らしくない冬
今となっては遠い昔の話だが、英国でしばらく働くことが決まったとき、現地の情報を得ようといろいろな書物を読み漁った。
すでにメールやウェブブラウザは使えるような時代だったけれど、まだ個人がそれぞれホームページを開設しているという程度で、公共機関や旅行会社などが積極的に情報を開示したり、ましてやチケットの予約などできるところまでは行ってなかったと記憶している。
そこでガイドブックなど書籍に頼ることとなり、出発前にいくつか購入してみた。仕事で行くというのに、気分はもはや観光気分なのだった。
そのときガイドブックだけでなく実はいくつか英国に関するエッセイなども手にとって読んだ。そこで知ったのは「英国では挨拶のときに必ず天気が話題になる」ということであった。
英国に着いてみると、当時は今ほど英語に対する免疫もできていなかったためか、それほど挨拶をした覚えもないし、そのたびに天気のことが話題に出たかと問われると正直記憶にない。
日本でだって年配の人はよく天気のことを口にするが、それと変わらないのではないか。
New York でも冬になると天気のことが話題になる。普段はそれだけ寒いからなのだが、ここしばらく異変が続いている。
天気の話題も「今年は寒くないねぇ」なのである。
寒ければ寒いで厳しい New York の冬を恨めしく思う一方で、ここ数年暖かい天候がこうも続くと今度は寒くないのを心配したりするのだから、人間はなんともわがままな生き物である。
今年に入って氷点下10℃の寒波も一度だけあった。がその後は穏やかな気温が続き、中には20℃を超える日もあった。
下の写真はそんな暖かい日のスナップであるが、こんな軽装の New Yorker が一月に歩いていること自体、おかしい。
何もかも地球温暖化のせいにしたくはないが、体感できる異変というのはどこか恐ろしい。

