 LA に写真を撮りに行ったときにあったトラブルに端を発する。


近所にも国内 ( 一部国際線もあるが ) 空港である La Guardia があるが、こちらは使用できる機材の関係か、それともエンジンの大きさが既定されているのか、とにかくコロラドまでの距離の便しか発着しないと聞いたことがある。そこで去年 LA に行ったときは直行便だったので JFK 空港を利用した。

この旅行の目的は写真撮影だったため、三脚を持って行かなくてはならなかったのだが問題は飛行機への持ち込みだった。
国際線ならともかく国内便なので、できたら荷物を預けたくない。飛行機から降りたらそのまま迎えの車で空港から出ることができるからである。カメラ機材にノートパソコン、それに衣類を詰めたバッグは機内持ち込みが認められるサイズと重量におさまったのだが、はて三脚はどうしたものだろうと、困ってしまった。
まずは長さ。縦横幅の合計は航空会社のレギュレーション内に収まっているが、一片の長さ、つまり三脚の高さが大きすぎで機内に持ち込むには厳しいかも知れない。
次にブツとして、認められるかどうかということ。
同時多発テロ以来、持ち込めない指定品目数が格段に増えた。たとえばはさみなどは手荷物は不可だが、スーツケースに入れて預けてしまえばOK、ライターは原則不可能だが、ガスが入っていなければスーツケースに入れて持ち込める・・・といったように品目によってそれぞれ対応が異なる。

ということであらかじめ三脚を手荷物として持ち込めるかどうか、航空会社および監督局に問い合わせておいた。

このとき利用した航空会社の対応といえば 「 当方では写真器材の一部ということで、手荷物として持ち込みと考えています。当日チェックインの時に係員と相談してください 」 というものだった。
航空会社が NO と言えば機内持ち込みはそこで諦めて、預け荷物にするつもりだったが、どうやら航空会社は OK らしいぞ。
では監督機関はどうだろう?

ということで、空港の保全管理を行っている TSA ( Transportation Security Administration http://www.tsa.gov/ ) はどういう対応だろうか。
まずはインターネットで調べてみると、機内預け可、機内持ち込み可、どちらも不可、のアイテムをリストアップしている PDF ファイルを見つけることができた。早速ダウンロードしてみてみると、カメラやカメラ機材、アクセサリのたぐいは機内に持ち込むことができる、と書いてあった。けれども三脚は金属製だし、武器と見なそうと思えばそう見えなくもないかな、と念のためメールだったかフリーダイヤルで尋ねたはず。
そのときの答えは 「 基本的には OK のはずだけど、空港の TSA 係官に見せて判断を仰ぐように 」 という一抹の不安を残すようなコメントだった。
そこで念のため、例の PDF ファイルをプリントアウトして、空港に持って行くことにした。

まずは航空会社のチェックインカウンター。
チェックイン係の人は、手荷物と裸の三脚をちらっと見て 「 これなら持ち込み OK 」 と快諾。
TSA のサイトからダウンロードしてきた持ち込み許可品目リストを見せる必要も無い。ということで次はセキュリティチェック。いわゆる搭乗者自身が金属探知機を通り、手荷物は X 線検査を受けるアレである。これは TSA が担当している。
三脚と手荷物をベルトコンベヤーに載せる、が特に何も言われない。僕もそのまま金属探知機を通る。ピーッとも言わず、「 あ、やれやれ 」 と思った。

が問題はその後の係官だった。X 線探知機を通り抜けてきた三脚を僕が拾い上げると 「 これは機内に持ち込めないよ 」 と言い出す。
ここでムッとすれば、面倒なことになるので例の TSA ウェブサイトからダウンロードした書類を手渡しながら、「 ここに持ち込み可能な品目として書かれているし、事前に問い合わせもしたんだけど。念のため管理者の人に聞いてみてくれないか 」 と頼むと、その担当者もわかったといってすぐ近くにいた現場責任者の人を呼んでくれた。幸い対応はとても丁寧で、これは現場の判断によるもので持ち込みできる金属物としては大きいと説明を受けた。
しかもここまで来てダメというのは悪いと思ったのか、1人の TSA 係官を僕に付けてもう一度空港会社の搭乗手続きまで同行し、説明してくれるという。

エスコートしてくれたのは若いラテン系の女性係官で、面倒をかけて申し訳ない、というようなことを空港の中をあるながら詫びてくれたので、僕の方も気持ちよく対処することができた。
まだチェックインカウンターの前にはたくさんの人が並んでいたが、その人達を遮ってチェックインを担当してくれた窓口に案内し、事情を説明してくれた。ところが航空会社は三脚は裸のままでは機内預けにできない、という。そこで箱を用意するからそれに入れてくれないか、ということになり、空港会社の人が特別に長細い段ボール箱を用意してくれた。

こうして三脚は無事飛行機に乗ることができたのだが、次回への反省点として三脚は専用バッグにいれるべし、ということを学んだ。


前置きは長くなったが、三脚バッグを購入した理由はこういう事情からである。

そこで、前回空港で問題になった例の三脚、これを購入したカメラストア ( ここではおなじみの B&H ) に行って見てくることにした。
さすがに撮影の予定もないのに三脚を担いで 「 これが入るやつをください 」 と言うのも大げさだ。第一似たような大きさ製品は店内に展示してある。

店内では顔なじみの店員氏が対応してくれたのだが、僕が購入した三脚の型番を控えていかなかったので早速売り場においてある同じくらいの大きさの製品を示そうか、と話すと、店の方でも僕がこれまでに購入した製品をデータベース化していて、すぐにその型番がわかった。
僕が買った三脚は Gitzo の G1224 というモデルなのだが、Gitzo がこれに対応したキャリーバッグを推奨モデルとして指示している。
別に三脚にあわせて同じ会社のバッグでなくても良いのだが、メーカーがいっているのなら間違いなくぴったりフィットするはず、とこの日はこれを購入することにした。Gitzo GE12 というモデルである。


が実際に自宅に戻って自分の三脚で試してみるとジッパーを締め上げることができない。
さすがに同じメーカーの製品だけあって丈は完璧だったのが、僕は三脚ヘッドに Manfrotto の三本レバー方式のものを使っており、実はこの部分が頭でっかちとなってファスナーを閉めることができないのだ。

三脚とヘッドをバラバラにすればなんとか収まりそうだが、それでは使い勝手が悪くなる。
ということで次の週の日曜日に買ったときのレシートを持って、交換に行ってきた。こんな風に気軽に交換できるのはアメリカの商習慣のよいところである。


フォトグラファの岡島さんは海外に行くことが多いので荷物も多く、TUMI の頑丈で大きなバッグに三脚を入れて来られるようだが、TUMI のバッグは僕にはちょっと高価すぎる (笑)。そこで代わりのものもやはり専用バッグで探すことにした。

今度は事前に寸法を調べておいたので、交換を頼むときに型番を言ってその商品を見せて貰うことができた。
前回は三脚本体のメーカー、Gitzo のバッグを買ったが交換後のモデルは三脚ヘッドに使っている Manfrotto のものに決めた。
これなら間違いがないはずだ。

購入したのは Manfrotto MBAG100P というもの。こちらの方が多少高価だが、事前にウェブで見た感じは作りがなかなか良さそうだ。
ちなみにこういう商品交換や返還の際、クレジットカードで支払いをしておくと処理が楽である。
今回も一週間前に買った製品の返金手続きがクレジットカード会社になされ、今回このバッグを新規に買うという手続きをすることになるのだ。
B&H は売っているモノは全て店頭で確認ができるのがよいところで、この商品を見たいというとすぐにベルトコンベヤーに乗って売り場にやってきた。ここは店舗と倉庫がベルトコンベヤーで直結していて、店内に展示していない商品に関しては店員がコンピュータ端末を操作して、店舗に持ってくるよう指示できるのだ。そのため店内の天井はベルトコンベヤーがまるでトロッコよろしくあちこち張り巡らされている。

こうして手元にやってきた Manfrotto のバッグは Gizto のそれより明らかに大きく、また作りも頑丈で信頼感がある。これならば間違いあるまいとその場で購入を決断。
もちろん自宅で実際に三脚を入れてみたがすっぽり入って収まりがよい。パッドも適当に入っており普段の持ち運びにも便利。これならもっと前に買っておけば良かった、とは後の祭りである。


さて今週末、早速このバッグが活躍しそうだ。三脚を詰めての飛行機の旅である。
実はこのところ写真のプロジェクトで忙しい、と書いたが今回も出版社からの依頼を受けて撮影に行くことになった。近いうちにこれらのプロジェクトについて紹介していく予定。

まずは空港でトラブルを起こさないことだけを祈ろう。

Manfrotto 三脚キャリングバッグ MBAG100P

http://www.bogenimaging.us/product/templates/itemalone.php3?itemid=2553

http://www.honjo-net.co.jp/new_product/new008/mbag120series.html

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.nomeri.com/mt421/mt-tb.cgi/775

コメント(2)

ブログに登場させていただいたので、ひとことだけ。
わたしはTUMIに限らず、RIMOWAのスーツケースで旅行するときも、
Gitzoのバッグを入れています。
以前は三脚をバスタオルにくるんだりしていたのですが……。
もちろん、三脚バッグをそのまま荷物として預けることもあります。
雲台はそのときどきで異なるのですが、
三脚に装着した状態のままバッグに入れています。
でも、パン棒だけはすべて取り外しています。
パン棒が曲がって使えなくなった経験が何度もあるからです。
ちなみに、わたしの場合もパン棒を装着したままの状態だと
三脚バッグのジッパーが閉まりません。
旅行先では、三脚にショルダーストラップを取り付けているので、
それを利用しています。
以前、ニューヨークやパリで三脚バッグに入れて持ち運んでいると、
地下鉄の入口とかで警察官に中身を見せるように言われたことがあるからです。
長くなってしまいましたが、旅行ではこのような感じで三脚を運んでいます。

おかじまさん、
コメントありがとうございました。三脚バッグを買おう買おうとと思ったきっかけは、岡嶋さんがTUMIのバッグに三脚を入れていたのを見たことからだったんです。
でもパン棒だけ飛行機に預けるときに外せば良かったんですね。というか正しくは外して別々に運ばないと曲がってしまうことがあるのなら、そうすべきでした。帰りの飛行機はそうするつもりです。
僕はいつも三脚を裸で持ち歩いているんですが、気をつけて歩いているつもりでもやはり混雑した地下鉄なんかでは人にあたることもあり、またこっちが動いてなくても通り過ぎる人が気がつかずぶつかることもあるので、バッグに入れていた方がいいんじゃないかと思ってました。でも確かに警戒の厳しい大都市では、ライフルでも持ち歩いているんじゃないかと思われますね。
たぶん僕も地元のNYでは警官にとがめられることでしょう。

貴重なアドバイス、ありがとうございました。

コメントする

カレンダー

<  2006年7月  >
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

このブログ記事について

このページは、hiroが2006年7月28日 14:14に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「蛍とワインとChe Guevaraの夜」です。

次のブログ記事は「Atlanta、Hotlanta」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ

OpenID対応しています OpenIDについて
Powered by Movable Type 4.21-ja