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久しぶりにカメラを持ってぶらぶらと街歩きをしてみた。行ったのは市内でももっとも古いアパートメントビルが建ち並ぶ一角でお世辞にもこぎれいとはいえない地区である。
建ち並ぶアパートはどこかすすけて見えるが、New York でもっとも古いということは言い換えるとアメリカの歴史のなかでもかなり早い時期に建てられたアパートということになろう。
ずっとロングランを続けていたブロードウェイミュージカル、『 RENT 』 も今年の6/1をもっていよいよその長い幕を下ろすことが決まったが、このミュージカルが生まれたように New York では賃貸アパートというライフスタイル が様々な形で発展し、それはもはや New York という場所ならではの独特な文化といってもいいかもしれない。
短いサイクルで住民が移り変わるアパートメントは、やはり持ち家に比べると衰えも早い。
それは非所有不動産だという意識からか住人もあまり丁寧に扱わないというのもあるだろうし、同じ集合住宅でもコーポやコンドミニアムのように資金を募って定期的に外壁や内装をアップデートするのに対し、、アパートメントは建てられた当時からアップグレードされることなく、ときおり補修程度のメンテナンスしか受けないからというのもあるだろう。
そのため老朽化した建物は住むには危険で、また現代のライフスタイルに見合わないレイアウトだったりするので、ここしばらくはあちこちで建て替え工事をしているシーンが見受けられた。
壁一面にファイアーエスケープが設置されているこれらの古くさい建物が並ぶその姿は、New York の移民の歴史そのままで、歴史の浅いアメリカにあってノスタルジーすら感じられるものだが、突如として現れるスリムでガラス張りがまばゆい真新しいコンドミニアムによってすっかり街の表情が変わってしまった。それまで古さが調和の鍵となっていたところに、真新しい建物ができたことでとたんに残された古びた建物がよりみすぼらしく見えてしまうのだ。
もちろん住む側としてみれば新しい建物の方が住みやすいだろうし、僕だって暖かいお湯の出ないシャワーなんか遠慮したい。
けれども住民が立ち退きつつあるアパートメントを見るたびに、惜しいという気持ちをいだきながらシャッターを押さずにはいられない。
いつの日か新旧のビルが建ち並ぶ姿に見慣れて、これもまた New York の顔になるかもしれない。
取り壊した跡地に新しいビルが建つのはあっという間だが、人々の意識が変わるまで果たして一体どのくらいの時間を必要とするのだろうか。
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