毎日使う道具
言語と道具を使いこなすのが人類の特徴であるが、その道具は骨や石でつくった鏃といったものから時代とともに進化し、いまじゃすっかり形も目的も変わってしまった。
数え切れないほど道具が世の中に存在する現代では、人によって毎日使う道具というのはまさに様々だろう。
僕にとって毎日使う道具と言ったらそれはかつて鉛筆やノート、それに消しゴムといった筆記具だった ( いったいいつの時代だ )。それが今や携帯電話とキーボードとマウスにとってかわってしまった。それこそ筆記具を使わない日もあったりして、思えば短期間ですっかり変わったものである
それでもキーボードとかマウスと言ったらまだいい方で、道具の定義はその先のキーボードとマウスを使って何をするかと言うところになり、つまりソフトウェアやサービスという無形のものを道具と言い始めている。形の無いものを使って形の無いものを作り、報酬も銀行に直接振り込まれるとなると、なんだか今の生活はすべて仮想的にすら思えてくる。中世ぐらいの人がこのスタイルを見たら、いったい僕らは何をしているのかわかるわけが無い(笑)。
その形の無い道具を具体的にあげろと言われたら、僕の場合は画像管理システムとイメージ編集のソフトということになり、ここ最近は特に Photoshop と SILKYPIX を指すことになるだろうか。
実は何ヶ月も前のことだが Adobe と秘密保持契約を結んだ上で開発途中の CS3 について Adobe から話を聞く機会があった。
すでに秘密保持期間は終了しているのでここでそのことを書いても構わないことになっているが、米国ではすでに製品の販売が開始されており、また日本でも近々日本語版が発売になるのであちこちでレビューが掲載されることだろうから、素人の僕が書いたところであまり参考にならないだろう。が運がいいことに一足早く CS3 を使えるようになったのでここではさわりだけ取り上げることにしよう。
※そういえばメインで使っているもう一つの画像管理ソフト、SILKYPIX も開発元からいただいたものでした。タダには弱いけど、タダだから使っているわけではありません(笑)。
今回のバージョンから Photoshp には Extended という新しいエディションが追加された。従来米国では $150 ほどでバージョンアップできたのだが、今回 CS2 からノーマル CS3 へは $200、そして CS3 Extended にバージョンアップしようとすると $350 かかる ( 日本では 48000円? )。
Extended には通常版にはない機能がいくつかあるが、3D やムービーなどあまり写真に関係ない部分を除外すると残るのは32bit HDR ぐらいだろうか。
その機能についても時間があれば試してみたいと思うが、$150分の付加価値を認められるかが Extended Edtition 購入のポイントではないだろうか。
( HDR 自体は CS2 でもできる )
ちなみに僕は英語版の Photoshop を使っている。なのでここで取り上げる機能名など英語の表記のままだが、日本語訳も意味が違うようなものはないだろう。置き換えて読んで欲しい。
もともと Adobe 製品の多くは英語版であっても日本語を割と正しく取り扱えることもあって、ほとんど操作に困ることなく使えている。
もともと画像編集で日本語が必要になることは少なく、あるとすればタイプツールだがもちろんこのツールも OS にインストールされている日本語フォントを選択することができれば、日本語文字列を使用することも可能だ。
今回最初に試してみたのが、「 Black and White 」 機能。
CS2 までこの機能が無かったのが不思議なくらいだが、CS3 にはカラーイメージを一発でモノクロ変換する機能が追加された。実際にはいろいろなフィルターが用意されているが、その中でもドラマティックなのが Infrated ではないだろうか。
Image → Adjustments → Black & White を選び、次の画面で Infrated を選択するだけで下に紹介した写真の二枚目のような効果が得られる。
赤外線フィルタを使用しての撮影はまだ一度も無いが、今回初めて試してみて、これに魅せられる人の気持ちもわからないではない (笑)。

※ Photoshop CS3 にて Black & White, None ( 効果なし )

※ Photoshop CS3 にて Black & White、Infrated ( 赤外線フィルタ ) 効果
Photoshop と SILKYPIX があればほとんどの場面で事足りてしまうのだが、そんな写真編集ソフトにもう一つ気になるものが出てきた。Photoshop と同じ Adobe 社の製品で Lightroom である ( 正確には Photoshop Lightroom というややこしい名前 )。
Lightroom はそのコンセプトを 「 フォトグラファ向けに特化した画像処理ソフト 」 として鮮明にしており、そのセールスコピーに余計に悩まされる。
操作しているところはこれまでにも何度も見たことはあるが、実際に自分で使用したことがないので単なる見聞でモノを言っているのだが、Photoshop よりは操作感が軽快で、かつ機能も必要にして十分、という印象を受けた。
(ところで 「 操作感が軽快で 」 は最初 「 捜査官が警戒で 」 と日本語変換された(笑) )
では Photoshop と Lightroom、どう使い分けたらいいのだろうか。
先の説明会では 「 写真の構図が最終イメージのもので、画像修正が必要ないものならば、Lightroom。一方、ピクセル単位の細かいレタッチを必要とするシチュエーションではこれまで通り Photoshop を使っていただきたい 」 というのが Adobe の提案だということだった。
つまりポートレートで目尻や吹き出物を目立たなくしたり、目を大きく 「 描いてみたり 」 という場合は Photoshp ということになるのだろう。となると作品撮りには Lightroom が向いていて、商用の写真では Photoshop を重宝する、ということになりそうだ。
逆に今回の Photoshop CS3 の RAW 現像が Lightroom 譲り、という言葉のとおり、一般的な現像処理に関しては Lightroom の方が使いやすいのかもしれない。
さて CS3 を使用して気がかりなことが一点。
全体的なパフォーマンスは CS2 より上回っていることを体感できるのだが、複数のイメージを開いてレイヤーを使って処理をしているとさすがにメモリをよく使う。あくまで僕の感覚から書いているが、CS3 はマルチコアプロセッサに大容量のメモリの方が気持ちよく作業できそうである。
新しい Windows OS にはあまり関心は無いが、少しでも快適に作業をするためにはどうやら PC の買い換えも視野に入れなくてはいけないようだ。
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