僕は日本のバブルがはじける前にアメリカに移住していたので、大きな不況というのをこれまで一度も経験したことが無い。むしろ大学を卒業したときは就職売り手市場だったし、新入社員時代はちょうどバブルが到来した時期で、今振り返れば身分不相応な社会人生活を送っていた。
僕がアメリカに移り住んだとき、アメリカはすでに不動産バブルが始まったところで、住宅価格が年々激しく上昇していた。不動産価値は上がることはあっても下がることは無い、という神話を周りのアメリカ人は信じていたが、日本でのバブル崩壊で東京ですら土地価格の下落したのを知っていたので、それがたとえ世界に名だたる金融都市、New York であっても例外ではないとわかっていた。確かに米国が不景気になっても、たとえばヨーロッパやアジアが好況であれば海外の資本が New York を支えることはあるだろう。けれども New York には東京などと違って治安の問題があり、ひとたび不景気になり失業率が上がるようなことでもあれば、また犯罪率は上昇し治安の悪化を招き、ひいては都市としての魅力は失われ、投機の対象になるのは一部の地域だけになるだろう。
けれどもそこまでドラスティックに経済状況が悪化すると思っていなかったのだが、ここ最近急速に金融不安が広がり、それまでテレビコマーシャルをしていた金融機関が翌日には破綻したり、他の金融機関に吸収されるなどこれまでにない変化が訪れている。
土曜日も友人と Times Square 近くのバーレストランでたらふく飲み食いしたあと、コーヒーでも飲もうと近くの Starbucks に寄った。その Starbucks の目の前にあったのは旧 Lehman Brothers のオフィスビルである。
見上げるとちょうどそこには建築作業員がビルのに上におり、看板を取り外す作業をしていた。僕らが気がついたときはすでに 「 LEH 」 の文字しか残っていなかったが、Starbucks でコーヒーを飲みおって出る頃には最後の部分の撤去作業を急いでいた。
歴史の浅いアメリカという国にあって、Lehman Brothers は150年もの老舗を誇る証券会社だった。いまはその老舗であっても一夜で Times Square からかげもかたちも無くなってしまうのだった。
僕の人生で初めて体験する不況。僕も明日は我が身かもしれない。悲観しているわけでも、楽観視しているわけでもないが、世の中の変化を受け止めるだけの覚悟は必要だろう。
日本の友人が放った 「 アメリカは大きな不景気のあとに必ず戦争を起こす国である 」 という言葉がどうしても耳から離れない。


ニューヨークへ旅立つ前、世界中のビッグニュースとなったリーマン・ブラザーズの破綻。
日本でも号外が出ましたが、わずか2週間で看板が撤去されたのですね。
まさか、そんな渦中のリーマン・ブラザーズの最後の3文字(LEH)を見届けるとは
思ってもみませんでした(今旅最後のビックリ)。
“リーマンの看板の最後を見てきたよ“
くしくもこの出来事が、日本で話すすべての人に通じる共通の話題となりました。
あの時見た取材陣でしょう。まさにこの光景がネットに載っていました。
この先のアメリカ経済・そして日本の経済はどうなるのか?
本当に何が起こるか分かりませんね。
まずは、キリギリス生活からありさん生活に方向転換しないと。。。ですね。
(でも、楽しむときは、パ~~っと行きたいものです。)
日本も急激に寒さを感じる今日この頃です。
天候の変化が激しいニューヨーク、お風邪を召さないようお気をつけください。
色々お世話になりました。
ではまた。
先月の末に7泊してきました。不景気という感じはなかったですが,人出は減っていたように思いました。ほとんど雨が降っていた影響もあると思いますが。
このブルーのネオンサイン見ました。なんとまー,変わり身の早い事,びっくりしました。でも,これが絶えず活発な新陳代謝を繰り返しているNYの姿だと納得しました。
naominさん、お疲れ様でした。
無事に日本に着いて何よりです。
こうして看板を下ろすシーンを目の当たりにすると、アメリカの変わり身の早さには舌を巻きますね。感傷など浸っている場合でないのかもしれませんが、このドライさがビジネスには必要なのかも。
確かに今回のnaominさんの旅のテーマは「看板」だったんですね。
また次回、東京かNYで。
ykoshiさん、お久しぶりです。
景気の悪さを感じないのはやはり、欧州や中国からの観光客の羽振りの良さが際だっているからでしょうか。ただユーロも下落しているようですし、これからは観光客も少し減るのかもしれません。不安なのは不景気のあとにくる治安の悪化です。これについては少しずつ耳にするようになりました。