2009年7月アーカイブ


最近、Manhattan を歩いていて何カ所かでこのような白い自転車を見かけた。

もともとが白い自転車というわけではなく、サドルも含めてすべてペンキで真っ白に塗られているもので、明らかに趣味で塗り替えたというものではない。

最初見たときは 「 物好きな人がいるもんだなぁ 」 ぐらしいにしか気にとめず、すっかりそのことを忘れていたのだが、その後も二度、三度と異なる場所で見かけるにつけ、次第にそれがなんなのか気になってきた。

そしてある日、たまたまその自転車にくくりつけられているメッセージを読んで、白い自転車の意味がわかった。

それは、この白い自転車が置かれているすぐ近くで交通事故があり、バイカーが亡くなった現場を意味していた。


今、New York では過去に見られないほど多くの自転車乗りが増えた。
MTA 運賃の度重なる値上げに辟易して、というのがきっかけで乗り始めた人もいれば健康のためと言う人もいるが、いずれにせよ NY 市の統計でも数字となって現れているのだから、大幅に増えているのだろう。中には僕のようににわかバイカーもいるわけで、その逆にバイカーの数にとまどうドライバーも多いわけだ。

日本ではさほど珍しくない買い物かごをふらふらさせて走る自転車も車の運転手が日常的に見ているからある程度予測して、徐行したり大きく迂回したりするわけだが、New York ではこれまでそんなに自転車の広がりなんてものが無かったから、あちこちで悲惨な事故が起きているというわけだ。


ハイブリッドエンジンを搭載したクルマよりも、地下鉄よりも、もっと有用なエコな乗り物を結局日本は昔から実践的に利用していたということになるわけだが、バイカーはその反面、すぐ横をトラックが爆走する恐怖とも向き合わねばならぬ。
幸い、NY 市ではあちこちにバイクレーン、そしてバイクパスなるものをどんどん増やし、ドライバーの啓蒙に努めるとともにより利用者の利便を図ろうとしている。
最近ではうちの近所もバイクレーンがあちこちにでき、だいぶ乗りやすくなってきた。これで少しでも交通事故事情が改善すればよいのだが・・。

自分自身、ドライバーとしてこの白い自転車を見て少なからずショックを受けた。
主を失った自転車はそこで時が止まってしまったかのようだった。

これ以上、白い自転車を増やしてはならない。

一雨降って

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New York の夏はからっとしていて本来過ごしやすい日が多い。それでも年によっては高湿度で東京並かそれ以上に蒸しているのではないかと思う日が続くこともあり、この辺の感じ方は人まちまちであろう。
けれども空気が乾いた夏の日などは、暑くても汗をかきにくく、また暗くなって夜風が吹こうものならたちまち肌寒さを感じるほどである。

たまに朝は過ごしやすいほど涼しかったのに、昼から急に湿度があがり不快指数があがろうものなら、これはかなりの確率で夕立がやってくる印である。
ただこのときに降る雨の量は半端でないことが多く、あっという間に道のあちこちに洪水を巻き起こす。
つまり水はけが悪く低いところにたまってしまうわけだけが、そのくせアスファルトの水分はすぐに乾いてしまう。

こうして一雨降った後は気温もさっと下がり、体をまとわりついていたような湿気もさらりとした冷気にかわる。

この時期は蛍を見ながら夜の散歩というのも悪くない。

夏が来た

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今年4月の転職後、拘束される時間が少なくなったおかげで、その分自由になる時間が増えたのだが、もともと時間の管理が下手なこともあって、なぜかブログの更新タイミングが遅くなってしまった。
書くことが何も無いのか、と言われるとそうではなくて、書きたいこと、紹介したい写真はストックが貯まっている。

ここしばらくは撮影依頼が続いていたのも理由の一つだが、実のところでずっぱりで、家にいないのが主たる理由である。
例年なら5月ぐらいから夏らしい天候が続き、7月もなるといいかげん夏の天候に辟易し始めるのだが、今年はどういうわけか本格的な夏が7月になってからやってきたこともあり、今その短い夏を楽しんでいる、というわけだ。
特に最近は天気さえ許せばバイクであちこち走り回っているため、家に帰る頃にはへとへとで、家に着くとどうも PC に向かう気が起きない。困ったものである。


そんなわけで夏の間は多忙をいいことに文章短め、でブログを更新していこうと思う。



※ 全身ずぶ濡れでも缶ジュースは濡らすわけにはいかない


前回 Washington Square Park の改装工事後の様子を紹介したが、夏シーズンに向けてもう一つ新しい公園が NYC にオープンした。それが Highline Park である。

この公園はその変わった形状とともに、今もっとも注目を浴びている公園の一つといってよいだろう。
もっとも新しい物好きなのはアメリカ人も同じで、いまだけ物珍しさでたくさんの人が訪れているのかもしれないが。


この公園があるのは、Meat Packing District から Chelsea にかけての West Side でこの公園はさらに 「 延長 」して、34th Street に至る。
なぜこの公園が 「 延長 」 するのかというと、この公園、いわゆる空中公園の体裁を取っており、今もまだ工事が進んでいるからである。
空中公園といっても、まったく新たにゼロから新設された公園ではなく、もともとここには貨物専用の高架線があった。
トラックによる物流の発達に押され、この貨物専用線路は使われることが無くなったが、その後はただそのまま残されていた。
もともと僕はよく Chelsea にあるギャラリーによく足を運ぶので、この貨物専用線路の存在を昔から知っており、公園化のプロジェクトの話も耳にしていたのだが、思ったよりオープンにまで時間がかかった印象だ。

が実際に行ってみると細部にいろいろ工夫が凝らされ、今までの公園とは趣がことなる。



※これが公園への入り口。Disableの人のためのエレベータも用意されている。


公園にはビルの三階分ほどに相当する階段を登ることになる。



※入り口に取り付けられた公園の案内。線路のシンボルとHighlineの"H"がベースになっているのだろうか



※これが細長いHighline Parkの様子。無造作に植えられているように見えるが英国風(?)の草木が計画的に植えられている。


新しい公園だけあって環境にも配慮がなされているようだ。
公園のあちこちに水飲み場があるのだが、こぼれる水はすべてそのまま地面に流れ、続いて近くの草木に配水されるようになっている。またレールもオリジナルのものが再利用されている。ビデオの中で紹介している寝椅子はその一例で、レールの上に椅子は設置され、中には左右に移動が可能になっているものも。
もともと貨物専用線路ということでそれを壊して一から作るのではなく、廃材や形状をうまく利用した作りになっており関心させられる。



※Avenueの上を横切る箇所ではこんな風にシアター風のシーティングエリアも。



※上の歩道橋の上から見た風景。

中には上の写真のように下を通り過ぎる車を眺めるだけのスポットもある。
日本ではよく見られる歩道橋も New York ではとても珍しく、ここもある意味歩道橋を公園の一部に取り込んだおもしろいアイデアである。



※公園マップ。現在オープンしているところは黄色で示されている。この公園はさらに延伸し、34th Streetまで広がる予定。


前回紹介した Washington Square Park と比べ、こちらは公園の利用方法が基本的には散歩に限定されているのだが、なぜかこちらの方が個人的には自由度が高いように思える。
Washington Square Park は以前より広場の面積を増やし、樹木を減らしたことでたくさんの人を収容できるようになった一方、個人的にはあまりおもしろみが感じられない作りになった。
その一方、もともと自然が何もなかったところに人工的に草木が植えられ、人工的に建設された公園が Highline Park であるが、そこでの時間の費やし方というのはまさに人それぞれで、まったくお仕着せ感といったものが感じられない。
こうして二つの公園がほぼ時を同じくしてオープンとなったが、こんな風に全くスタイルが異なるのも興味深いところだ。


さてこの公園、オープンした直後平日に行ったときは割とすいていたのだが、後日日本からきた友人と週末に訪れたところ、あまりの人気からか来園者の大場な増加により、なんと入場制限が行われているのだった。
ディズニーランドのアトラクションよろしく、幾重にも折り返し地点があるような柵の中で順番を待つこととなった。
公園に入るのに、入場制限とは?とも思うが、それだけ珍しいということなのだろう。

下に紹介した公式サイトではイベントカレンダーへのリンクがあるが、それにによると今週末日曜日にここでストリートフェアも開かれるようだ。関心がある人は行ってみると良いだろう。
ただでさえ今は混雑している上、連日続いた梅雨のような天候が終わり夏の青空が広がっているのでより来園者は増えそうだ。おそらく入場制限も続いているであろうからストリートフェアを楽しみたいなら昼前に着くようにしたい。

とはいうものの、ここからは New Jersey 側に沈む夕日が見られることもあり、夕方の景色も捨てがたい。
夜遅くにはいったん閉園になるものの、それまでは利用ができるので夜の利用もまた楽しいかもしれない。


さてせっかく HD 映像も撮れる EOS 5D MarkII を持って行ったので、今回動画にも挑戦。iMovie '08 で編集してみたが、以前のバージョンに比べて格段に使い勝手が向上。僕みたいな素人でも簡単に編集ができた。

HD 画像への直接リンクはこちら

The Highline Park

公式サイト
http://www.thehighline.org/

ブログ
http://blog.thehighline.org/


今年はどうしたことか、まるで New York にも梅雨がやってきたかのような夏前半だったが、ここに来てやっと夏らしい青空が広がっている。といっても真夏の代名詞といえるような入道雲にはまだお目にかかれず、夕方ともなるとひんやりした風がどこからともなく吹いてくる。が、そのうち 「 勘弁してくれよ 」 と独りごちるほどの真夏日がやってくることだろう。


そんな夏を迎えるにあたり、New York ではいくつかの公園のリオープンが相次いでいるようだ。その一つが今回紹介する Washington Square Park である。

最終的には近隣市民からの訴訟にまで発展した NY 市先導で始まった Washington Square Park の再生工事だが、先日それがやっと完了した。
思えば公園には似つかわしくないバリケードやら鉄格子などの柵が公園の周りを取り囲んでしまい、その痛々しい姿を一冬、そしてこの春まで晒していた。
そして初夏を迎える頃、この公園に再び市民の足が戻ってきた。
噴水は見事な水をたたえ、涼しげな音を立てている。以前は噴水があったりなかったりしたのだが、あれは季節のせいだったろうか。
いずれにせよ、その噴水の周りは一変した。


以前の公園では噴水のまわりを一段高くし ( sunken style とでもいうのだろうか )、立体的になっていた。
その段差は決して高いものではなく、軽いスロープでつながっていたのだが、それでもお年寄りや身体障害者の人には意味の無い段差であったのかもしれない。
再生後の公園はその段差をすべて無くし、すべて石タイルでその広場を埋め尽くした。実際段差が無くなったせいで広場は以前に比べてだいぶ広がったという印象を受ける。
ただそれ以上に人工的な作り込みが感じられ、なんとなく落ち着かない雰囲気を覚えた。

その一方でシーティングエリアが大幅に増えた。新たにベンチが加えられただけでなく、意匠を凝らした石型のシーティングスペースも噴水のまわりに円を描くようにして配置されている。そのおかげで多くの人たちはおとなしくベンチに座っており、夕日を浴びたその公園はとても穏やかに見える。その一方であまり人々のアクティブな動きが少なく以前より活気を無くした気配も感じられる。


僕が育った東京の下町ではまだ神社の裏山、みたいなものが残っていてそれは大人には丘といったなだらかなものだったかもしれないが、子供の身長には立派な山だった。そこで僕らは登ったり降りたりを繰り返して、ときには泥の斜面を滑って膝の頭がすりむいたりもしたが、親からそんなところで遊ぶのを辞めろと言われた覚えもない。たとえ言われても、所詮子供というのはいつも冒険を探しているようなものだから懲りずにまた体のどこかを擦りむいて家に帰るものだった。

危険に満ちあふれた場所を保存せよと言っているわけではなくて、Washington Square のように用途を市民に限定させてしまうようなスタイルを再生と言って良いのか疑問を持ったというだけのことである。
今回の再生計画では以前植えられていた樹木が大量に伐採された。それが市民が訴訟を起こすことのきっかけとなった。果たして都市の公園のあり方としてはどちらが正しいのだろうか。

さて次回はこれもまた公園ネタで Highline Park について紹介しようと思う。

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