石畳の上で

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欧州の血を引くからか、Vespa はこんな石畳にたたずんでいる様子がよく似合う。
ガラス張りの高層ビルが周りを囲む、都会のアスファルトの上では古い Vespa は却って寂しく見える。

Vespa といえば僕にとっても特別な想いがあって、生まれた初めて乗せてもらったモーターサイクルがこの Vespa だった。
今は亡き僕の叔父一家は近所に酪農家があるようなのどかな郊外に住んでいたが、当時から Alfa Romeo を愛車にするなど、少年ながら僕の目にはクールなオヤジだった。よく故障していたようだが、少しずつ手直ししながら長いこと乗っていた気がする。クルマのほかにバイクいじりもやっていて、何台かあるオートバイの一台が Vespa だった。

あまりスピードを出してはだめよ。

と母が言うと叔父は 「 わかっているよ 」 と言いながら僕ら兄弟を順番に乗せ、近所を運転してくれた。
叔父にとって口うるさい姉である僕の母の言葉なんか忘れて、ときどき速度を上げて僕らを楽しませてくれたっけ。


石畳で持ち主を待つ Vespa は、ところどころさび付いてはいるけれど、きっと現役で走っているのだろう。
そんな姿を見て、なんとなく粋だなと感じたのは、僕があのときの叔父の年齢に近づいたからだろうか。

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このページは、hiroが2008年4月 7日 17:35に書いたブログ記事です。

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