
昔からどこか危なげなものに人は惹きつけられてきた。
New York という街が魅力的なのはやはり一風変わった人たちが多いからであろう。
もちろん New York に住むほとんどの人が変人というわけではないのだが、エンターテイメントやアートの分野で活躍する人が多いこの街では、やはりユニークな人々の存在が大きく目立つ。
「成功するためには他人と変わっていないといけない」
そう思い込んで、無理に自分を繕っているいるような輩も中にはいるのだが、そう簡単にユニークな存在に成れるものではないだろう。そもそもうわべだけ取り繕っても中身はそう簡単に変わるものではないからである。
さらにいえば常識を持ち合わせた普通の人でも成功している人は多いので、変人は必須条件ではないのだが、自分の目指す道が見えている人は自分のスタイルというのも確立しているので、僕ら凡人の目には強い個性の持ち主と映るのだろう。
くたびれた商用ビルの戸口にテナント募集の案内があった。
オーナーはどうやら Crazy な人らしいがこんな風に自称しているところを見ると実際は案外まともな人かもしれない。
果たしてこのオーナーは Crazy なテナントを求めているのだろうか。
この街は常にワンダーランドなのである。

Crazyへの憧憬がそうさせるのか、そもそもCrazyなのかわからない。
けれどこういうセンスが何故か気持ちを和らげてくれる。
たまたま酒場で出会った、
経歴自慢をしてくる"見知らぬ"同僚のしつこさに一種の狂気を感じたが、
久しぶりにここへ来て、
感じたそれは彼らの狂気なのではなく哀れさではなかったか、と気がついた。
そもそもこのセンスを発動させるチャンスを作り出せなくなってしまった、
ということなのだから。
H'ndAさん、こんにちは。
世の中、変わったものや人がいなかったらどんなにつまらないことか。
ユニークなものがあるからバランスが取れているのでしょう。
統制された社会は生きていてもつまらないに違いない。
経歴自慢のその人もある意味まっとうなひとかもしれませんね。