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2007年05月07日

地下鉄のフシギ

つい先日、といっても一週間ほど前のことになるが、少々不思議な体験をした。

New York での生活が長くなるにつれ、さほどのことでは驚かなくなっており、ときおりそんな自分に気付き、それほどまでに無関心か鈍感になったのかと驚いたこともあったが、最近それすら驚かなくなってきている ( ちょっと話がややこしい )。

その不思議な体験は、地下鉄で起きた。

Manhattan での一仕事を終え、自宅に向かう Subway N ラインに乗って帰宅しようとホームで Uptown 行きの電車がやってくるのを待っていた。Union Sq.駅のことである。

夕方の混み合う時間ではあったが、東京の通勤列車がそうであるように、こちらでも夕方の電車は朝ほど混まない。帰宅せずにどこかに立ち寄る人もいるから、分散しているのだろう。
その割には本数も多いのでたいてい空席があるか、数駅乗っていればすぐに空席ができるほどである。たまたま前の電車と運行間隔が空いたときなどは異常に混むこともあるが、朝に比べると夕方はそれほど遅れることがない。

ところがこの日はちょっと事情が違った。


ホームで待っていたときにはすぐ近くに7~8人の人がいたから、一つ前の電車が発ってから少なくとも数分は経っていたのではないかと思う。
ほどなくして地下鉄が風を切って入ってきたのだが、その速度が遅くなるにつれ通り過ぎる車窓から中の様子が目に入ってきた。
そうやってパッと認識できた前の車両にはそこそこ人が立っており、少しばかり混雑しているのがわかった。

そうして完全に地下鉄が停止したのだが、僕はちょうど止まった車両の真ん中あたりに経っていた。
New York の地下鉄は日本のそれと違ってドアの前に線など引かれておらず、どこに止まるかは毎回ずれがある。がその日は僕の目の前に扉がやってきた。
電車が止まったあと扉が開くまでの微妙な一瞬に車内の様子が見えたのだが、降りる人は誰もいないようだ。
扉が開いて車内に入ったのだが、妙なことに無人の車両だったのである。
実はそのことに気がついたのは最初地下鉄に最初の一歩を踏み込んだときで、どの椅子に座ろうかなと左右を見渡した際にだれも地下鉄にいないことになんだか変な胸騒ぎを感じたのだ。
そうして今度は前後車両を連結ドア越しに見ると、どちらも人が立っているのが見える。それは乗り降りする人だったのかもしれないが、それに引き替えこちらは最初から無人で、僕が座った頃に数人の人が入ってきただけで、彼らも不思議そうに車内を見ている。

始発でもないのにその車両だけ人が少ないのには理由がある。
日本だと酔っぱらいの落とし物なんかでそこだけ人がいなくなるのと同じように、こちらでもホームレスの人がかなりきつい匂いを発しているとその車両から移動する人がいる。
また真夏の暑い日にその車両だけエアコンが壊れている、なんてことがあったりして、移動していく人もいる。
がどちらにせよ全員が移動してしまうことは少なく、しかも今回はそのどちらにも当てはまりそうにない。


次々と乗り込んだ客はお互い言葉は交わさずとも、「 なんか不思議だね 」 と目で会話しているかのように目線を交わしていた。がどこからともなく感じるその不思議な空気は別の所にもあり、僕らの視線は下に向かった。

僕の目の前の長椅子に座った乗客の左側に、分厚いハードカバーの本があった。と思ったら目の前の人も僕の右側を見ている。その視線に気がついてみるとここにも本が置いてあり、彼はそのタイトルを読もうとしていたようだった。気がつくと車内の長椅子のすべてに本が置いてあり、その車両に入ってきた総勢5人は 「 これはなんだろう? 」 と独り言にも似たような言葉を口にして、それぞれ本を手元に取ってパラパラとめくり始めた。

置いてあったのは書籍だけで、雑誌はなく、またその本はすべてバラバラだ。タイトルも作者も関係無いようで、僕が手にした本は全く汚れてはいないものの、誰かが読んだ後が感じられるような本だったので、中古書のようだった。


誰も乗っていなかった車両に、本が置いてある椅子・・・と来ればどこかにカメラかなにか仕掛けてあり、僕らの反応をビデオに撮っているんじゃないかなどと変に勘ぐってしまったが、当然カメラらしいものはどこにも見あたらない。


実はこのことが起きるちょっと前に新聞に面白い記事が載っており、それとどこか似ていると思った。
斜め読みだったので細かい所は記憶が不確かなのだが、たしか Brooklyn を出発した地下鉄で、アーチスト一団が乗り込み、地下鉄車内を家庭のリビングルームさながらに飾り付けをした、というものである。
窓にはフレームをつけたり、広告が貼られる壁にもフレームをつけたり名画に張り替えたりと、かなり本格的なものだったようだ。
ここが New York らしいのだが、途中警官だったかMTA職員が見かけたにもかかわらず、特に注意をうけるでもなく完成させることができたらしい。

その後のMTAのコメントも割と寛大なもので 「 面白い試みだが、安全上の理由で取り付けたものは撤去せざるを得ない 」 というようなものでなかったっけ?


そんなニュースを読んだばかりだったので、これも何かの試みではないかと思うのだが、どんな意図だったのかは、結局僕にはわからなかった。もしかしたら一週間遅れのサン・ジョルディを企画した一団の仕業だったのかもしれない。
( サン・ジョルディに関しては知人が書いているココが詳しい )
いずれにせよ、真相はわからない方がこういう事は面白いものである。あまり詮索をしてもつまらない。


せわしない都会ではお互いに非礼をなんとも思わなくなることが多く、それだけにこんなことが余計にほっとさせられるのではないだろうか。

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2007年02月26日

水でも、ダイエットコークでも飲み方が肝心

最近、身の回りのことをブログに書き記す機会もだいぶ減ってしまい、本来の近況報告的な意味で始めたはずが機能していない。
それでもひとまず元気でやっていることを表すためにも、三面記事的なブログでお茶を濁しておく。

何事も過ぎたるは及ばざるがごとしと言う言葉があるが、それをまさに実感したのが先日アメリカで流れたニュースである。
Nintendo Wii を商品した水飲みコンテストを開いたところがあり、それに参戦した女性がH2O中毒だったかでコンテストの数時間後に死亡した。


ときおり、ニュースで 「 赤ワインは○○予防に効くらしい 」 とか 「 コーヒーは××を抑制する効果がある 」 などという話を耳にするが、さすがに誰だってそればかり飲んでいたら体に悪いことはよくわかる。けれども水であれば飲み過ぎでも体に悪いことが起きるとは信じがたい。しかも人間が挑戦しようして一度に飲める量ぐらいで致死量になるとはにわかには信じられなかった。

水の飲み過ぎで死ぬこともあるのだから、ダイエットコークにだってもちろん死角はある。
これのおかげで却って飲む量が増えているのではないかという疑惑もある、ダイエットコークだがやはりアメリカではダイエットのいいわけにこれを飲んでいるアメリカ人は多い。
そのダイエットコークが意外なものと組み合わせるともっと危険な飲み物になるようだ。

タイトルにあるように、ここで使われているのは日本でもおなじみのメントスである。どちらもコンビニストアなんかで気軽に手に入る組み合わせである。

もうちょっと探してみたがコカコーラ・クラシックで同様の試みをしている人の動画はアップされていなかったので、おそらくダイエットコークで使われている人工甘味料が関係しているのではないかと思われる。
この動画でわかるように、かなりの威力であるから、これを飲むのは危険なはずである。

・・・と思ったらやっぱり挑戦している人たちもいた。



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2007年02月13日

金の斧、ダイヤの指輪

毎日のように車を運転する人は、他人が運転する車に乗るのが怖い、という話をよく聞く。

なるほどブレーキのタイミングとかどのくらいの速度で交差点に入っていくかの違いに個人差があり、普段から運転する人はそれが体になじんでいるからなのだろう。

僕の場合、運転しない人からもそう言われることがあるので、それだけ僕の運転は乱暴だということなのだろう。
ハンドルを握ると人が変わる、という表現があるが、確かにそういわれればそうなのかもしれない。自分で自分の運転にゆとりがないな、というのがわかっているだけに始末が悪い。

運転が乱暴なことを他人のせいにするつもりはないが、昔はこんなに悪態をつきながら運転することもなかった。
思えば New York に来てからではないかと思うのだが、たまに乗るタクシーでそのことをつくづく感じてしまう。
個人的に、というわけではないがやはり Manhattan 内で運転していると腹が立つのがタクシーの運転手なのだ。

無理な追い越しや割り込みはまだいいとして、青信号でも前が使えているので動けないというのに後ろのタクシーはクラクションを押し続けるし、かと思うと道をふさぐようにして急停車して客を拾うわで、わがままなことこの上ない。

だからといって誰もがこんなドライバーというわけでもなく、やはり中には良いタクシー運転手もいるわけで・・・
先日、New York のローカルニュースでこんなトピックを拾っていた。

Queens に住むタクシードライバーが、女性客が忘れたスーツケースを見つけ、中を開けると31個のダイヤモンドの指輪 ( 31個のダイヤが載った指輪ではなくて、ダイヤモンドの指輪、31個 である ) 。それが無事落とし主に戻った、と言う話である。
それだけならちょっとした美談で終わるのだが ( それでも日本と違って落とし物が戻るなんて New York では珍しいが )、もう少し詳しい話を聞くとなんともそれが New York らしくて笑ってしまう。

テキサスから来たこの女性は、料金$10.70 のところ、$20 紙幣を渡して、「 釣りは$9 」 と言ったのだそうだ。
つまりチップとして支払ったのはたったの30セントである。

料金の15~20%という相場からすればかなり安いことがわかると思うが、しばらくして客の落とし物に気がつくと、こんな扱いにも腹に立てることなく女性客をおろした建物の近くまで行ったそうだ。
けれどももちろんどの部屋かはわからなかったので、タクシーアソシエーション本部に戻ってそこで鞄の中に入っていたテキサスの実家の電話番号を見つけ、持ち主と連絡が取れたのだとか。

こうして無事ダイヤモンド指輪、31個は無事持ち主である宝石商の女性に戻ったが、その謝礼として$100を支払ったらしい。
この31個の指輪の価値がどれだけかは伝えてないが、いくらなんでも謝礼の10倍程度の価格ではないだろう。
最初の30セントのチップの話を聞いたときに、「 計算間違いかも 」 と思ったのだが、謝礼が$100と聞いてそれが計算間違いではなくて、単なるものすごいケチだということがわかった。


そのことを報道陣に聞かれて答えたタクシードライバーのコメントがまたほほえましい。

「 落とし物を捜すために費やした時間分の保障をもらえたんだから、それでいいよ 」


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2006年07月23日

少年の夢、はばたく

今日のエントリーは New York とは何の関係も無い、いやそれどころアメリカとも無関係のトピックで New York Watch 向きの記事ではないのだが、個人的にこんなのが好きなので紹介しておく。

アメリカとは無関係、と書いたが google video で見かけたこのビデオクリップはおそらく英国から投稿されたもののようだ。
こういうものはぐだぐだと僕が書くよりビデオを見て貰った方が手っ取り早いのだが、僕はこれを見たときに子供ときにどうしても欲しかったのに、手に入れることが出来なかったときのことを思い出した。

どうしても手に入れられなかったおもちゃとはラジコン操作のおもちゃである。
イマドキの子供たちならさしずめ 「 ビデオゲーム 」 の指名がかかるところ、僕らの世代はラジコンおもちゃというのが、最高級おもちゃに属していた。

そんな少年が大人になって、より本格的に作ったのがこのおもちゃのようだ。


rcjet.jpg

↑ クリック!


大の大人が空港に集まって一機の模型飛行機を飛ばしているのだが、使用しているのがモーターや通常のエンジンではなく、小さくともれっきとしたジェットエンジンを搭載しているのだ。
そのため飛んでいるときのエンジン音は小さくても立派なジェット機、を彷彿させる


ちなみにビデオカメラを載せて撮った映像も見たい、と思ったらすでに製作済み。なにやら尾翼のうしろに白い気体らしきものが時々見えるが、これはvaporだろうか。
いやぁ迫力あるなぁ。

別バージョンの動画

好きなものには、人間打ち込めるんだよなぁ ( しみじみ )。

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2006年06月14日

14足の靴と50足の靴下

New York にちなんだニュースで、興味深いものがあったので紹介しようとエントリーに保存したものの、ついぞ忘れて 「 未公開 」 状態のままであった。せっかくだから修正・加筆して紹介することにした。





14足の靴と50足の靴下。


これは1人の男性が California 州から New York 州、New York 市まで、徒歩で旅したときに消費した履き物の総量である。
これだけ広大な国土を何でまた、歩いて横断したのか、ちょっと気になって新聞を読んでみた。メディアの話をまとめるとこんな感じである。

California の Oceanside に住む Steve Vaught ( 40歳 ) は15年もの間、精神的な苛まされてきた。15年前のある日の夕方、彼は自分の運転する車で年配のカップルを交通事故で死なせてしまい、刑務所には10日間囚われただけであったけれど、その後何年も間鬱病に囚われることとなったのだ。
仕事も長続きせず、職場を転々としているうちに、一家の家計はすっかり傾いてしまった。
彼自身体重が増え続け、410ポンド ( 注 およそ185kg ) にまでなってしまった。

そしてある夜、なぜか彼は歩くことを決意する。彼には二人の子供と奥さんがいるが、奥さんも彼が彼らしさを取り戻すならと賛成したという。
実際、歩き始めたときは大陸を横断するなど考えてもいなかったようで、真夏に沙漠を歩く羽目になったり、冬の厳しい時期にもっとも冷え込む Midwest を歩くなどまさに無計画だった様子がうかがえる。

道中、安モーテルに泊まれるのはましな方で、野宿を強いられたこともあった。
そしてやはりというべきか、カリフォルニアで過ごしていたときよりさらに Depression ( 鬱気味 ) になることが多かったそうだ。

北米大陸を徒歩で横断する、などというとなにかアナログ的だが、奥さんはこの旅を記録するために、ウェブサイトを立ち上げた。すでに200万人もの人がこのサイトを訪れ、様々な形で Steve を応援した。


自宅を出てから13ヶ月。
ようやく New Jersey 州から George Washington Bridge を渡って New York 州に入ってきた。
歩いた距離は2800マイル ( 4480km ) を超え、体重も100ポンド ( 約45kg ) の減量に成功した。残念ながら横からサポートしていた奥さんとは協議離婚という結論に至ったようだが、彼自身は何かをやり遂げた自信がついたようだ。

歩いてアメリカを横断するなんて馬鹿げている、というのは簡単である。けれどもそれをやり遂げた人だけが、その旅が無駄だったのかどうか、いえるんではないだろうか。

「 2800マイルという距離は、この旅ではそれほど意味が無かった。」
「 アメリカ人はこの旅が、シンプルな結果に終わると思っていたようだ。San Diego を出発したときは Rodney Dangerfield ( コメディアン ) だったけれど、New York で目が覚めてみたら George Clooney ( まあ、言わずとしれた2枚目俳優の代名詞 ) みたいにもてはやされて・・・。でもそれはホントの世界じゃない 」
「 ずっと最悪の日々だった。でも今は何もかもサイコーだ 」

旅の終わりの彼のコメントである。

このニュースを聞いて、僕は一体どこを歩いているのか、わかっているのだろうか、と考えてしまった。



▲ 果たしてこんな道を歩いてきたのだろうか。

Steve Vaught 氏の HP

The Fat Man Walking
ここで旅の途中の写真やブログを見ることが出来る。



ABC News


Man Crosses Country on Foot, Loses 100 Pounds

May 9, 2006 — He's gone through 14 pairs of sneakers and 50 pairs of socks. He's had stress fractures and blisters.

But after a year spent walking across the country, Steve Vaught has gone 2,800 miles, lost 100 pounds and tried to find himself.

"For me, the scales, the miles, they mean nothing," he said as he closed in on his finish line, the George Washington Bridge that connects New Jersey and New York. "It's been the journey, it's been this experience that has really counted, really mattered."

Vaught, 40, is from Oceanside, Calif., where he said he left a supportive wife and two great kids.

But he was also running from his ghosts. Fifteen years ago, driving into a brilliant California sunset, he ran over and killed an elderly couple. He spent 10 days in jail and years in deep depression.

He drifted from job to job. The family finances dwindled. His weight spiraled to 410 pounds. He referred to himself as Forrest Lump. Co-workers gave him a hard time about seeming listless and sitting down too much.

"When something like that happens to you," he said as he passed Teaneck, N.J., "you think you can wrap your mind around it and move on. And you can't without help. I just descended to a point where I didn't care. If someone stole my car, I didn't care. If I ballooned to 410 pounds, I didn't care."

One night he finally decided to walk it off. His wife, April, was eager enough to see him better that she agreed to back him.


13 Months on the Road

Vaught acknowledged he did not plan his trip very carefully. He wound up crossing the deserts of California and Arizona in the heat of summer and the Midwest plains in the dead of winter. He stayed in cheap motels when he could afford it, which was not every night. Many days, he said, he was more depressed than he had been back home.

"I think that most Americans want this to be a simple thing," he said. "You leave San Diego sort of Rodney Dangerfield. You wake up in New York, you're George Clooney, and everything's perfect. But that's not the real world."

The virtual world was kinder to him. He started a Web site, "The Fat Man Walking," on which his wife posted journal entries for him. The site has had 2 million visitors, and 80,000 of them have sent him e-mails, almost all of them supportive.

"Change comes from hardship," he said, "and getting through those things is really, really a character-building thing if you make it."


2,843 Miles


Vaught had hoped to make 20 miles a day but came nowhere close. He miscalculated what he ought to be eating — on a diet high in protein, he wound up with two kidney stones. He did lose weight, but the going was slow. And the strain on his family was too much. He was down to 280 pounds when he and April finally decided, by long-distance, to divorce. Since then, he said, he's regained about 30 pounds.

But he kept going and going and going. He calculates the total distance at 2,843 miles. "It was such a rush to come over the hill and see the skyline of New York," he said.

What will Vaught do now? He said he's not sure, and he's not sure it's important.

"It has been absolutely horrible," he said, "and absolutely wonderful."

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2006年04月15日

孤独な地下鉄

subway.jpg


不夜城のごとき New York においてまるで都市の血管のように脈々とつながり、止まることなく常に走り続ける地下鉄。
たくさんの人が同時に乗り込み、都心のターミナルで一気に吐き出される。例外なく誰もが目的地へと急ぐ人たちである。運転士すら交代のたびに乗っては降り、そこにとどまる人などいないかのようだ。

昨日、ローカル新聞の片隅に小さなニュースが載っていた。
それは24時間眠らない New York の地下鉄でのでき事だった。

地下鉄 N 線が終点の Coney Island に着いたのに一人だけ降りない客がいた。夜中の2時になろうとしていたときだ。不審に思った警官が問いかけると、その50代の乗客はすでに息を引き取っていた。地下鉄の中で静かに迎えた孤独な死だった。
現在までのところ彼がどのくらいの間地下鉄に乗っていたのかわかっておらず、さらに悲しいことにまだ身元がわかっていない。
彼は死ぬときも孤独だったが、生前も誰にも知られない存在だったのかもしれない。


都会でそんな偶然が・・・と思うかもしれないが、実はそう偶然ではない。
今年の一月にも郵便局員が地下鉄の中で座ったまま亡くなっているのが発見された。朝のラッシュアワーまでの間6時間、彼はずっとそこに座っていたのに、Manhattan の人たちは誰も気がつかなかった。皆 iPod や新聞や車内の広告に夢中だった。僕だって身じろぎ一つしない人を寝ている人と片付けて、目の前にいても気がつかないかもしれない。


subway2.jpg


この悲しいニュースはこうして一部の人たちに知られることとなった。けれどもきっとすぐに忘れ去られてしまうだろう。
New York とはそういう一面を持っている街なのだ。


三面記事

Newsdayの新聞記事
http://www.newsday.com/news/local/wire/ny-bc-ny--deadpassenger0413apr13,0,5254600.story

New York City
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Man found dead on the 'N' train


THE ASSOCIATED PRESS

April 13, 2006, 1:50 PM EDT


A man who remained in his seat after his subway train pulled into the last stop in Coney Island on Thursday was found to be dead, police said.

The man, whose name was not immediately known but was described by police as in his 50s, was found sitting in the front car of an "N" train at 1:55 a.m.

When police checked to see why the man wasn't getting off at the Surf and Stillwell avenues station, they discovered that he was dead. The man did not appear to have any injuries, police said.

It was not immediately known how long the man had been dead before police found him.

In January, a postal worker was found dead on a subway car near the start of the morning rush hour, his lifeless body possibly riding the train for about six hours. The man was discovered Jan. 19 in the last car of a northbound Q train in the 14th Street-Union Square station. Authorities reported there were no signs of foul play or any injuries.

In June 1999, a passenger on a No. 1 train shared his ride with commuters for about five hours before anyone noticed he was dead. The man appeared to be sleeping, with his eyes closed and his head bowed.

The medical examiner's office did not immediately return a call for comment.

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2006年02月24日

New York Timesに載ったArakawa

友人が New York に滞在していた先週の話しをもう少し紹介するつもりだったが、日本人にとってはうれしいニュースがここ、アメリカでも大きく取り上げられているので紹介しておこう。

いわずもがな、トリノ冬季オリンピックでの女子フィギュアスケート競技で金メダルを手にした、Shizuka Arakawa のニュースである。




よく 「 アメリカでのオリンピック人気はどんなものですか? 」 と尋ねられるのだが、割と盛り上がっていると言っていいんじゃないだろうか。
ただその盛り上がり方は日本のそれとはちょっと異質なものかもしれない。一言で言うと 「 フラット 」 なのである。


フラットとは二つの側面があって、一つはオリンピックだからといってこの時期だけスポーツ観戦熱があがるわけではないということ。
音楽・芸術・スポーツに対してアメリカの方が理解が大きく、また商用としてみた場合のマーケットもアメリカと日本では人口比以上の開きがある。またすそ野も広く、年中何かしらのプロスポーツが行われており、そのどれもが大きな支持を受けているように見受けられる。
翻って日本ではプロ野球を筆頭に最近はサッカー、そして相撲といったスポーツはメジャーながらそれ以外となるとそのどれもがマイナーと言わざるを得ないのではないだろうか。
スポーツが広く受けいられるのは、テレビのスポーツ専用チャンネルの数の多さからも分かるし、市中にあるスポーツバーの盛況ぶりを見ても明らかである。
それだけにオリンピックがあるからと言ってそれだけに人々が熱中するのではなく、ひいきのスポーツ種目のひいきのチームのプレイを見ながら同時にオリンピックも楽しむという人が多いのかもしれない。

もう一つの 「 フラット 」 はひいきの国がアメリカだけに限らない、ということである。
これは特に New York だからかもしれないが、未だ移民一世 - つまり僕のように生まれは外国で現在アメリカに住んでいる というような人間 - が多いので、そういう人たちがひいきにしているのは自分の出身国になる。
ところがアメリカのスポーツ番組は当然のことながら自国の選手である USA のユニフォームが多く登場させるので、なかなかテレビで自国の選手の応援ができない。
僕など日本の新聞社ウェブサイトで結果を見るぐらいだから、いったいどんな選手が出て、今回のオリンピックの見所はなんなのか皆目見当がつかなかった。

そういう意味でもいろいろな人がいろいろな国を応援しているといった状況で、国を挙げて自国の選手 「 だけ 」 を応援しているというわけでもなく、そこが僕にとってはフラットに見えるのだ。


ところでオリンピック情報に疎い僕でも、女子フィギュアは冬季オリンピックの花形種目であってこちらでもテレビでかなり時間を割いて放映していたので、なんとか世の中に遅れることなく見ることができた。
それまで日本はメダルを取っていなかったそうだが、世界が注目する大きな舞台で日本人が優勝したとあってはアメリカに住んでいる僕まで鼻が高い。
なんでもオリンピック前はアメリカにアパートを借りて特訓していた、とのことだがそれが隣の Connecticut 州だったとは優勝してニュースで取り上げられるまで知らなかった。
Shizuka Arakawa のニュースはスポーツ番組だけでなく、いろいろなニュースでもそのショートプログラムのハイライトが何度も放映され、また今朝も New York Times など主な新聞の一面を飾った。
他人のふんどしでなんとやら、ではあるが自分が日本人であるのが誇らし気に感じられた一瞬である。


銀盤を華麗に滑るその姿に見とれながらも、異国に住みながら厳しい特訓にはげんだだろうその苦労をみじんも感じさせず、それがまたきっとこうして外国に住む日本人にとってはなによりも頼もしく感じられるのだ。
競技はほんの短いひとときだけれど、その夢と希望は多くの人に、そしていつまでも分け与えられるだろう。
そんな Arakawa 選手に敬意を表して今日の新聞記事を紹介しておこう。


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▲ New York Times スポーツ欄一面

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2005年12月19日

コーラ戦線異状アリ

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アメリカで売られているコーラは日本で売られているより数多くのフレーバーがあって、店にいってもその全種類を扱っているところが無いほどである。思いつくだけでも、Cola Classic、Diet Coke、Vanilla Coke、Diet Vanilla Coke、Cherry Coke、Diet Cherry Coke、Coke Lemon、Coke with Lime、Diet Coke Lime、Diet Coke Splenda、Coke ZERO・・・ふぅ、まだあるかな。


毎日欠かさずコーラを飲むアメリカ人の知り合いに比べると、ほとんど飲まないに等しいのだが、その中でも飲むとすれば僕は最近 「 Coca-Cola with Lime 」 を手にする。これに Ram 酒を入れれば、他に Lime を用意しなくてもキューバリブレが飲めてしまうのでラクなのだ。
さらに Diet Coke の極めつけ、Diet Coke Splenda が出たのは記憶に新しいのだが、どうやらコーラ界の横綱、Coca-Cola 社が新製品を追加するらしい。



NEW YORK (Reuters) - Coca-Cola Co. (NYSE:KO - news), the world's No. 1 soft drink company, on Wednesday said it will launch a coffee-infused soft drink called Coca-Cola Blak in various markets around the world in 2006.


なんでも Coca-Cola の新商品は「Coke Oola Blak」といってコーヒー味のコーラなんだとか。Coca-Cola 社が新製品の発表したかと思えば、Pepsiは「カプチーノ風味ペプシコーク」を発売予定だとか。
このところずっとダイエット路線を走ってきたコーラ戦争だが、来年の目玉はコーヒー味らしい。 さては Starbucks Coffee の躍進を見て、Cola もコーヒーに歩み寄ることにしたとか、そんなところだろう。
普通に考えればあまり美味しい組み合わせとは言い難い。
新製品を待たずとも自宅でアイスコーヒーとコーラを混ぜれば試せそうなので、販売前に作ってみようか ( 笑 )


コーヒー味が 「 旨く 」 いったなら、次はきっと世の中のブームになっている Green Tea 風味に違いない。
Coka-Cola 社と Pepsi 社の秘密地下研究所では今ごろきっと Green Tea 風味のコーラの試飲をしている研究者がいるはずだ。

コーラの最新製品

http://news.yahoo.com/s/nm/20051207/bs_nm/food_cokeblak_dc

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2005年12月15日

NYの交通が麻痺する?

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▲ CANON EOS 20D Lensbaby 2.0

ここ一週間ほどテレビをにぎわしているのが 「 New York 都市交通公社がストに突入するかどうか 」 という話題だ。
なんでも25年ぶり、ということなので前に行われたのは1980年というから、僕が初めて New York に来た年より前のことだ。

New York の交通機関といえば、地下鉄にバス、それに有名なイエローキャブことタクシーである。実際に地下鉄以外にも列車で通勤する人もいるのでこれらが NY 市を動かす動脈といってもいいだろう。

実はこれら交通機関のうち、地下鉄、バス、それに列車は MTA ( 直訳すると都市交通公社? ) によって全て運営されているサービスなのだ。
New York と東京を比較すると、交通機関は JR や営団地下鉄 ( 今は違う呼び方らしいけれど )、それに私鉄が乗り入れているから鉄道だけでも選択肢があるし、各社による競争もある。
けれども New York ほどの大都市でありながら、交通機関は MTA 一社で運営されているので、今回のようにストに突入するとなると、都市機能がほとんど麻痺する。
それだけでなく競争原理も働かないから、サービスも良くないしファシリティも見るべきところがない。運賃の値上げも思いのままで、僕からすれば 「 分割すべきじゃないの? 」 と思うのだが、実際にはその逆で郊外を走るバス会社が MTA に組み込まれたりとますます大きくなっている。


ちなみにストに突入するとなると、職場や学校に行くことができなくなるのだが、それでもクリスマス商戦ということでほとんどのストアは予定通り開店せざるを得ないだろうし、学校も多少遅れて開校することを決めているようだ。
とはいえ地下鉄とバスが動かないとなるとマイカーやタクシーで通勤・通学する人が増えると予想されており、その場合 Manhattan の道路は渋滞によって完全に麻痺してしまうだろう。
そこで市長は 「 Queens、The Bronx、Brooklyn などからクルマで Manhattan に入る場合は、4人以上の乗客が乗っていない場合は Manhattan に入る橋とトンネルを利用させないこととする 」 とアナウンスしている。
またクルマだらけになって緊急車両などが通行できなくなる恐れがあるからと、5th Avenue などは一般車両の通行が禁止され、警察や消防など緊急車両専用道路となることが発表された。目抜き通りだけにここに搬入のトラックも近づけないとなるとストアの方も商売上がったりかも知れない。

幸い僕はクルマで、Manhattan と反対方向に向かって通勤するのでひどい渋滞に巻き込まれることはなさそうだが、市が 「 Manhattan にクルマで通勤する人は郊外で待ち合わせをして、一台の車に分乗してから来るように 」 と支持しており、Queens の場合それが Met's の本拠地 Shea stadium とされているので、この近くを通るときだけは渋滞に巻き込まれるのを避けて通れないだろう。

ということで間もなく零時を迎えるが、うちから地下鉄駅が見えるのでスト突入とともに地下鉄が来なくなるかもう少し起きて様子をみることにしよう。

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▲ CANON EOS 20D Lensbaby 2.0 : 服装を見て貰えば一目瞭然だが、これは夏に撮ったものである

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2005年11月23日

「カロリーゼロ」の甘い罠?

以前にも紹介したが、今やコーヒーやソーダに使われるだけでなく、スナックにも人工甘味料がたくさん使われている。一見体に良いように見えるが・・・・


souffle.jpg
▲ダイエットの大敵、Cream Brulee(笑)


昨夜のニュースで興味深い話題を取りあげていた。

実験用マウスを使って、人工甘味料入りの水を飲ませたグループと、砂糖入りの水を飲ませたグループの餌の消費量を比べると、人工甘味料入りの水を飲んだマウスの方がなんと3倍もよく食べるという研究結果が出たそうだ。これが必ずしもそのまま人間に当てはまるわけではないのだが、おそらく人工甘味料の甘さでは体が満足せず余計に糖分を摂取しようとして、食事の量が増えてしまうのではないか、ということらしい。
ニュースでは続けて他の医療機関が調査した結果を紹介していて、それによるとダイエットドリンクを飲む人と、通常の砂糖入りのドリンクを飲む人ではダイエットドリンクを飲む人のほうが平均体重が多いのだとか。

確かに太り気味ということを気にして、飲み物をダイエットドリンクにしているという人も多いだろう。それ故、ダイエットドリンクを飲む人の平均体重が多いのは、必然的な結果かもしれない。ダイエットコークを飲む人に限って体格がいいなぁと思いつつ、それも上に書いたような理由だろうと勝手に推測していたのだが、このニュースを見た後ではどうやらそうではなくてダイエットドリンクを飲むから太るんじゃないか・・・と思えてしまう。
実際のところ、ダイエットコークを常日頃飲んでいる人は、喉の渇きをいやすためか、他人よりはるかに多くの本数のダイエット飲んでいるような気がする。中には常に傍らにダイエットコークのペットボトルがあって仕事中飲み続けている人も。
いくら低カロリー、低コレステロールだといっても、かならずしも体にいいとは限らないのだろう。僕は多少カロリーがあっても、ホンモノを少しだけ食した方が食事も楽しい、派である。


さていよいよ明日は Thanksgiving Day である。
宗教色が濃いクリスマスに比べると、こちらは宗教を越えて祝う催しとあってより多くの人が Thanksgiving Day を祝う。そのため Thanksgiving Day 当日は公共機関のみならず、ほとんどのビジネスがクローズになり、僕が勤めている会社もこの時期は4日間の休みになる。
この様子はまるで日本の元旦と同じであるが、この日は家族と親しい友人が集まって祝うところなど、中身も日本の正月と似ているところが多い。
今朝のニュースでも、帰省のためのラッシュが空港でも昨日から始まり、今日がピークとなっていると伝えていた。

Thanksviging Day は伝統的に七面鳥を食することになっているが、この日テーブルに並ぶ食事は並みならぬ量である。
一日中食べ続けるという家も少なくないようで、テレビでも 「 この時期、食べ過ぎたときのために 」 という tips を紹介するのが 「 おいしい Turkey の焼き方紹介 」 と同じく毎年恒例となっている。
この日ばかりはダイエットドリンクではなく、通常のシュガー入りドリンクでも飲みながら、七面鳥、マッシュドポテトにパンプキンパイなどたらふく食べてもいいんじゃないだろうか。

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