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iPhone、オンラインストアの謎

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ここしばらくブログの更新が空いてしまった。
ここ一、二ヶ月全米に流通するトマトからサルモネラ菌が見つかり、New York では学校からトマトが消え、あの MacDonald ですらトマト抜きでハンバーガーを販売していたのだが、その後トマトだけでなくハラペーニョやシラントロからもサルモネラ菌が見つかっていた。トマトは気をつけていたつもりだったんだが、ハラペーニョやシラントロまでサルモネラ菌の感染源として注意喚起されていたのは知らなかった。実はそのどちらかまたはその両方によるものかはわからないのだが、久しぶりに食中毒に遭ってしまい、先週はさんざんな一週間だった。幸い大事に至らず、快方した今となっては余計な贅肉も多少落ちてちょうど良かったといえるが、食中毒はやはり怖いものである。夏という季節がら、衛生面ではより注意を払った方がよいだろう。

実は僕の人生で食中毒はこれで3度目で、最初は日本で生牡蠣にあたった。New York では10年ほど前に食べた「なんちゃって日本食レストラン」の寿司でひどい目にあった。この中で一番大変だったのは生牡蠣の時で、今回はそれに続く2番目といったところか。共通点はどちらも高熱にうなされ、全身の筋肉がぎりぎりと痛むのだが、今回は48時間で収まったので菌自体弱かったのかもしれない。外食の場合、防衛することが難しい。奇しくも今週、New York ではレストランウィークが行われているが、さて胃袋が小さくなった今、楽しめるかどうか。







さて話を切り替えて、iPhone である。
iPhone に関する話題が続き、興味のない人に取っては食傷気味かもしれないが、とりあえず旬な話題ということで今回も引き続き書いてみようと思う。

今回、iPhone 3G が発売されるにあたって、搭載されるファームウェアが 2.0 というバージョンになったわけだが、その前にも何度かファームウェアが更新されてきた。発売当初には無かった機能が新しいファームウェアによって追加されることもあり、その中の一つに Itunes App というアプリがある。
もともと iPhone に搭載されている iPod 機能を使うには、楽曲を PC 上の iTunes を使って取り込む必要があったのだが、iPhone 用にリリースされた iTunes App を使うと、WiFi が使えるところであればどこでも楽曲を試聴し、ダウンロード購入ができるようになった。またアメリカの Starbucks コーヒーの店内でこのアプリを起動すると、現在の BGM のタイトル、アーチストなどが表示され、さらにその場で iPhone へダウンロード・購入することもできる。まあ所詮無線 LAN を使うので大量の楽曲をインポートするのには適しておらず、アルバムの中の一曲が欲しい、というようなシーンで使われるのだろう。



※ 米国在住なのになぜか iTunes App は日本のストアのものを表示していた


僕も当時のファームウェアに更新した直後はこれらの機能が使えたのだが、いつのころかおかしな現象が起きるようになった。
iPhone 上の iTunes App を起動すると、最初に表示されるのが日本のアーチストたちなのだ。しかもいつ Starbucks に行っても、どの店でも、そこでかかっている BGM の曲名表示ができなくなってしまった。しかもメッセージが「ただいま使用できません」とかなんとかという素っ気ないもので、それだけ読むと店舗側の問題に受け取れるようなこともトラブル放置の要因の一つになった。

この現象に気がついたのはすでに iPhone で Jarilbreak を行い、サードアプリや日本語化などいろいろ設定を変えていたので、それが原因では無いかとも思ったのだ。本来 iPhone には「International」の設定として、使用言語やキーボード、それにリージョンの項目があり、最初はその中の言語設定かリージョンが「日本」になっていることが原因ではないかと思ったが、これを英語や US のリージョンにしても iPhone が開く iTunes Store は日本のままである ( 後述するが本来はリージョン設定で変わるべきだと思うので、一種のバグではないかと思うのだが )。


そもそもこういうデジタル機器とインターネットサービスが結びついた場合、リージョンというのは問題になりやすい。大きさはまるで違うが、SONY の PS3 にだって似たようなケースが発生する。世界中で発売されている PS3 だが、そのユーザ向けに SONY が提供しているオンラインサービスに 「 Playstation Network 」 なるものがある。Playstation Network とはダウンローダブルゲームの購入から新作ゲームのプロモーションビデオ、はてはハリウッドムービーのダウンロードまで、とインターネットと PS3 を結ぶ野心的なプロジェクトだが、国ごとに発売されるBD/DVD やゲームコンテンツに違いがあるために、それぞれ地域別にサービスを提供している。
PS3 では PC のように複数のユーザアカウントを作成することができるので、パワーゲーマーなぞはいくつものユーザアカウントを作成し、それぞれに各リージョンごとの住所を使い分けていたりする。こうすることでリージョン限定で発売されるゲームや、いち早い発売情報などを世界中からダウンロードできるのだ。
実際にオンラインで購入するとなるとユーザアカウントとクレジットカードの情報をリンクさせなくてはならないので、海外に住所がない人はそれなりの努力を強いられるものの、アメリカには僕のように外国出身の人が多い。そういう人の場合、出身国の住所やクレジットカードも使用可能であるから、二重に登録するのは決して難しいことではない。実際僕も PS3 では日本とアメリカの二つのアカウントを持っている。

デジタルコンテンツを取り扱うという意味で Apple の iTunes サービスも同じことで、iTunes ストアは各国ごとに展開されているわけである。その iTunes ストアには PC 用や Mac 用の iTunes を使ってアクセスするわけだが、どの国のストアの商品を表示させるかは実はソフト上で切り替えるだけで済む。



※ Windows 用 iTunes の言語/国切り替え

この My Store を日本に切り替えると、日本向けのコンテンツに切り替わるのだ。
iPhone の iTunes App もそうなっていればいいのだが、アプリ無いに切り替えるスイッチは見あたらない。とすれば、システムのリージョン設定を参照すべきだと思うのだが、先に書いたようにここをいくら日本←→アメリカに切り替えても iTunes App は日本のコンテンツだけを表示し続けるのだった。

そして iPhone 3G が発売され、それに合わせて新しいファームウェア2.0が公開になった。
せっかく Jailbreak していたのだけれど、iPhone 3G のサービスも使ってみたい気持ちの方が強く、そそくさとアップデート。あわよくば iTunes App の問題も直るかな、と期待していたのだが、アップデート後も変わらず日本のコンテンツのみを表示し続けるのだった。

ところがあるとき何の気なしに iTunes App を見ているといつもと違うコンテンツが並んでいるのに気がついた。

なんといつの間にか米国のそれを表示しているのである。
いったい何の拍子に iTunes App が直ったのかと、自分のやったことを思い出してみると、PC 上の iTunes の言語/国設定を変えた ( ちょっとややこしいが ) 直後だと言うことに気がついた。つまり iPhone が USB でつながっているその先の PC 上の iTunes を操作して、My Store のところを変更すると、たとえ iPhone と iTunes の同期をしていなくても、自動的にその設定が iPhone に反映されるようなのだ。
そもそも iPhone 上の iTunes App と PC 上の Itunes ソフトを同じ位置づけにして、iTunes ストアにアクセスするためのクライアントと思っていたのが間違いだったようで、どちらかというとPC / Mac を母艦とし、母艦上の iTunes ソフトの設定を iTunes App は引き継ぐ設計になっているのだった。
これはある意味潔いとは言え、外出先で異なる地域のストアを参照したくとも、再度 iTunes につなぐまでは変更が不可能ということになる。僕はどちらかというと iTunes App も独立したアプリと位置づけて、iPhone 上のリージョン設定が反映すべき、と考えているのでこれは不具合だと思う、と先に書いたのはそういうわけだ。


さてその規則に気がつけば、後は iPhone 3G 発売に合わせてサービスが提供された App Store ( iPhone 上のアプリケーションをダウンロード販売するストア ) も同じことなのがわかる。
下は日本の App Store の「おすすめ」リストである。すぐその下は米国のおすすめリストであるが、日本には無い eBay 用のアプリが表示されている。また同じソフトでも価格がそれぞれ円とドルで書かれ、為替を頭にいれても多少日本のストアの方が高い値付けになっていることがわかる。


※日本の App Store のお勧めリスト


※こちらは米国の App Store のお勧めリスト


またこちらは無料アプリの人気リストだが、上が日本の App store、そして下が米国のものとなっている。
やはりお国柄を反映して、内容に違いがある。


このように Apple も SONY も国や地域に合わせたコンテンツを表示するようにしている。アプリケーション一つとっても手作業で評価し、注意深くセレクトしているということになる。
日本の携帯電話がガラパゴスと呼ばれているの知ったのは iPhone が日本に発売されると聞いてからだが、なるほど言い得て妙だと思う ( とはいうものの、なんだかガラパゴスに失礼ではないかとも思うのだが )。世界に通用する携帯機器とサービスを、といっても今回あげたような国際化対応というのは簡単に提供できるものではない。先日日本の携帯電話を家電的と表したが、そのスタイルを続ける限りはここまで踏み込んでサービスすることは難しいだろう。

携帯電話とはそもそも線でつながっていないものを、何とか無理矢理つなごうと指向している道具なのだ。iPhone はアプリを通して横につながろうとする姿勢があるのに対し、孤島 ( ガラパゴス ) にたてこもってしまうのはそもそも携帯電話の指向性として間違っていたのではなかろうか。

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