
沖縄から New York にしばらく滞在していた写真家の友人と街のスナップを撮りながら Lower East Side を北上していたときのこと。
Houston Street でこんな風景に出くわした。
壁一面を使って描かれた Graffiti、いや Mural である。
New York では決してグラフィティや Mural は珍しくない。むしろかつての地下鉄の全面がグラフィティで蔽われていた時代があったほど、New York はグラフィティに馴染みが深いと言っても良いだろう。
幸か不幸か、行政の努力でそういったグラフィティは一掃され、見事というような「作品」はそうあちこちには見られない。
そんなところにこの Mural に出くわしたのだから、おおっと驚いた次第である。
一目で時間をかけて描いていることがわかるように、ゲリラ的にただ描いている訳ではない。
Mural を描いている場面に出くわしたことがあるが、それにしてもこの絵はずば抜けて完成度が高い。
Ladder に乗ってちょうどそれまで描いていたアーチストとおぼしき人が降りてきた。
それ彼に写真を撮っても良いかと尋ねると二つ返事で快諾。
するともう一人少し離れたところにあったもう一本のはしごの上にいたもう一人の男の人に声をかけて、降りてこいと言っている。
どうやら一緒に写真を撮ろうと言っているようなのだが、この時点で英語ではない言葉で話していた。
二人で共同製作なのかな、と思ってもう一人の人の顔を見てびっくり、そっくりなのだ。どうやら双子でアーチストのようだ。
写真を撮らせてもらったお礼をいいながら、先ほどの言葉が気になって、あれはどこの言葉ですか? と尋ねると、僕らはブラジルから来たんだ、と言う。
なるほどポルトガル語であったか、とひとりごちるが、それより気になったのはこの作品である。
この時点でもう一週間かかったんだと話していたが、あまり製作の邪魔をしてはまずいと話を切り上げることにした。これだけの作品を作っている二人組だからきっと何か活動しているに違いないと思い、最後にホームページか何か案内のようなものはありますか、と尋ねると一枚のコピーをくれた。
挨拶代わりに 「 どこかで ( お二人の ) 作品を見た記憶があるのだけれど・・・もしかして有名な方では? 」 と言うと、「 Maybe 」 と言ってニヤリとした。
家に帰ってインターネットで検索してみると、果たして二人の名前が出てきた。
しかも Wikipedia にまで二人のことを記述したページが存在するのである。
ふむふむと先ほどの双子の顔を思い浮かべながら、過去の経歴や作品を見るのだが、僕の記憶にあるデザインは実はまだ見つかっていない。
そう思うと初めて見たのに初めてと感じないような不思議な作品なのかもしれない。
奇しくも彼らの制作は、New York でもっとも有名なアーチスト、キース・ヘリングの生誕50周年イベントの一環としてここで二作目として選ばれた選ばれた故のものであった。
ちなみに一年前に別の場所でプロジェクト一作目が公開されている。これがキース・ヘリングがここで1982年に描いたものを再現したものであった。
そういえば、すぐに完成するからまたそのときに見て来てくれ、と言われたことを思い出した。New York Times だったかどこかのメディアで彼らの作品が完成したと聞いた。
近いうちにまた、突然出会うようにこの作品を見に行けたらなぁと思っている。もう一度あの驚きを完成品で感じてみたい、というのは少々欲張りだろうか。

※ OS GEMEOS の二人組

はじめまして。写真がどれもとても印象的ですね。うまい表現が見つからないのですが、良い意味で生々しい感じとでもいいましょうか。
NYは、友人が住んでいるので何度か訪れたことがあるのですが、初めて訪れた頃は、キース・へリングのショップがあったと記憶しています。まだ生誕50周年なんですね…。
OS GEMEOSの作品は、私も何かで見た記憶があります。何か思い出せませんが。でも、確かナイキとコラボでスニーカーもデザインしていたような…。
これからも時々、ブログを覘かせていただきますね。
Yokoさん、はじめまして。返信が遅くなって済みません。
写真のコメント、どうもありがとうございます。最初のころはNew Yorkの街の紹介なんかを中心にブログに書いていましたが、いまやたくさんのNew Yorkerがブロガーなので、あえてNew York情報などは外すようにしています。
インターネットのおかげでもはや時差がほとんどなく、最新情報はネットで入るようになりましたからね。
そのぶん自分の身の回りのことを中心に感じたことなどを勝手気ままに書いています。
これからもどうぞよろしく。
OS GEMEOSの作品は僕もどこかで見たことがあるんですが、僕はどこかの壁画かなぁと思っています。