2007年3月アーカイブ

とある春先の朝。正確には惰眠をむさぼったせいで、朝と言うにはだいぶ遅い時間だが、ベッドの中にもう少しうずくまっていたいという気持ちと、もうこれ以上眠りに戻れないというせめぎあいの末、とうとうあきらめてベッドから起き出すことにした。

真冬の New York のアパートメントはこれでもか、というくらい暖房が効きすぎているところが多く、そのおかげで寝起きもかなりスムーズになるのであるが、かえって暖房がゆるむ春先の方がベッドの中の居心地がよいもので、ついつい一日の始まりが遅くなる。

この日は前から「仕事をしないぞ」と決めていた日で、それには買い物も掃除もすべて放棄しようと決めていた。
たまった本を読んだり、映画を見たり、そうだビデオゲームで無心に遊ぶのもいいかもしれない。
さて何から取りかかろうかと考えていたところに友達から電話があった。

「 飲みに行こう 」

僕はどちらかというとあまり酒は強くないので、いつもたしなむ程度である。ビールなど飲んでいると酔うより先に腹がいっぱいになってしまうのである。
なので酒の誘いというのは、正直言って飛び上がるほどうれしいものではないが、休日に昼間から飲むというのも気持ちが良い。

ということでやってきたお気に入りのカフェ。( いったい何人の僕の友達がここに連れてこられたことか )


春の昼下がり、気の知れた友達とほろ酔い加減。ちょっと贅沢な時間の過ごし方。


といっても僕のではなく、知人の筒井海砂さんの作品展のお知らせである。

筒井さんは知人・・・と呼ばせてもらうにはおこがましくて、動きのある生き生きとしたキャラクタを描かれるアーチストとしてとても successful な方である。

僕らの世代には懐かしいビックリマンチョコというお菓子があるが、おまけに付いてくるシールが目当てでたくさんの子供たちがコレクションに励んだものである。あの変わったキャラクタを覚えている人も多いと思うが、筒井さんはあのキャラクターデザインも手がけていた方である。最近ではほかにも学研の雑誌なども手がけているから、大人より子供の方が彼女の作品をよく目にしているかもしれない。

そんな彼女が去年に続いて今 New York で作品展を開催している。会期にあわせて渡 NY している筒井さんに早速お会いした。
懇意にしてもらっているグラフィックデザイナー・イラストレータといえばもう一人、ラジカル鈴木さんもいるのだけど、驚いたことに、というかやはりというべきか共通の知人だということかわかり、本人 ( ラジさん ) のいないところで噂話に花が咲いた(笑)。日本の変な時間にきっとくしゃみをしていたに違いない。
でもこうやっていろいろなアーチストの人たちと交流が増えていくのはとても不思議である。自分などたいしたことないのに、みんなの輪の中にいるだけですっかり自分までアーチストと勘違いしてしまいそうである ( 笑 )。
僕が New York にきて写真を本格的に撮り始めて良かったと思うことに、いろいろな人たちと出会い、様々な刺激を受けることである。
僕がたとえ日本にいたとして、果たして New York で写真展なんぞ開けるだろうか。そう思うと、あの小柄な筒井さんのどこにそんなエネルギーがあるんだろうと、思ってしまう。

さてその筒井さんの作品展だが、ただいま Chelsea にある、Caelum Gallery にて開催中。会期は4/19までとまだだいぶあるが、明日、29日(木) 6:00PM よりギャラリーにてレセプションパーティがある。
微力ながら僕もお手伝いをすることになり、レセプションの間は会場でフラフラしていると思うので、この時期 NY にいる方、友人お誘い合わせの上、是非ご来場ください。

Digital Art Show

筒井海砂さんの HP
http://www.seasand.net/index.html

Caelum Gallery

508-526 W.26th St. Suite 315
New York, NY 10001
http://caelumgallery.com/


※ 5番街を埋め尽くす、緑、緑、緑


今年も5番街が緑一色に染まった。恒例の St. Patrick's Day パレードである。
ちょっと紹介するのが遅くなってしまったが、そのときの様子を載せておこう。

夏の間、 Manhattan ではまるで毎週やってんじゃないか?というほど街を歩いていると遭遇するストリートフェアかパレードだが、その幕開けとなるのがこの St. Patrick's Day である。
僕自身、たしか数回パレードを見に行き、このブログでも紹介したことがあったと思うが、ここ何年かはほとんど見に行くことがなかった。

足が遠のいた理由はいくつもあるが、なんといってもこれはアイルランド系移民のお祝い・お祭りであって、一度観たらいいかなという気持ちになるからである。
パレードの持つカラーがより民族性が強くなると、それだけ自分との関連性が薄くなり参加している意識も薄くなるのだが、それよりも自分がそこにいるのがそぐわないかも、という遠慮の気持ちも働いてしまうからである。
街道を埋める観客もほとんどが Irish 系移民であり、それだけ「ウォー」と叫ぶのもよくわかる。

まあ行かなくなってしまった一番の理由はそうでなくて、たいていこのパレードが行われているのはまだ寒い時期で、写真を撮るのも、長時間観ているのも辛いから・・・という甘えから来ているのだが・・・。

そこにきて今年の St. Patrick's Day は天候に恵まれ、快晴のうえ、暖かいという予報。これで二番目の言い訳は効かない。
加えてこのときにちょうど写真仲間のさすけさんが日本から訪れていて、パレードに行ってみたいとのこと。それならば僕も久々にのぞいてみようと、カメラを持って出かけることにした。結果としてさすけさんのおかげで重い腰をあげるよいきっかけになった。


パレードが行われる5番街にやってくると、冬とはいえ暖かい日とあって多くの人たちが出向いているようだ。昔来たときの記憶と比べると、ずっと賑わいがある。そういえば、5番街には St. Patrick Church もあるんだっけ。

地下鉄を降りて路上に出てくると、もうそこはすっかり緑色で埋め尽くされている。それは St. Patrick's Day の象徴として三つ葉のクローバーが用いられ、その緑色から由来して、体のどこかに緑色のものを身につけ人が多いのである。

ちなみに New York 近辺にはたくさんの Irish が住んでおり、St. Patrick's Day パレードといえばこの5番街のものが有名なれど、その前には NJ の Hoboken や NY の Queens でもイベントが行われており、さながらこの時期はあちこちで St. Patrick's Day という感じである。

この日、スナップした写真を何枚か紹介しておこう。


※ 後頭部の写真を撮らせてくれ、というと「みんなオレの後ろ姿ばかり撮りたがるんだよな。前からの写真も撮ってくれよ。」という。


St. Patrick's Day だから・・・というわけでもないのだろうが、先日おもしろい記事が新聞に載っていた。
ヨーロッパの人たちはアルコールをよく飲む、というイメージがあるのだが、そのヨーロッパの中でも摂取量はかなり格差があるらしい。その中で一番の酒飲みは Irish だという結果がでていた。日本人との比較は出ていなかったが、たしかドイツ人かフランス人と比べてもずっと少なかったのを覚えているから、一位となったアイルランド人との差はかなりのものだろう。
なるほど、New York で言う昔ながらの bar といえば Irish bar で、それらは簡単に区別することができる。たいてい入り口に三つ葉のクローバーのシンボルが描かれているからだ。


上に紹介した後頭部の写真の青年ではないが、この日はあちこちの bar で Irish の人たちが馬鹿騒ぎをするのも毎年恒例となっていて、この日だけは車を運転したくない日である。なんといっても夜中に酔っぱらった彼らが ( 中には服を脱いで ) 2nd Avenue や 3rd Avenue あたりの Irish bar が多く点在するエリアで信号おかまいなしにふらふら出てくるからである。

かつて NYPD の仕事はもっと危険で、なりたがる人も少なかった。この仕事に就いたのはヨーロッパからの移民の中でも、もっとも貧しく差別を受けていた Irish の人たちであった。
今でもその名残があって NYPD には Irish 系移民が多い。この日、酔っぱらうのも Irish ながら取り締まる方も Irish となるのだった。

こうして St. Patrick's Day の祝いは夜遅くまで ( 朝まで? ) 続いた。この夜、エンパイアステートビルも緑のライトアップを行い、盛大な Irish のお祭りに華を添えていた。

気がつくとあまりパレード自体の写真を撮っていなかった。こういうとき僕はつい観客の写真を撮ってしまうのだが、それじゃあいくら何でも寂しい。ということで最後の一枚は数少ないパレードの写真の中からの紹介である。
この日、気合いを入れて朝早くから参加していたさすけさんがたくさんの写真を撮っているので、彼のブログも是非訪ねてみてほしい。
僕とは違った視点で捉えた New York の街並みをみることができる。

先日夏時間が来て、「 帰宅時もまだ明るいぞ 」 と少しずつ外出が増えそうな気配を感じはじめたところであったが、案の定自然というものは人間の作ったシステムよりはるかにスケールが大きいようで・・・。

DST によって半ば強制的に日が長くなったとはいえ、日中の気温も次第に緩んで外にでるときの勇気をそれほど必要としなくなった矢先、気が緩んだのかものすごい風邪を引いてしまった。

これだけつらい風邪を以前引いたのがいつだったか思い出せないのだが、初日、不思議なことに風邪の予兆はほとんど無かった。月曜日の昼過ぎに軽い頭痛から始まり、夕方にはすっかり熱が出ていた。夜帰宅するとそのままほとんどベッドに直行するも、その夜は高熱でほとんど寝付けなかった。

その後最初の24時間は何ものどを通らなかった。高熱のせいで食べたいと言う気持ちはどこかに失せていた。
次の24時間にやっとりんごとみかんを一つずつ口にしたのだが、それだけで二日分の食欲はもう失せた。しかもこの48時間は声が全く出せず、ひねりだそうものならものすごい激痛が喉を走った。それもあって飲み込むのもつらかったのだ。

風邪を引いて二日目のりんごとみかんを食べたと言う日は、家の中に新鮮な果物が無かったため近所のスーパーにふらふらと出かけてやっと入手した貴重な果物なのだが ( スーパーの人には僕がジャンキーに見えたかもしれない )、このとき着替えた外出着は風邪で倒れ込んだままその辺にあった服を適当に重ね着したものだった。
ところが僕が床に伏せっていた間に世の中は突然春が来ていたかのようで、、外は20℃近い気温となっていた。最初、僕は自分の熱が思っていたよりさらに高熱なんではないかと不安になったものである。ところが周りを見てみると、ジャケットを着て歩いているのは僕だけという有様だった。

その後なんとか高熱は収まり、声も出るようになったのだが、不思議なことに僕が声を出せないときに限って珍しい友達までが電話をしてきて、この日は普段より沢山の人と会話したのを覚えている。近所の友達は心配してオレンジジュースなどを持ってきてくれたが、こんなに沢山の友人が偶然にも連絡を取ってくれたのは僕から SOS 信号が出ていたからなのだろうか (笑)。これも一種の虫のしらせなのだろうか。いずれにせよ、ご心配おかけしました > 友


さてそんな不安定な天候をさらに印象づけるように、今度は真冬に急転直下である。New York に Snow Storm が襲い、今年一番の雪となったのである。
治りかけの僕の喉もすっかりまたやられ、声もガラガラになってしまった。僕が風邪をこじらせていたことを知らない友人から電話を受けると、未だに 「 一体その声はどうしたんだ? 」 と聞かれる始末。いやこれでも実はこれでもまだましな方なんだけど・・・


皆さんもこの時期の天候の変化に気をつけてください。

もう夏!?

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今年に入ってすっかりブログの更新速度が遅くなってしまったが、気がつけばもう3月である。
ブログの更新が滞っているとはいうものの、3月は税金の申告でちょっとばかり忙しく、くわえてたいてい寒い日が続き、それほど出歩くこともないのでタイミング的にちょうどよかったのかもしれない。

暖冬とばかり思われた New York の冬だが、事実今年の2月まではずっと暖かかった。そのあと急激に気温は落ち込んで、ときおり寒波がやってきたのだった。
今週も何度か雪があり、日中の最高気温が零下の日が続いたが、長期予報によるとそれもそろそろ終わりを告げるようで今週末から次第に暖かくなるという。

多少暖かくなるとはいえ、そこはまだ厳寒の New York である。今週雪も降ったというのに、今夜からなんとサマータイムに切り替わる。

サマータイムについては、さすがに10年近くも同じ場所からブログを発信していると、何度もその中で登場しており、あえて紹介するのも気が引ける。
知っている人も多いと思うが、サマータイムとは通称であり、正確には Daylight Saving Time と呼ばれる。どちらかというと会話ではサマータイムの方が通りがよいようだ。

さてそのサマータイムをこうして今年も New York Watch で取り上げたのは、上にも書いたようにその時期が問題になっているからである。
アメリカの場合、例年であるばサマータイムは4月に入ってからである。それが今年は3週間近く早くはじまる。くわえてサマータイムの終わりも例年より1週間延期されている。つまり全部で一ヶ月間の延長となった。

人間がカレンダーをちょっと早くめくるだけで済むのならいいのだが、これだけコンピュータ化された社会ではシステムもカレンダを持っており、そのせいでかつて2000年問題が話題になった。実は今回も2007年問題と呼ばれ、サマータイム開始時期を修正するためのパッチが OS や PC ベンダーから発行されるという事態になった。

なんでもブッシュ大統領が何年か前に署名したエネルギーに関する法案に基づいているのだそうだが、実際にはサマータイムになると一般市民の消費が増えると呼ばれており、実際のところ経済的な理由がメインだったりするのかもしれない。


まあサマータイムになったからといって突然出歩くようになるわけではないから、施行するのはかまわないんだけど、やっぱり雪が降ったその翌週にサマータイムというのはなんだかなぁ。


Subway Stationで見かけた"deal"

ここ一週間ほどばたばたと書類を用意したりして、なにかとせわしなかったのだが、2006年度の税金申告がやっと終わった。
締め切りは4月15日とまだだいぶ先だが、締め切りぎりぎりまになって慌てるのは性分に合わないので、できるだけ早めに申告を済ませている。本来ならば2月の頭にもできるのだが、各金融機関から申告に必要な書類が届くのを待ってから行くとたいたい3月にはいってしまう。
けれども世の中にはぎりぎりまで申告をしない人も多く、未だに4/15ともなると深夜の郵便局からニュースの生中継が行われ、当日の消印を求める長蛇の列を紹介している。

税の申告は還付金が戻ってくる人もいれば、追徴金を払わなくてはならない人もいる。ぎりぎりまで手続きを済ませない人の話を聞くと、その人はそんなに多額の税金を納めなくてはならないのだろうかと思ってしまう ( つまり所得が多い? でもホントの金持ちはもちろん優秀な会計士を雇って税金対策を済ませているんだろうけど )。


さてアメリカの場合、申告に必要な手続きは会計士に頼まなくても個人でできる。指定されたフォームがあるので自分で記入してもいいのだが、楽なのは PC 用のソフトを使う方法だ。
この時期になると Staples でも Office Depot でも入り口にうずたかく積み上げられて売っている Tax Return 用のソフトを買ってインストールし、あとは質問に答えていくだけで手続きが完了する。しかもインターネットを通じてオンライン登録まで済ませてくれる優れもののようだが、僕は使ったことがない。移住してきてからこの方、いつも同じ会計士に依頼している。


なので実際に必要な手続きなどはほとんど会計士任せなのだが、それでもこの時期がくると 「 あ~あ面倒くさいな 」 と思ってしまう。なにが面倒くさいかというと、それは支出入の書類の準備なのである。

収入が会社からだけ、という場合は会社から送られてくるW-2フォームだけだが、ほかにも副収入があったりフリーランスの仕事もしているとなると経費を含めてたくさんの領収書が必要になる。もちろん投資をしている人も多く、そういう人は銀行利子や株売買などの収入もこの時期にあわせて申告する。


かかる経費の証明だが、アメリカでは店で買い物をしても日本と違ってきちんとした領収書( bill / invoice ) が出ないことも多く、数センチ四方のレシートに頼らなければならないこともあるので、僕はもっぱら支払いはクレジットカードにしている。実はクレジットカードで支払いをしていると僕のようなものぐさにはかなり利点があるのだ。
税金の申告シーズンにあわせ、たいていのクレジットカード会社はこの時期に Year End Summary の作成というサービスを提供してくれる。
これはどういうことかというと、昨年1月1日から12月31日までのクレジットカード利用実績をいろいろなフォーマットで提供してくれるのである。Amex を例にとると会員専用ウェブサイトにログインすると、Year End Summary というリンクがこの時期だけ現れ、クリックするとウェブでそのリストを表示させたり、PDF の形でダウンロードできたり、または郵送を指示することもできる。
リストは月ごとの詳細のほか、費用項目によってカテゴリ分けされたリストもあるので、これを使って簡単に計算することができるのだ。


今年もなんとか PC の電卓をたたきながら、概算をまとめて会計事務所に持って行き、無事申告を済ませた。
今年も追徴金を払うことなく、税の還付を受けられた。あとは国と NY 州からそれぞれ銀行口座に振り込まれるのを待つだけだ。
すでに払ってあった自分のお金とはいえ、やはりある程度まとまったお金が手にはいるのはうれしいものである。

普段から何気なく使用しているクレジットカードだが、こんな風に一年に一度利用実績を見直すのはよい機会かもしれない。一枚のカードで個人的なものと仕事に関するものの両方の支払いに使用しているとはいえ、昨年の支払いは Amex だけで3万ドル強にもなっていた。 同社は二枚目のカードとして Small Business 向けのものを発行するサービスをしているので、額がこれ以上増えるならば分けるのも手かもしれない。そうなればもっと計算が楽になるのだが、果たして新たな年会費を払う価値まであるかどうか。

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