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2007年08月18日

ビルの谷間でビーチサウンド

Aruba、Jamaica、Bermuda、Bahama・・・・

今から20年以上前に大ヒットした歌の一節として出てくる地名である。
僕がその後カリブ海に関心を持つきっかけになった歌だ。


その歌とはトム・クルーズが主演した映画『Cocktail』の挿入歌、『Kokomo』のことである。歌っていたのは Beach Boys で、これが今から20年ほど前のことなのにその時点で20数年ぶりのヒット、と呼ばれていたのだから、いかに息の長いグループかこれでわかるというものである。
きっと親父たちの世代が Beach Boys をリアルタイムに感じていたのではなかったか。

いずれにせよ、当時はときどき Beach Boys の古典ヒットをラジオで聞くぐらいで、メンバーがどういう面々なのかは Kokomo のヒットまで知らなかった ( 知らなかったし、あまり興味もなかった ) のだが、初めて写真で彼らの姿を見たときはびっくりした。ボーカルとそのメロディーから想像していたのと違って年配の面々によるバンドだったからだ。唯一ボーカルだけが若い人だったが、それはあとでオリジナルのメンバーでは無いと知った。

まあ Beach Boys についてはそこまでの興味だったが、この歌の中で出くる不思議な音の響きを持つ地名に、どこか憧れた。
当時カリブといえば、ディズニーランドの 「 カリブの海賊 」 アトラクションがすでにあって、そのイメージからどこか南の海域なんだろうな、ぐらいの前知識しか無かった。先の映画の出来はともかく、その映画に出てくる海の美しさや、カリブらしいゆったりとした時の流れ、そしてこの歌の持つイメージからカリブに対する期待が大きくなっていった。

それから何年もたって、アメリカに住むようになると New York からカリブ海へは意外とアクセスが便利なことがわかり、バハマを足がかりにして、その後カンクンやケイマン諸島、プエルトリコ、ドミニカン共和国など、毎年のように訪れるようになった。ここでスキューバダイビングのライセンスを取ったことも、カリブ諸島への距離感をより短くしたのだろう。


ごみごみした高層ビルの街、New York から飛行機に乗り、数時間後に真っ青なトロピカルアイランドが見えてくると、いつも Beach Boys の 「 Kokomo 」 のサビフレーズがずっと頭の中でリピートするのだった。
それくらいカリブ海の島々を訪れるのは、毎年の楽しみになっていった・・・

そして昨日の朝、ひょんなことから Beach Boys のビーチサウンドを New York の街中で耳にすることになった。
たまたまこの日はこの近くで写真を撮る必要があって、Bryant Park を通り抜けようと駆け足で入っていった。約束の時間に少し遅れそう、と慌てていたのだが、どこか懐かしいサウンドが耳に入ると、自然と駆け足をやめ、その音のする方に向かって歩き始めた。

それほど大きくない Bryant Park の端に特設ステージができており、そのステージで歌っているグループが往年の Beach Boys だったのだ。

ステージに見る彼らの顔は、僕にとってはどれも初めてのもので、「やっと会えた」という気持ちにはなれなかったが、スピーカーから聞こえてくるその歌声は間違いなく20年前の Kokomo のそれと同じである。
それまで汗をかきながら走っていたことも忘れて、さわやかな夏の朝のひとときを楽しんだ。
約束のことが無ければ、最後まで聞いていたかもしれないが、残念ながらそういうわけにはいかず、一曲演奏を聴いた後に再び小走りで公園を後にした。

高層ビルとビルに囲まれた都会の街はクラクションの洪水で溢れていたが、頭の中はカリブ海の青い海のイメージとビーチサウンドがこだましていたある朝のことだった。
またカリブ海を訪れてみようかな。



※ 時間が無かったので広角レンズのまま、撮影。ちょっと遠く見えるのはそのせいだが、実際にはすぐ目の前という感じ。


※ 上の写真は熱狂しているファンでいっぱい、のようなイメージだが実際にはこのぐらいの人しか周りにはいなかった。平日の朝だったので、人出が少なかったのもあるだろう。ごらんの通り、これはテレビ局主催のミニコンサートで、生中継で『Good Morning America』で全米に放映されていた。
砂浜の様に見える地面は、実は砂浜を摸したカーペットで、そこにレジャーシートをしいてビーチにいるかのようにくつろぎながら聞いている人も。

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2007年08月10日

Harry Allen


少年時代、サックスを吹いていた時期があった。
最初はバリトンサックスという大きなサックスで、首に巻き付けたストラップがずっしりとくいこんだ。その次に手にしたのがテナーサックスだった。
何事も中途半端な僕は、うまい、と言われるほどまで上達することはなかったけれど、今でもサックスを見たり、音色を耳にするとあの当時のことを懐かしく思い出す。


Village にある小さなジャズライブハウス。
中にはほんとうに小さなバーがあり、その泊まり木の向こう側にはバーテンダーの女性が、生の楽器の音を邪魔しないようにと気遣いながら、そっとグラスに酒を注いでいる。
そのぐらいステージと客席が近いこの場所で、今夜演奏するのは Harry Allen。


目の前に立っている、その Harry Allen はまるでサックスで歌っているかのようだった。力強く、そしてやわらかいその音は、地下にある狭い客席にしみこんでいった。
こんなときはファインダーをのぞくのが憎らしくなる。僕の場合、ファインダーをのぞいていると周りの音がさっと聞こえなくなるのだ。


写真を撮ったあとはカメラを氷の入ったグラスに持ち替え、目をつむって、そして、再び心地よいジャズのリズムに身を委ねるのだった。
それは New York で聞く、どこか懐かしい音だった。


※Harry Allen 氏は11月に富士通の招きで来日の予定があるようだ

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2006年07月25日

蛍とワインとChe Guevaraの夜

「 炎暑のNY 」 で紹介した、Astoria の野外映画祭だが、このところ自宅の A/C の調子が悪くテクニシャンが見に来てくれるという申し出にだいぶ迷ったものの、日にちずをずらしてもらうことにして、映画祭の方に行くことにした。エアコンの修理はいつでもできるが、この映画祭は毎週水曜日にそれぞれ異なる映画を上映するので見逃してしまうとそれっきりなのである。

主催者のウェブサイトによると、交通機関で行く場合は、地下鉄 N ライン、Broadway 駅が最寄り駅となっている。
僕はこの街に住んでいるのでおよその距離を知っているが、その駅から East River 沿いまで歩くのはかなりの距離である。正確に数えてはないが、15ブロックぐらいはあるんじゃないだろうか。Manhattan で15ブロックといえば、両脇の店を見ながら歩けばあっという間だが、こういう住宅地の15ブロックは距離は同じでも不思議なことに延々と続くように感じるものである。

それでも映画の上映開始は 「 日が落ちた時 」 となっていたのでゆっくり歩いて8:30 PM に着けば良いだろうと思っていたところ、この日同行した友人は、「 早く行かないと席が取れなくなるかも。それに映画の前、7時からもなんかイベントがあるみたいだし 」 というので、帰宅早々簡単に着替えて車で出かけることにした。
幸いなことに、隣にある Costco の駐車場が無料で開放されるとホームページに書いてあったので、駐車スポットを探す手間は省けそうだ。ちなみに Costco はこのイベントのスポンサーとして名前を連ねているので、こんな形でも協力しているのだろう。

道すがら・・・というほどの距離でもないのだが、Astoria の日系コンビニストアで弁当とお茶を買い、Manhattan から来た友達ここでピックアップし、会場に向かう。

Costco の駐車場は夕方の食料品買い出しの人たちでにぎわっていたがそれは店に近いところだけで、映画祭が開かれる会場側はがらがらだったので、ここを利用できることを知っている人は少ないようだ。

会場となっているこの公園は、ソクラテス彫刻公園・・と呼ばれているが箱根の森彫刻美術館なんかを想像していくとその規模の小ささにびっくりするかも知れない。芝生の広場にぽつんぽつんと所々に作品が展示されているのだが、今夜のように人がたくさん来なければかなり寂しい風景に違いない。
その芝生の広場の一番奥に NY 市公園管理局が所有するトラックが止まっており、そこにお世辞にも大きいとは言えないスクリーンがかかっていた。


僕らが着いたのは7:30PM ごろだったのでまだ外も明るく、まだ映画を上映するには早すぎる時間帯だったが、そのスクリーンの横にはドラムを携えた男性のグルーブが数人と、これまた派手な格好をした女性が数人踊っていた。
一体なんのイベントだろうとしばらく見ていると、それはブラジルのサンバであることがわかった。ただしそこでまた 「 なんでサンバ? 」 と新たな謎に頭を抱えることになったが、その答えは割とすぐに見つかった。
今夜上映が予定されている映画の監督がブラジル人だったのである。
ちなみに会場では地元のレストランが屋台を出店する、とホームページに書かれていたがこの日出店していた店は一軒だけで、その一軒もブラジルレストランだった ( ちなみにこのブラジルレストランは僕の住んでいるすぐ近くにあって、なかなかお勧め )。
毎週行われるこの映画祭は、来週はイタリア映画、次はルーマニア映画・・となっているのでそのたびにその国のレストランが出店するのだろうか。

屋台の弁当を見て思い出したように僕も弁当を食べようと、適当に空いている場所に陣取る事にした。幸い車のトランクにレジャーシートが入れっぱなしになっていたので、それを持ってきて広げることにしたのだが、これが無いと前日に降った雨のせいで土は湿っており、おしりは濡れてしまいそうだ。周りを見渡すとどちらかというと折りたたみ椅子を持ってきている人が多い。あとでわかったのだが、こういうイベントはレジャーシートよりこういった椅子の方が疲れなくてよい。また目の前の人が椅子に座っているとこちらはキリンのように思いっきり首を伸ばさなくてはならないから、ますます疲れる。



そうこうしているうちにサンバのパフォーマンスは終わり、映画は8:30 PM からの上映だとアナウンスが入る。
8:30 というとまだ明るいのだが、場所が場所だけにあまり遅くまで大音量でスピーカーから音を出すわけには行かないだろうし、協力してくれている Costco も深夜まで駐車場を開放できないという事情があるのだろう。
とはいえ上映まであと30分ほど。持ってきた食料を食べていればすぐである。
周りのグループも思い思いにバスケットやらクーラーボックスを持参して、それこそサンドイッチやらタコス、それに途中で買ってきたピザを食べている。しかも公園でありながらプライベートなイベントだからなのか、ほとんどのグループがワインとグラスを持参していて、どうやらほろ酔い気分で映画を見ようという魂胆らしい。こんなこと、映画館ではできないから、野外映画祭の醍醐味の一つである。


そしていよいよ8:30になった。
やぐらが組まれたその上に大きなプロジェクタが設置され、係の女性が画像のチューニングをしているのだがスクリーンに映し出された画面は Mac OS Xだった。どうやら映画は Mac 上で DVD 再生するようだ。
そしてチューニングが終わると、なんの予告もなく突然のように映画の上映が始まった。


今夜の上映される映画のタイトルは 「 Motorcycle Diaries 」 といって、キューバの革命士として今なお人気が高い、チェ・ゲバラの若き日を描いたストーリーである。
アルゼンチンを出発して、バイクで南米を旅をする。とても淡々と物語は進むが時折破天荒な行動に出るのはそれは若さ故か、それともそういう時代だったのか、さてはてラテンの血がなせるわざか、いずれにせようらやましくさえ思える。
そうしていろいろな旅を通していろいろな人たちと出会ううちに、おそらく革命に対する意志が芽生えたのだろう。

映画そのものの批評は、僕の得意とするところではないのでここでは書かないが、個人的にはちょっと長いかなと思いつつも見終わったときは満足感があった。
長いな、と思ったのはおそらく野外で見ていておしりが痛くなったからではないかと思うのだが。

映画の中で面白いなと思うシーンがあった。この映画はスペイン語で話され、英語の字幕が表示されていたのだが、一部字幕が表示されないシーンがあった。
それはペルーのマチュピチュだったかリマのどちらかだったと思うが、現地の人たちと車座になってチェ・ゲバラ ( 当時はまだエルネストと呼ばれていたが ) が葉っぱをカムシーンである。
おそらくはこれはコカの葉なのだろう。よく知られているとおりこれから麻薬のコカインが作られるので、字幕で表示することは許可されなかったのかと思われる。
英語の字幕が表示されるより先に、スペイン語の会話が聞こえてくるところでたくさんの観客が笑い声をあげていたので、この日はスペイン語を理解できる人が多かったようだが、そういう人たちはオリジナルの音声でこの部分を理解できたに違いない。、


僕はこれまでにも Bryant Park の映画祭に行ったことがあるがこちらは人が多すぎる上、周りの人の会話がうるさすぎて映画の内容を何一つも理解できなかったのだが、それに比べるとこちらはゆっくり楽しむことができた。ときおりパトカーがサイレンをけたたましく鳴らして通り過ぎたりするものの、それはレジデンスエリアならではの街の騒音である。
パトカーのサイレンのほかにもう一つ、僕らの気をそらすものがあった。
それは蛍である。

ちょうど映画の上映が始まった頃、夜のとばりが降りてきて、これでやっと字幕が読みやすくなるぞというころになってあちこちでふわ、ふわっと光っては消える蛍が飛んでいた。こんなイベントでもなければきっと都会の蛍には気がつかなかったかも知れない。
New York では金を払えば豪華な夜はいくらでも過ごせるが、逆に1セントもかけずに豊かな時間を過ごすこともできる。いつも高いお金を払ってばかりいないで、たまにはこんなスローな夜を過ごしてみてはどうだろう。


タイトルには「蛍と・・・」などとかっこよく書いてみたものの、East River のすぐ横で開催されるせいか蛍だけでなく蚊もたくさんいる。
特にアルコールを飲むと体温が上がって刺されやすくなるので、虫除けスプレーを忘れずに。

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2006年05月08日

水中滞在期間1週間

ここしばらく様々なことがあったので、そのことをブログで書こうと思っていたのだが、今日はひとまずそれらをおいといて昨日、日曜日のイベントを紹介しておこう。

New York では街の至る所でパフォーマンスが行われていて、よほどのことでは驚かない New Yorker もこのイベントにはさすがにびっくりしたようだ。それは一人のマジシャンが公の場所で挑戦している、長期水中滞在のパフォーマンスである。


もともとネットワーク局のどこかの予告編をテレビで見たのだが、David Blaine というマジシャンが大衆の面前で巨大な水槽タンクの中に入り、呼吸のためのパイプ一本だけが口につながった状態で1週間暮らすというものである。
試みが始まった5/1より、ローカルテレビ局のニュースでも毎日の様にその様子が取り上げられていたのだが、どうやらこの話題は太平洋を越え、日本まで伝わったようだ。、


いろいろ調べてみると、以前にはロンドンで空中に吊られたガラス張りの箱の中で44日間過ごしたこともあったようだ。他にも人間の限界に挑むようなチャレンジ、それもちょっと変わった内容のものを何度か取り上げて、パフォーマンスとして見せている。
この David Blaine と言う人、実は Brooklyn 生まれの生粋の New Yorker で、父親は Puerto Rican、母親は Jewish / Russian という生まれながらにして人種のるつぼのようである。

今回そのイベントは、オペラで有名な格調高き ( ? ) あの Lincoln center の野外スペースで行われているという。せっかくの連休なのでこの日曜日に友達を誘って行って見ることにした。

地下鉄を出て Lincoln Center の近くまで来ると、たくさんの人たちが広場からあふれ出している。早速広角レンズをセットして撮ったのがこの写真である。
テレビクルーやドキュメンタリーフィルムを撮る人たちが専用のステージで撮影している傍ら、日本からも日本テレビのクルーがやってきてアメリカの報道陣に負けずと取材をしているのが見えた。
この写真では遠くの方に見えるブルーの筐体が、David Blaine のいる水槽である。
見に来ている人は、もちろん冷やかしも多いのだが、意外とプラカードなどを用意して応援している人も多かった。こういう一風変わったパフォーマンスは New York だからこそ受け入れられるのかもしれない。


水槽の中はそれほど広くないので、David Blaine は時々位置を変えて観客に手を振っているところぐらいしか見られない。とすると写真はどれも似たようなものになってしまうのだが、せっかくなので数多く撮った写真の中からいくつかセレクトしたものを下に紹介することにしよう。



▲ テレビクルーやライティング、それに彼の健康状態をチェックしているアシスタントなど、たくさんの人がこのイベントに携わっているようだ。テレビ中継のカメラはあちこちに設置されていた。


▲ David Blaine の素顔。こうやって時々マスクとレギュレータを外してはしばらくそのままにしている。最終日の水中滞在時間の記録挑戦に慣れるべく特訓中なのかもしれない。


▲ 水槽タンクの外側にいる人の声はスピーカーを通すことで水槽の中の David Blaine にも聞こえているのだが、彼からは声を発せないので、コミュニケーションを取るときはこんな風にスキューバダイビングで使う、手書きボードを使用する。


▲ Loncoln Center 前の広場にはたくさんの人が行列に並んでいるのだが、それはこうやって David Blaine がファンサービスをしてくれるからのようだ。


▲ 時間をおいて夜にLincoln Center に戻った時に撮ったもの。手前右側にいる人は、ずっとこの水槽タンクから離れないので、David Blaine チームのスタッフなのだろう。
そのスタッフ、決して背が低いワケではないのだが、David Blaine と並んでいるとどうしても小さく見える。逆に David Blaine が巨人に見えるのは、水がレンズの役目を果たしているからなのだろう。


下に紹介した公式サイトや、ここの写真を見ると手は完全にふやけてしまっていて、爪の色なども完全に変色している。
なんだか本当に大丈夫なのか心配だが、本人は事前にリハーサルをしているはずだ。みんなが気になる「食事」と「トイレ」だが、これは別のパイプが用意されるらしい。
僕らが見ていた数十分の間は一度もそのパイプが使われることは無かったが、一体どんな風に摂取と排出をしているのか気になるところである ( え、気にしたくない? )。もちろん同じパイプで行うわけはなく、またいくらなんでも衆人環視のもと、透明なパイプで行うワケはないと思うが、この水槽タンクの下部に、二つの大きなアウトレットがあり、そこに外から大きなパイプが設置されているのが見えた。おそらく必要なときに David Blaine が中から管を引きだして、使用するのでは無いかと思うのだが。

食事とトイレの他に気になったのは睡眠である。
深夜は見に行かなかったので、もしかしたらライトは消され、タンクには布がかかるのかもしれない ( 現に日中は暑い日差しを避けるべく上に白い布がかかっていた )。それでも口にレギュレータをくわえたまま、果たして人は寝ることができるのだろうか? もしそれが可能なら水の中で寝るのは、まさに 「 ウォーターベッド 」 であり、体には良いのかもしれない ( 笑 )。


さて今日で水に潜って一週間が過ぎた。今日アメリカ東部時間の夜8時に生中継で紹介されることになっている。
せっかく本人を近くで見ることができたのだから、僕もテレビの中継を通して最後まで見守ることにしよう。


公式サイト

http://www.davidblaine.com/

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2006年01月30日

車が遠吠えするとき

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数年前にアメリカで一足先に公開され、すでに DVD も発売されているフランス製アニメーション映画、「 The Triplets of Belleville 」 というのがあるが、きっと知っている人も多いだろう。

僕がこの映画を知ったのは一年か二年前に友達の家でこの DVD を見たからなのだが、フランス語のままアメリカでも吹き替えされることになくそのまま公開された。正確にいうと会話は多少あるのだが、全くといっていいほど会話がわからなくてもその描写のために何を話しているのかが頭の中で想像できてしまう、ある意味すごい映画だ。
そのアニメーションは昔のディズニー風でなければ、日本風でもなく、また最近の CG アニメとはある意味正反対のスタイルだといってもいいかもしれない。デフォルメして描かれた絵のせいでそれはノスタルジックにすら見える。
宮崎アニメとは違った意味でこちらも子供も大人も楽しめるアニメとなっているのだが、その中で特に登場人物の性格がいきいきと伝わってくることが僕が一番この映画の気に入っているところだ。
登場人物?の一匹として犬が登場するのだが、冒頭でこの犬の習癖についてかなりの時間が描写される。そのせいですっかりこの犬のことを全編通して愛らしく感じてしまうのはまさにマジックである。
さてその犬の習癖なのだが、主人公一家 - といっても少年とおばあさん、そしてこの犬だけなのだが - が住んでいる小さな一軒家は鉄道のすぐ横に建てられており、一日何度か列車が通過するたびに犬はそのでかい図体を引きずって鉄道を間近に見ることができる2階に登るのだ。そして列車が轟音をたてて通り過ぎる間、犬も一緒に遠吠えを繰り返す。
うちにも犬がいたが、やはり音楽をならしながら町にやってくる移動販売の軽トラックと一緒に遠吠えをしていたものだ。


さて舞台を New York の、それも現代に移すと実は僕のところでも 「 The Triplets of Belleville 」 さながらの風景が見られるのだ。
とはいってもうちに犬がいるわけではなくて、目の前の地下鉄が通るたびに高架下の車のアラームが誤動作をしてウーウーピーピーガーガーとこれまた遠吠えをするのだ。
本来誰かが車を揺らしたとか、窓ガラスを割ったとか、トランクを開けた、というような時にアラームが動作するものなのだが、おそらく高架を走る地下鉄のせいでその下の道が揺れているのか、これまた地下鉄が発生させる騒音があまりにも大きいため一定の音量で動作してしまうのか謎であるが、地下鉄が通り過ぎるたびに何台かの車のアラームが鳴り響く。
映画と違うのはこちらは New York の地下鉄なので朝から晩まで、24時間走り続けており、しかもラッシュアワーは数分おきにやってくるのでこの車の遠吠えの回数は遙かに多いのだ。

幸いなことに僕の部屋からは地下鉄の騒音は聞こえてもこのアラームは建物が間にあるせいでそれほど気にならない。
加えてアラームは数分鳴ると止まるので角を立てるほどのことでもないのだ。

ちなみに数分でアラームが止まるようになったのは最近のことで、僕が初めて New York の土を踏んだ20年ほど前は、街の騒音に圧倒されたものだ。
東京から来た僕が、警察、救急車のサイレン、そして道に止められた車から止まることなく鳴り続けるアラームに驚いたのだから、昔は如何に New York という街がうるさかったかわかるというものだ。
New York での街の騒音が抑えられるようになったのは現市長ブルームバーグによるところが大きい。かなり厳しい騒音条例のため車のアラームは最大数分に限定されることになったし、最近では移動型アイスクリームのオルゴールが奏でる軽やかな音楽も販売中は鳴らしてはいけないと定められた。
そもそもの案では移動中でもあの音楽を鳴らしてはいけない、というものだったが販売業者の反対 ( とたぶん市民も移動中くらいは良いだろうと反対したのかもしれない ) したことで車を停止したら音楽を止めるという妥協案で一致を見たのだった。
近いうちに NY市では車のアラーム自体が禁止されるだろうという予想がでているが、それはそれでやりすぎなのかもしれない。

少なくとも僕は地下鉄が通るたびに聞こえていた車の遠吠えを懐かしく思い出すに違いない。


さてこの映画のことを調べていておもしろいことに気がついた。アメリカでは公開時のタイトルが 「 The Triplets of Belleville 」 となっていてフランスでは 「 Les Triplettes de Belleville 」 となっている。これだけ見ればアメリカでのタイトルはフランス語の直訳ということがわかる ( Belleville の三つ子姉妹 )。
ところが英国ではこのタイトルが 「 Belleville Rendez-Vous 」 となっているのだった。Belleville の後の言葉が英語でないのはわかったが、はて何だろうと思っていたら、どうやらこれがいわゆる 「 ランデブー 」 ということに気がついた。
はてランデブーというほどロマンチックなデートではないけれど、なぜかこのタイトルの方が映画の雰囲気が合っているようで僕は英国のタイトルの方が気に入った。フランス語がタイトルに活かされているのがその理由かもしれないが。
同じ英語圏でタイトルが違うというのも、おもしろいことである。
まだ見たことがないという人は、是非一度ご覧あれ。

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2005年05月22日

May the Force be with you

何も LA に来てまで映画館に足を運ばなくても・・・と思うのだが、話が「Star Wars」ともなるとちょっと別で、大ファンでなくとも新作は気になる。なんといってもこれで Star Wars の映画は最後になるかと思うと、それだけで「映画館で見ておかなくては」と言う気持ちになってしまう。

人によって Star Wars 度は差があると思うが、僕の場合は「全作映画館で見た」という程度で、うちにはグッズのたぐいは一つも無い。DVD も後半3部作 ( 時代設定はさかのぼっているが ) のうち2つのエピソード分を所有しているくらいだ。
なので前半3部作の細かいストーリーを忘れてしまい、今回の完結編を見た後は友人と足りない記憶を補わないといけないほど。

これまで新作映画といえば金曜日の夜に公開、というパターンが多かったが、スパイダーマンだったか X-MEN だったか、このあたりから公開日が平日に設定されるケースが増えてきた。こうすると公開日3日間だかなんだかの記録が破りやすいのだという。
Star Wars もその例外ではなく、全米で水曜日から木曜日に変わる深夜12時に公開になった。熱烈な Star Wars ファンは各地の映画館に泊まり込みをしたようで、Manhattan でもそんな人たちの様子を見かけた ( New York はまだ肌寒いので中にはテントをストリートに張っている人も。)
公開直後に劇場に足を運ぶと、こういった熱烈なファンたちが各シーンでヤジを入れたり、口笛を吹いたり、拍手をしたりとそれぞれ「熱のこもった応援」をするので僕自身は公開日になんて行かないぞ、と思っていたのが、今来ている LA ですることが無く、夜の部でもチケットが取れると言うことで結局見てしまった。
案の定、ヨーダの活躍や、ダースベイダーが現れるところではかなりの拍手喝采があったが(笑)。
大娯楽作品と評されて、文芸作品ものと一線を画すように批評されるタイプの映画だが、絵空事だからこその難しさがあり想像力と細部に対するこだわりがなければできない映画だと僕は思う。
僕はこの映画から得られる絵空事のワクワク感に惹きつけられているのだと思う。

ところでもともと Star Wars がこの世に現れたとき、全部で9本の映画になる、と聞いた記憶があるのだが、僕の覚え間違いだろうか。
前半3部作のあと後半(くどいようだが、時代設定は過去のものなので、Star Wars 開戦前の時代設定 ) 作品は世の中に出るまでかなり時間がかかり、僕などはもう作成しないんではないかと思っていた。
ところがどっこいちゃんと映画撮影は再開されて、時代設定を過去に戻しての Star Wars Episode I、II、そして今回のIIIが続けて公開された。

商業的に巨額の資本が動いているとはいえ、その時代毎の SFX の最先端技術を用いて、話のクオリティを維持し続けるのはものすごいパワーが必要で、まさにライフワークといっても良いのではないだろうか。
少なくとも僕は10年以上にもわたって一つの事に取り組んだことが無いので、どのくらい大変なのかは予想もつかない。

悪の権化として描かれながらもダースベイダーがこれほどまでたくさんの人を魅了してきたのか、その理由は今回の作品を見るとわかるのではないだろうか。
そういう意味では悲しい映画であるし、これで Star Wars が終わってしまうという事実もセンチメンタルである。
( LA にて )

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2005年02月13日

ミリオンものゲートとカメラと人と

よほどのことじゃ動じない New Yorker たが今回は見る者の度肝を抜いた。
今月12日、Central Park 全体がサフラン色に輝いた。

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制作 : Christo and Jeanne-Claude 夫妻
タイトル : The Gate

Central Park 全体をアート会場と見立て、New York 歴史上最大のパブリックアートが開催されているのだ。
New York はもともと街中にパブリックアートが多い都市でもあるし、特別プロジェクトとして NYC Cow Parade なども記憶に新しい。
今回も New York を舞台にしたパブリックアートの1つなのだが、舞台は Central Park のみで、しかもその表現は無数ものゲート、それも公園の中に自然には存在しないような明るいオレンジ色の旗が翻る大きなゲートが公園内の歩道にくまなく設置されたのだ。

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もちろん市民に内緒で準備していた、というわけではなく公園の中には早くからゲートを設置するための鉄製の土台が1~2メートルおきに配置され、散策する人が躓いて転ばないようにブラスチック製の赤いスティックが注意を促していたので、一ヶ月くらい前から気が着いていた人も多い。
またこれだけの数のゲートとそのゲート1つずつに取り付けられるオレンジ色の旗を作成するには時間がかかり、この様子はニュースでも取り上げられていた。
公園内のあらゆる場所に設置されるとあってこの準備は Manhattan では出来ず、Queens の僕の近所の巨大スペースを借りて作業しているということだった。

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12日当日、昼過ぎに Central Park に到着。曇天。
青空の方がオレンジとの対比が面白そうだが、低くたれ込めた曇り空の下でもオレンジ色は意外によく映える。
もちろんこの日が初日と言うことを知っていたので僕もいつものカメラに、広角と望遠レンズを持ち出して行ったのだが、地下鉄駅から地上に出て驚いた。冬の灰色した公園がまるでオレンジ色の花を咲かせているか、公園自体が花壇の様にも見えた。

もう一つ驚いたのは一度にこれだけ沢山の人が Central Park にいたのも見たことがなかった。
僕もその1人だから何とも言えないが、ほとんどの歩道を人が埋め尽くし、彼らの手や首からはデジタルカメラがかかっていた。

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もちろん大半の人は家族や友人と連れだってアートを見に来ているのだが、いつもと違ってこの日はフォトグラファーの人たちも多く、公園の中で撮影をしているといろいろな人と話が出来た。
僕などは「300mmなんて望遠使わないだろう」と望遠レンズは EF70-200mm ズームを持って行ったのだが、話をした写真家の1人は400mmのレンズを持ってじっくりと三脚に据えて写真を撮っていた。
背中に背負った鞄には「FRA → JFK 」と航空機タグが着いたままだ。「ドイツから来たの?」と訪ねると、僕よりも Thick なアクセントそのままに ( 恐らくドイツ人なまりなのだろう )、この Claude 夫妻 のアートの写真を撮るためだけに New York を訪れているのだという。

この夫妻の名前を聞いてピンと来た人もいるかも知れない、実は何年も前に日本でも彼らはパブリックアートを行った。確かこのときのタイトルは「 Umbrellas 」だったのではないかと記憶している。
他にも友人から指摘されて思い出したのだが、彼らは、米マイアミ沖に浮かぶ小さな島のいくつかを舞台に、海岸に大きなピンクの記事を浮かべ、上空から見ると島がピンクの珊瑚礁に囲まれているかのように見える大きなプロジェクトをやり遂げたこともある。

フランクフルトから来たこの写真家は「彼らの作品を実際にこの場で見られてとても幸運だと思う」と言っていたが、外国からこのアートを見に来ていたのは彼だけではなかったようだ。
400mmのレンズを携え ( 他にもいくつ持ってきたようだが) 、New York 入りした彼の意気込みを感じて、「パブリックアートだから、このレンズでいいかな」などと安直に判断した自分がちょっと情けなかった。

こうして夫妻の手により実現したプロジェクトが、また別のアーチスト達によって異なる次元のアートに昇華していくところが、パブリックアートのよいところでもあるのだろう。
こうして見に来ている人も写真を撮りに来ている人も知らず知らずのうちに自分がパブリックアートに参加してることになるのだ。

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これだけの規模のプロジェクトなので、のべ距離やいくつのゲートがあるか、なんてのは体感するためのアートとしてはあまり関係のない話なのだろう。それでも沢山の人が尋ねるとあって公園内にボランティアが設置した臨時案内所にはこう書かれていた。

のべ距離 23マイル ( 約36.8km )
ゲート数 7500

国や市、企業からの縛りを受けたくない、という彼らの想い「 Freedom 」がこのパブリックアートの根底にあるとのことで、こういった団体からの支援は全く受けていないのだそうだ。それでいて制作費用は2100万ドル、つまり20億円ほどかかっているのだから個人のパトロンが沢山いるということなのだろうか。
構想~交渉は26年もかかって実現したこのプロジェクト、当初は NY 市も不許可にしたらしい。それからさらに10年以上経ち、現 NY 市長と夫妻が個人的にも親しいことから話がトントン拍子に進み、実現にこぎ着けられた、とのことだった。




この日、気が着くと10人以上もの見知らぬ人たちと会話をしていた。
ほとんどは地元、New York に住んでいる人たちだったけれど、ここに来て自分の目で見るまではこのアートが公園にふさわしく無い、と感じていた人が多かった。ところが来てみて自分の考えが間違いだった、と口々に言う。ある人は「 この色は Zen の色。これは Zen への沢山の門なのよ」と言い、ある人は「最初はこれだけのお金をかけると聞いて馬鹿らしいと思ったけど、来てみてそう思ったのが恥ずかしい」という人も。

皆これだけの大きさのアートを目の前にして、何か自分の気持ちを伝えねば気が済まないかのようだった。独り言を話すようにしてつぶやくとすぐ隣の人がコメントを返す、するとまた別の人が話に入ってくる・・そんな風景があちこちで見かけられた。
それまで見知らぬ市民同士がたまたまそこに居合わせたことでコミュニケーションが始まる・・・もちろんこんなミラクルが起こることは Claude 夫妻はお見通しだろう。
「ここに来る人のマインドを大きくしたい」
そんなことを夫妻が話していたのをどこかで耳にしたが、1人1人がいろいろな形で受け止め、人と人が交わりあって新しい考えが生まれていく・・・まさに人々のマインドがどんどん広がっていく様子を僕も目の当たりに出来た。

上にも書いたように僕自身がパブリックアートに参加するために、僕もこのブログで紹介することでわずかながら尽力に勤めることにした。

会期はとても短く16日間のみである。一度見たからいいや、などと思わず僕も何度か出かけてせっかくの機会を享受したい。

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夕方、帰宅途中に地下鉄を待っていた高架駅で、真っ正面に不思議な夕焼けが見えた。
僕にはこれが「 The Gate 」と同期しているように見えて仕方が無かった。

Christo and Jeanne-Claude

The Gate 公式サイト
http://www.christojeanneclaude.net/tg.html

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2004年05月24日

American Idol

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今、アメリカで老若男女注目している番組というと、「 American Idol 」 ( FOX TV ) だろう。
簡単に言うと日本でもかつて放送されていた「スター誕生」なんだが、その規模といい注目度は桁外れにデカイ。

現在はちょうど第3回目、つまり過去に2人の優勝者がいてすでにアルバムも出すほど人気も定着しているんだが、明日がこの第3回目のフィナーレとなっている。
今回の応募者数はちょっと失念したが、前回は5万人の応募があった。スター誕生と違って American Idol が人気を得ている理由は、そのアイドル選出方法にある。
何万人もの応募者の中から、まず12人が選ばれる。番組はその途中経過も放映していて、その12人に選ばれなかった人ですら、ひょんな事から人気者になったりするのだ ( そのエピソードはあとに書こう )。

正式に12人が選ばれるとその後は毎週火曜日と水曜日のプライムタイム ( !!! ) に FOX テレビが一時間ずつ American Idol という番組を全米に放送するのだ。主に火曜日は彼らコンテススタントの歌や才能を紹介し、番組直後から市民tから携帯のショートメッセージ ( アメリカでは テキストメッセージと呼ぶ ) と電話で投票を受け付ける。
そして翌日水曜日の番組で前日のパフォーマンスをもとに国民投票の結果に応じて毎週1人がオーディションを去っていかなければならない、という方法なのだ。

番組には3人のレギュラージャッジがおり、週によってはゲストジャッジが加わる。これまでにもバリー・マニロウ、エルトン・ジョン、タランティーノ監督などが番組に参加している。
レギュラージャッジの中にはあの Paula Abdul までいて、彼女がデビューした頃の CD を持っている僕としては懐かしさ一杯だ。

面白いのはその審判方法で、番組の中でジャッジはかなり辛辣なコメントを言うのだが ( 特に Simon )、彼らの言葉はテレビを見ている人や会場にいる人たちへの影響はあるものの、最終的に翌週に誰が進めるか、そしてそして今週落選する1人は誰か、といったことを決めるのは国民なのだ。その点が American Idol となっているゆえんなのだろう。

ちなみに日本のスタ誕とコンセプトが大きく違うのは、American Idol はかわいこちゃんアイドルではなく、実力派シンガーを育てる番組だと言うこと。なので Britney とか Cristina 風の子は残念ながらいない。
また国民だれもが参加できるということで弊害もある。ジャッジがそのコンテスタントの実力を認めても、これまで何度も国民投票の結果、会場をあとにした人がいることだ。中には人種的な差別もあると聞く ( 実際、今回の American Idol では黒人3人の女性が優勝候補と言われていたが、最後の5人くらい選ばれたあたりから、ぽつぽつと落ちていき、彼女たちほど歌が上手くない非黒人のシンガーが残ったことで、FOX テレビを始め他の番組が取りあげるほど、社会現象になっている )

さて彼らの歌がどれだけ上手いかは、下に紹介した公式サイトのビデオを見て欲しい。
「Photos & Videos」を選び、「Performances」「Contestants」「Semi-Finals」の項目から1人ずつ選ぶと動画ウィンドウが開いて見ることが出来るはずだ。

10週以上にも渡って放送されるこの番組は生放送が売りもので、その分歌や踊りのセンスなどもシビアに要求される。しかも毎週歌のテーマが変わって、R&Bだったりグロリア・エステファンの歌だったりと多岐に渡る。その分得意不得意がよく分かるようになっている。

さて実力派だけがスターになるかというと、実はそうでもなくて、おもいっきり外しているからこそ人気を博してしまうケースも多い。それが William Hung だ。彼が歌って踊った Ricky Martin の「 She Bangs! 」は予選の段階でけちょんけちょんにけなされたが、それがテレビで放映されるやいなや、あの妙なアジア男は誰だ、ということで引っ張りだこになり、とうとう CD は出すは、テレビにでるは、コンサートやFM ラジオにまでやってしまうほどになった。
その彼のおもしろ可笑しいパフォーマンスも下の公式サイトから「Photos & Videos」を選び、そこから「Favorites」の中の Will Hung をクリックすることで見ることが出来る。

さて既に第4回目の準備も着々と進んでいるようで、既にオーディションに応募している人もいるようだ。今回テレビで放映している第3回のオーディションが New York で開かれたとき ( 他の都市でも同時に開催されていたのかは不明 )、たまたまその前日車で West Side Highway を運転していた。日本で言うところの幕張メッセにあたる、Jacob Javits Center の近くを通ると車が突然渋滞している。それはオーディションに参加する人たちが何日も前から広大な敷地の周りを取り囲む様にして寝泊まりしている人たちがいたためだった。車が通るたび、コンクリートの歩道に座った少年少女達がわーわーと騒ぐ。運転手もそれに合わせてクラクションを鳴らして、一種のお祭り状態だった。

第4回のオーディションももう始まっているのかと公式サイトを見てみると、なんと American Idol ソフトウェアキットなるものがオンラインと Bestbuy、Target などの大型スーパーで売られており、これを PC にインストールすることでカラオケ、録音、編集、そして American Idol 専用のサーバにアップロードしてオーディションに参加できるというものなのだ。
実際にその応募者の歌も今から聴けるようになっている。採点も出来るので、興味がある人は是非聞いてみるといいかもしれない。
12人の最終メンバーに残った人たちはさすがに歌もうまいが、このオンラインオーディションサイトで聞くことの出来る歌は、はっきり言ってオンチが多い(笑) そんなところになぜかほっとしたりする。

American Idol 公式サイト
http://www.idolonfox.com

ここで過去のエピソードや名物シーンがビデオで見られる。またグッズ販売、はたまたオーディション応募用のソフトまで購入できる。

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2004年05月11日

映画の街、New York

Manhattan 内で友達と hangout するときはたいてい地下鉄を使って行くことが多いが、その一方で車で出かけることもよくある。24時間サービスの地下鉄ではあるが、それでも週末の深夜ともなると20分、30分に一本となることも珍しくなく、また僕がカメラを持って出かけることがあるので、車があればその中に荷物をおいて出かけることなどが出来るからだ ( 車上荒らしはどこでもあるので、実際にあったら自分の責任だが、どうしても荷物を置かないといけないときは人通りが多いところならばあまり発生しない・・・というのが僕の持論。郊外の方が却って怒りやすいかも )。

ところで Manhattan 内での駐車は有料駐車場の預けず、路上駐車やパーキングメーターのあるところに場所を見つけようとすると、場所と時間によっては至難の業だ。しかも各ストリート毎に曜日、時間制限、車種制限の記述があってこれがなかなか複雑なのだ。
「月曜日-金曜日8AMより8PMまで駐車禁止。ただし荷物の積み卸しはのぞく。土曜日と日曜日は除く」てのがまず基本でこれにいろいろいな例外を知らせる案内が上や下にぺたぺたと貼られていたりするのだ。もうそこまで来ると「いいよ、ここは」と別の場所探すか、逆に「駐車違反切符を切られてもいいや」と開き直ってしまうぐらいだ。

ところで各ストリートごとにたっている案内板による駐車ルールの他、臨時に張り紙がされているかとも多い。下がその紙だ。

pinkpanther.jpg

よくあるのは「パレード」や「デモ」の予定が入っているときで、こういうときは週末駐車可能な場所にあっても一切車の立ち入りができなくなる。
その次くらいに見られるのが、上で紹介したような映画の撮影現場として使用されるため、制限するというもの。

この NYPD の通知書によると「5/9日曜日までに車を移動しなさい」とあり、引き続き「実施者 MGM Pictures」となっている。つまりあの大手の映画会社だ。何の映画を撮るのかについてもその下に書かれていて、どうやら「Pink Panther」の新作のようだ ( すでに制作中という情報は流れていた )。
僕がまだ高校生だった頃、実車とアニメを組み合わせたこの映画を見たことがあるが、今回も CG またはアニメと実車の合成のようだ。
このあたり、変哲もない薄汚いストリートだったが、僕も写真を撮っていたくらいだから、映画撮影の人も同じような目的で使うのかもしれない ( つまり普通の小汚い裏道として )。

映画の街、というはハリウッドが頭に浮かぶが、Manhattan もさしずめ映画の街といえるだろう。Manhattan 自体がそれほど大きくないのに対して、やはり Manhattan を舞台にした物語が多いので、ちょっと歩けばあちこちで映画やテレビドラマの撮影にぶつかる、といった感じだ。

そういえば、一度もまだ参加していないが、この時期は Tribecca でロバート・テ・ニーロらが提唱して始まった Film Festival も行われている。こちらは今回でまだ第3回目で、批評家達は「カンヌやサンダンスに比べて未熟」と厳しいが、少しずつ良質な映画が生まれているという話だ。単に映画の舞台として使われるだけでなく、映画製作が New York の人たちによって行われるようになると、もっと魅力的な映画が生まれるかもしれない。

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2004年01月20日

映画「 Torque 」

この金曜日から、全米で一斉公開の始まった映画「 Torque 」を早速見てきた。

torque.jpg

といっても公開日に見たわけではなくて、Screening ( 試写会 ) に行ってきたのだ。

アメリカではたいていの新作が金曜日から封切りになるのだが、Screening はその公開が予定されている週の月曜日、つまり4日前のことだった。
月曜日いつものように仕事をしていると僕の携帯が鳴った。友達からの電話で、「 今晩、Screening があるんだけど一緒に行かない? 映画は『とーく』なんだけど」という。
誘ってくれた友達が「ほら、あの『とーく』だよ!」というのだが、この「とーく」が「 Torque 」だとは頭の中で結びつかなかった。というのも最近映画館に行ってなかったので、予告編を見ておらずこんな映画が公開予定だと言うことも知らなかったのだ。
なんでも職場の友達のところに試写会のチケットがよく送られてくるのだが、その彼女が好きなタイプの映画ではないとのこと。そこで僕におさがりがまわってきたらしい。

試写は19:00からで、場所は32nd street と 2nd Avenue にある映画館らしい。これなら仕事を終えてからでも間に合うな、と二つ返事でOKした。

地下鉄に乗り換えて行くにはちょっと不便なところだったので、仕事のあと車でかけつけたのだが、この時点でもう19時10分前。まだ余裕だと思っていたら、この付近はすべてパーキングメーターが設置されていて、それが上限1時間なのだ。
せめて映画館のまわりぐらいパーキングメーターは2時間にすべきだと悪態をつきながらも2ブロック離れたところになんとか駐車、走って映画館に向かう。
それでも19時を5分ほどまわってしまったが、僕が一緒に入らないとこの友人も中にはいれないということで外で待っていてくれた。

考えてみるとアメリカで試写会を見たのははじめてだ。
いつも映画を見るときと違うのは、入り口にタキシードを着た係員がたくさんいて、手荷物のチェックをしていたことくらい。僕はノートパソコンが入ったバックパックを持っていたのだが、なぜか僕はそのまま素通り。

多少遅れたが、映画は僕らが中に入った頃ちょうど始まった。普通だと15分ほど予告編の時間があるのだか、今日はすぐに映画が始まった。
ざっと見渡すと席は90%ほど埋まっていて、空いている席を見つけるのがなかなか大変。
よほど混んでいる映画でも無い限り、New York では隣のグループと席を一つ空けて座る人が多いので、それもあってか2人分の席を見つけるのがなかなか大変だった。

で映画の内容は一言で言うと「 Fast And Furious 」のバイク版、ということにつきる。( 邦題は『ワイルドスピード』 だったっけ? )
麻薬、FBI、バイクレースというキーワードだけでなんとなくストーリーが読めてしまうのが残念なところだが、映像はさすがとうなってしまう。
と思ったら、監督は「 XXX 」の監督ではないか。しかもこの人は 「 Fast and Furious 」の続編、「2 Fast 2 Furious 」のメガホンもとっている。
が感心したのは単に小道具を車からバイクにしただけでなく、バイクの振動やバイクの視点からみた撮影手法を採っていて車とは違う体感映画に仕立てていることだ。

もう一つ気が付いたのは主役の俳優。ちょうど「 The Ring 」がケーブルテレビやっていたのを見たのだが、あの中でアメリカ版貞子ののろいを受けて死んでしまう、Naomi Watts の元彼役の俳優なのだ。
確かニュージーランド出身の俳優で、「 The Ring 」でもアメリカなまりの英語を話さないといけなかったんだ、と言っていたのを覚えていたが、どうやらすっかりハリウッドに認められたらしい。この映画でもアメリカ人以上にアメリカ人を演じているといえるかも。
それと見所は Ice Cube が出ていることか。
彼も LL Cool J の様にミュージックシーンのみならず映画での活躍がさかんだ。
顔つきや音楽のイメージから役所は似たものが多いが、俳優としては結構好きだったりする。
前に出ていた「 Barber Shop 」なんかいい雰囲気出していると思うんだけど。好評だったのかは知らないけれど、「 Barber Shop 2 」の公開も来月予定されている。

でこの映画は買いか?
こういった単純明快でハッピーエンドのハリウッド映画というのも見続けると飽きるもので、ときには馬鹿らしくて映画館にお金を払ってみるのもなんだかもったいない、と思うときがある。
がよく考えてみると DVD を買ってまで見るのはもっともったいないような気がするのと、この種の映画を見るならやはり大画面で多重スピーカーを備えている大型映画館がベスト、ということになるんじゃないだろうか。

余談だが、映画が終わって明るくなって周りの人たちを見ると、来ているのはやはり African American や Hispanic の人が多い。
通常の映画の公開ならよくわかるんだが、これは試写会なのだ。映画の内容が内容だから、とも言えるが白人の姿はほとんど見かけなかった。
僕を誘ってくれた友達も Puerto Rican だし、このチケットを譲ってくれたのも黒人の女友達 ( 彼女は Screening チケットがよく手にはいるらしい ) なのだが、これはやっぱりネットワーク、つまりコネなんだろうね。コンサートやクラブなんかのチケットを入手するのも、やはり彼らのネットワークが強い。映画を見終わったあと妙なことに感心してしまった。

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