
なんとなく気ぜわしい毎日が続き、気がつくと7月も終わろうとしている。
更新の少なかった今月最後のブログエントリーに、せっかくだからと今月撮った写真を載せようと、ぱらぱらと画面をめくる。
たった一月なのにあちこち足を伸ばしていたことに気付き、少しばかり驚いた。
そういえばこんな一日もあったっけ。島にある小さな教会。

なんとなく気ぜわしい毎日が続き、気がつくと7月も終わろうとしている。
更新の少なかった今月最後のブログエントリーに、せっかくだからと今月撮った写真を載せようと、ぱらぱらと画面をめくる。
たった一月なのにあちこち足を伸ばしていたことに気付き、少しばかり驚いた。
そういえばこんな一日もあったっけ。島にある小さな教会。

※NY、SOHOにあるPAPABUBBLE(パパブブレ)の前で。スペイン・バルセロナからの出店だそうだ。
New York の夏は梅雨がない分、特に長く感じる。5月ともなると、突き刺すような強い日差しではないものの、肌がひりひりするほど焼ける日もあり、それから2ヶ月経った7月には「まだ夏?」と息切れしそうになる。
ただ夏の終わりも東京と比べるとだいぶ早く、8月後半にはだいぶ過ごしやすくなる。近海で泳げるのも 8月中旬までだろう。その後の大西洋の水はびっくりするほど冷たい。
この写真も夏の始まりのころに撮ったもので、からりと晴れた初夏の日差しがまばゆいほどだった。
夏の昼下がり、SOHO。
最近は欧州からの訪問客が特に多い。行き交う人の口から出てくる言葉が耳慣れぬヨーロッパあたりの言葉だからすぐにわかる。
SOHO の街並みを見学している初老のカップルを見て、「彼らはどんな国から来たのだろう」と僕はヨーロッパに思いを馳せる。
それも夏の白日夢の故の空想だったのだろうか。

SOHO の Broadway といえば、まさにこのエリアでは目抜き通りというとになるが、最近見慣れぬ・・・というかとても懐かしいものが突如出現した。
高橋留美子原作の『うる星やつら』のキャラクタ、ラムちゃんである。もう一人左側に見えるのは確か『名探偵コナン』ではないか。
うる星やつらといえば、僕らの世代が中高生だったころ少年サンデーに掲載され、さらにテレビでのアニメ放映と相まってまわりにも熱烈なファンが多かった。僕自身はコミックの方に目を通したこともなく、テレビ放映版を何回か見た程度だが、悪友の一人が特にはまっていたっけ。
「コナン」の方もたしか少年サンデーに掲載されていたようだが、その頃にはあまり週刊漫画誌を手に取らなくなっていたので、テレビでやっているのを見かけた程度である。
そんなわけでどちらも馴染み深いとはいえないけれど、日本のアニメキャラクターが SOHO に出現したこと自体にちょっと驚いた。これが Naruto なんかだったらアメリカでも放映しているので、アメリカ人にもわかりやすいのだが果たしてラムとコナンの効果はいかに? ( 記憶ではこの両アニメはアメリカでは放送されたことがないはずである )
ちなみにこのキャラクタを店の入り口に張り出したのは、SOHO に旗艦店を構える Uniqlo である。
日本アニメを知らないアメリカ人は結構これを見ても無頓着のようだったが、僕は久しぶりに悪友の顔を思い出した。なぜかそれが SOHO でというのも可笑しい話だが。

毎日使わない日本語は脳の中でもどこか遠い場所に格納されてしまうかのようで、僕の場合たまにボキャブラリをフルに使おうとするとまるでど忘れした人のような言葉遣いになってしまう。忘れてしまうのは言葉だけではなく、実は自動車や鉄道などのマップもそうなのだ。
昔は地図など見なくても東京都内の乗り換えはすぐに頭の中で見当がついたし、乗換駅でも頭上の案内を見ることなくスタスタと歩いて行けたものだ。
ところが最近の一時帰国では、都内の地下鉄/JR駅乗り換えにかなり手間取った。なんだか帰る度に迷子になる率が上昇している気がする。
僕が住む、New York も地下鉄網は発達していて、それこそほぼ毎日使っている。なんといっても僕のアパートで地下鉄の振動を感じるほど身近なのだ(笑)。 これまでに仕事で長期滞在した英国や、バケーションで行ったフランスなど、それぞれの首都の地下鉄を使ったことがあるが、東京の交通機関が特に複雑に見えるのは、営団 ( ってもういわないんだっけ? )、都営地下鉄、それに私鉄の乗り入れ、それにJRを駆使しないといけないからかもしれない。
果たして僕が毎日使う New York の地下鉄より東京の方が本当に複雑なのだろうか。
ちょっと気になって総駅数について調べてみると、面白い結果が出た。おそらくこのデータは最新ではないものの、それほど大きな増減は無いものとして見ていくと New York の MTA の全駅数が 468 であるのに対し、東京は、
東京メトロ 168駅
都営地下鉄 106駅
ということで New York の地下鉄の方が断然駅数が多い。
一方 New York には郊外から乗り入れる長距離通勤列車をのぞくと、JR に対応するような地上の交通鉄道網がない。そこで Manhattan とほぼ同じ大きさの23区内の総駅数 ( JR・私鉄含む ) について調べてみると、だいたい470駅前後らしいということがわかった。こうなると東京の駅は New York のそれと比べてほぼ同数であることがわかる。ただし New York の地下鉄の場合、468駅には Manhattan 以外の区、たとえば The Bronx や Queens のものも含まれており、そうなると東京23区より広い範囲をカバーすることになるので、単純に比較はできないのだが。
New York の地下鉄が旅行者に取っても使いやすいと言われるのは、Manhattan 内では一部の地下鉄ラインを除き、多くが南北にしか走らないことにある。南北に走るラインが多いのは Manhattan が細長い島であるという地形によるところが大きい。それに対して東京の場合は線が複雑に入り組んでおり、これに JR や私鉄を加えて距離や運賃の比較まで行わないといけないとなると、どう選んで良いのか迷ってしまい、それが結果として取っつきにくさにつながるかもしれない。
まあその一方価格やサービスの面で競争が行われているわけで、New York のように MTA という組織がバスも地下鉄も郊外型通勤列車も管轄しているのとは大きく異なる。
New York の地下鉄を一度でも利用したことがある人ならわかると思うが、24時間運行という唯一の利点をのぞくとサービスという言葉自体存在しないように思える。この街に住んでいる以上、不満を書き並べたところでサービスが良くなるわけではないのだが、不便なことは不便だとはっきり伝えることが改善につながることもあるので、ここに一例を紹介するがその例については枚挙に遑がない。
特に週末の工事には泣かされる人が多いはずだ。24時間営業しているしわ寄せが週末工事なら、24時間週5日営業ということになるわけで、果たしてそれがサービスと呼べるのかはなはだ疑問である。
日本にいる友達から「New Yorkのラッシュはどう? 東京並ではないと思うけど」と聞かれたことがある。
現状を言うと、New York でも朝はラッシュというものがあって、満員だと乗れないこともある。それでも押し具合は東京のラッシュアワーほどではなく服と服が接する程度で、隣の人にもたれかけられたり、強く押されるということがないぐらいのものである。
押せば確実にもっとたくさんの人が乗れるはずだが、そこまでしないというのが暗黙の了解にある。そのため人がたくさん乗った車両が来ると一本、または二本待たないと乗れないこともある。
見知らぬ他人と体を密着するような不快な気持ちになってまで電車に乗るくらいなら、遅れても次の電車を待つという文化の違いだろう。
手に持つ鞄を離しても落ちないくらい混み合う東京のラッシュアワーを知っている僕らからすれば、楽なラッシュだがそれでも朝はよく怒声を浴びせる輩が見受けられる。「もうこれ以上は乗れない」と乗客が、無理に乗ろうとする人に文句を言うことから端を発するのだが、どちらもどちらなので周りの人はたいてい無関心である。
人物ウォッチングが好きな僕など好奇心に負けつい振り返って「一体どんなやつらだろう」と顔を確認してしまうのだが。
運賃の割にあまりいいところの無い New York の地下鉄だが、いずれにせよ地下鉄やエレベータほど見知らぬ人同士が密室状態でこれほど接近するところもないわけで、接偶然乗り合わせたことで始まるドラマもある。地下鉄に乗る度に「あ、これはブログで紹介できそう」と思うシーンに出会うのだが、つい機を逃してしまう。
またいずれ地下鉄四方山話でも紹介することにしよう。

昨日、SOHO にある Starbucks でコーヒーを買ったときに気がついたのだが、カップホルダーにプリントされている Starbucks のロゴが変わっているのに気がついた。
色もブラウン一色で、とてもシンプルなもの。
一瞬「さては新しいロゴか?」と思ったものの、よく見るとこれは Starbucks 初期に使用されていたロゴプリントであることがわかった。
このデザインは二つの尾を持つ人魚のもので、現在みんなが目にしている愛らしいロゴとは似ても似つかない。
日本でもマクドナルドが本格的コーヒー市場へ参入を果たしたそうだが、かつて飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びてきた米 Starbucks の成長が最近は鈍化していると聞く。それがアメリカでいち早く導入された MacDonald の premium コーヒーのしわ寄せなのかはわからないけれど、New York を見ている限り、小さな個人営業のカフェが繁盛しており、なるほど Starbucks 離れというのは実際に起きているのかもしれない。
どこに行っても変わらないメニューと価格。迷うことなくいつものものを頼める安心感。ファーストフードよりちょっと雰囲気の良いコーヒーショップとして Starbucks は急速に普及したけれど、普及すればするほど人々が持つブランドイメージは何一つファーストフード店と変わらいものとなってしまう。そうなるとはやりすたりに大きく左右されることになる。
今回昔のロゴを再使用しているのは、原点に戻って再び基本のコーヒーで勝負をかけ、客離れをとめたいという Starbucks 社自身の願いが込められているのかもしれない。
日本にいたときはいまいちぴんと来なかった旧正月だが、New York に来ると急に身近ななものになる。
日本をのぞく多くのアジアの各国で今でも盛大に祝われており、自ずと移民の多い New York でもその慣習を受け継ぐ人たちがいる。それは、ちょっとした、などとは言えないほど規模の大きいお祭りなのだ。
Manhattan の China Town でも先の日曜日にパレードが行われ、そのときに撮ったスナップの中から楽しそうな子供たちの様子を中心に拾ってみた。
アメリカにいるのに、なぜか懐かしく感じられたのはやはり同じアジア人だからだろうか。





※保護者に撮影を快諾してもらったものの、ある程度表情に配慮して撮ったものだけ掲載

こんなタクシーが NYC を走り始めたのは9月になったばかりのころだろうか。実はこの写真は一ヶ月以上前に撮ったもので、ここで紹介しようと思いつつ、気がつけばこんなに時間が経ってしまった。
しかも短い日程で、滞在中ずっと走り回っていた一時帰国のあとはすっかりこの写真のことを忘れてしまった。デジタルカメラの良いところはたくさんあるけれど、こんなふうについ撮ったら撮りっぱなしになってしまうのが欠点といえば欠点と言えなくもない。
話をこのタクシーに戻すと、フードの上やルーフトップに大きな花が描かれたタクシーが街に走り始めた頃、ちょうど学校の新年度が始まった。
9月上旬に学校に戻ってくることから、この時期は Staples など文房具・オフィス用品を扱う店、それに Teenage 向けのアパレルチェーンなどは Back to school と呼ばれるセールを行う。日本で言うところの新入学セールである。
そんなタイミングに加え、仕事をしながら何気なくつけていたテレビがちょうどこのニュースを取り上げており、たくさんの子供たちが花を描いているシーンが映ったので、新学期の開始に伴って市が子供たちに送ったメッセージかなにかだと思っていた。がこれは全くの早とちりだということを後から知った。
なんでもとある私的な基金が発起人となり、今年100周年を迎える New York 市のタクシーと協力してはじめたパブリックアートということだった。そしてこのペイントを手伝ったのが New York 市の子供たちを始め、NJ 州や Colorado、California に住む子供たちである。
参加した子供は元気に学校に通う生徒たちであるが、それだけではなくガンと闘っている子供、大きな火傷を負って入院している子供など、病院にいる子供たちにもアートに参加してもらい、希望を持ってもらおうというプログラムの一環なのだった。
コンクリートに囲まれ緑の少ない都会にあって、黄色いタクシーは花を街に運んでいるだけでなく、こうして子供たちの夢と希望を届けているのだった。
タクシーを使ってたくさんの花びらで New York を埋め尽くそうなんていう突拍子もないアイデアに、誰がこんな風に実現すると思っただろうか。
病気や事故の後遺症と闘っている子供たちの勇気は、こうやってコミュニティを変えていくことできるのだという証になった。
案外励まされているのは大人たちの方かもしれない。
Garden In Transit プログラムは12月まで続けられる。
Manhattan は短いサイクルで街の様相がかわる。
それはまるで郊外の山々が春先には花が咲き乱れ、夏に木々は緑にあふれるように、秋には花にまけじと葉が鮮やかに変化するように、冬は冬でおしろいで化粧をするかのように、都会も刻々と表情を変えている。
秋の終わりにすっかり落ちてしまった葉は、翌年になると新芽が生えてまた元の姿に戻るのだけれど、残念ながら都会は刻々と変わり続け、元の表情を見せることは無い。
Manhattan を歩いていると時々 「 あれ、一本、道を間違えたかな? 」 と勘違いすることがある。それは目当ての店に来てみたら跡形もなく、以前の店構えとは似てもにつかない、異業種の店舗になっていたり、はたまたそのまま使われることなく「For lease」の看板が寂しそうにつりさげられていることもある。
それだけ New York の移り変わりは激しく、これではNew Yorkに老舗の店なんぞ残らないんじゃないかと危惧してしまうほどである。
さてそんな Manhattan で、SOHO もここ何十年ものあいだに変貌を遂げた街である。
倉庫街から始まり、アーチストのアトリエ、ギャラリー、そしてついには世界中から集まった名だたるブランド店が互いに競って出店を重ねる街、というのが現在の SOHO のイメージである。
かつて Canal Jean があった場所に Bloomingdale's デパートが出店したときも話題になった。
今年も Broadway をはじめとして、あちこちの通りで新装開店に向けて建設・改築ラッシュが続くのだが、そのうちの一つがやっとベールをぬいた。
ずっと改築中のやぐらが歩道にせり出していたとある店の前を通ると、工事中のパネルが外されてガラスのショウウィンドウが姿を現したのだが、それを見てびっくり。

どうやら MUJI の路面店が SOHO に出現するようだ。
MUJI とはもちろん西友が展開している ( していた? ) 日本の無印良品の海外ブランドである。流行に疎いので間違っているかもしれないが、アメリカで MUJI が本格的に独立店舗を持つのは初めてではないだろうか。
SOHO には MoMA ミュージアムショップがあり、実はその地下が日本の無印良品専門売り場になっており、これまでも無印良品の品物は一部の人たちの間で知られてはいたが、それがいよいよ路面店として展開することになったようだ。
MUJI といえば仕事で英国に滞在していた、今から15年ほど前、確かわりとあちこちでこの「MUJI」の看板を見かけた記憶がある。店に入るまでそれが西友の「無印良品」とは気がつかなかったのだが、当時からあのシンプル性が欧州で支持されたのか、店内は結構混み合っていたのを覚えている。
開店準備中のショウウィンドウには大きなバッグがディプレイされ、その横には「フリルのないバッグ」と添えられている。
まあフリルの着いたバッグというのもそう一般的ではないが、ここではそういう意味ではなくて、フリルの無い=飾り気の無いシンプルな、ということが言いたいのだろう。
さて日本人にはもう長いことなじみとなっている無印良品だが、果たしてアメリカでライフスタイルとして受け入れられるだろうか。
日本の学校では夏休みが8月31日までだったせいだろうか、8月が終わるというとそれは僕の中で夏の終わりを宣告されたようなものだった。
たとえその後で暑い日が続こうとも。
今年の New York はそれよりもっと早く夏が終わってしまったかのように、ずっと涼しい日が続いた。そんな中昨日は久々に気温も30℃を超え、湿度も高く、今年一番の不快指数を示していたかもしれない。これだけ暑いと何をするのもおっくうになるが、でも夏らしくない夏なんてずっとつまらないものだろう。
そんな暑い日はアイスに限る! ということで、今 New York でもっとも人気のアイスクリーム店巡りを遂行。 こんな酔狂なプランにもかかわらず、何人か賛同者が参加してくれた。
実は、今ほど涼しくなるちょっと前の8月初旬、NY Loves You という NY 関連情報サイトを運営している友人が日本から遊びにきたことに合わせて New York でオフ会が開かれた。その席で呼びかけたところ、参加したいという人の数がちょうど良い数になり、話がとんとん拍子ではずみ、勢いでその翌日に行くことになったのだ。
ということで今回はヨシュラン風にアイスクリームの紹介である。

まず最初に行ったのが、今年オープンしたばかりで早くも大人気の GROM。
僕がこの店のことを知ったのは地元ケーブルテレビのローカルニュースで紹介していたことからで、New York の街の流行に取り残され気味の僕にしては珍しく早く反応してしまった。結局このアイスクリームショップのことがきっかけとなり、どうせなら話題のアイスクリームショップのアイスを食べ歩いてやろうというツアーが実行されることになったのだが。
テレビでも紹介していたのだがこの GROM というアイスクリームショップは、イタリアから今年 New York 市内に出店したばかりのできたてほやほや・・いやアイスなのでひやひや、というべきか。
何でもイタリア国内にいくつも店を構え、大人気となった店の海外進出第一号が、この New York ということらしい。だからここ以外では本場イタリアだけでしか食べられない・・・という。なんだかそう聞くと試してみたくなるのはミーハー根性か。
テレビでのインタビューにはオーナー自ら出演していたのだが ( イタリア語のアクセントがとても強かったのですぐにわかった )、なんでもこの店の売りはアイスクリームを作るときに使う食材にこだわりを持っているのだとか。たとえばコーヒーだと、どこどこ産の特別な豆だとか、同じようにバニラシーズ、カカオ、フルーツなどすべてオーナー自らが世界中から集めた最高のものだけに限定しているそうだ。
場所は Upper West Side。着いてみると店の前には行列ができている。暑い日に冷たいアイスを買うのに炎天下に並ぶ、というのもなんだか妙だがこの日はこのために来たようなものなので、ためらうことなく並ぶ。その日の待ち時間は20分ぐらいだろうか、自分の我慢強さに感心してしまうが、それ以上に New Yorker の行列好きにももっと感心してしまう。New Yorker なら東京で生活していけそうな気がする (笑)。

店内は奥に多少テーブルスペースがあるようだが、もちろん満席。ほとんどの人が店先で立ちながら食べることになる。
いくつかあるサイズの中から、僕はミディアムを頼む。1カップ、$5.75のミディアムと言っても他のアイスクリームショップのそれと比べると、一回り小さいと思う。僕自身はこの後のこともあるので、一番小さな種類でも良かったのだが、ミディアムだと3種類のフレーバーまで入れられるという。初めての店だし、いろいろなフレーバーが楽しめる方がいいかも、と考えていると。どうやら僕の前に注文している人たちもだいたい似たような考えのようだ。
で僕が頼んだのは、アプリコットと Gianduja とバニラ。Gianduja・・てと思ったがそういえば最近買った DARS チョコレートに 「 シャンドーヤチョコレート 」 と言うものがあったのを思い出した。全くイタリア語は自身がないが、あながち間違っていないと思うのだが。
で店内の案内によれば、伝統的なトリノのチョコレートとヘーゼルナッツ味ということらしい。
バニラは、この店のオーナーがインタビューでもバニラシードのことを取り上げていたのを思い出して、そんなに自信があるものなら、と頼んでみたのだ。
実際ここのアイスは口の中で広がる風味、香り、それと味を重視していて、その味の違いは一口目ですぐにわかる。だから店を出て最初のスプーンを口に入れた人たちの顔が 「 あれ? 」 みたいな顔に変わるのを見ているのがおもしろいくらいだ。

アメリカのスイーツがすべて合成香味料のような風味で、ほんものの香りも感じられないのに比べると、あきらかに日本人好みで素材にこだわって作られていると言う話もまんざら噂ばかりではない。店内に行くとわかるが、一人のお客さんの注文ごとにアイスクリームのふたを閉じる。
これも他のアイスのフレーバーが混ざったりせず、なるべくお客の口に行くまで新鮮な風味を閉じこめておきたいから、と言うことらしい。
チョコレートはあくまで深みがあり、バニラは、バニラエッセンスなんかとは全然違う新鮮な風味、またアプリコットはうまみの部分だけをそのままシャーベットに閉じこめたような、とにかく素材の個性が強くでたアイスクリームで、僕も評判になるわけがよくわかった。しかもこれがジェラートというのに、あのジェラートの持つどこか味の薄さは感じられず、あっさりとしながらもしっかりした風味ですっかり気に入ってしまった。
ここでは友人とバラバラのメニューを頼み、それぞれ味見をしてみたが、コーヒー味も僕のお奨めである。
地下鉄に乗って今度は Lower East Side へ。ここに来た目的は、ちょっと変わり種のアイスを求めてのことだった。
店の名前を il Laboratorio del Gelato といって、僕の貧しい想像力を使ってもこの名が 「 ジェラート研究所 」 と言う意味であろうと言うことはよくわかる。

僕らが着いたときは店内に客が一人もおらず、ここでいいのかな? などと思いつつ写真を撮っていると客が一組入っていった。
先ほどの店に比べると店構えも地味だし、この店があるエリア自体、ファンシーとは言い難い。こんなところで ( 失礼! ) でジェラートの名店が? と疑心暗鬼になりながらも店に入った。
この店のシステムもちょっと変わっていて、アイスクリーム ( ジェラート ) のフレーバーは80種類以上もあるらしい。が、店頭にあるのはそのうちの12種類ぐらいで、売り切れになるとそこに何か別の味が追加されたりと、常に全種類を頼める訳ではないようだ。最初それがわからずに壁に書いてあるフレーバーの種類から頼もうとすると 「 あ、そこから頼むのではなくて、この冷蔵庫の中のものから選んでください 」 と言われてしまった。

ここで僕が頼んだのは、ライチー、ブラックベリー、それにココナッツ。さっきの店と同じでミディアムサイズを頼むと3種類のアイスクリームを選ぶことができる ( もちろん一つの味を3スクープ分もらってもいいのだが )。
なぜかこの店でのフレーバーの選び方に代わり映えしないなぁと思われるかもしれないが、実は80種類の味の中には 「 タイのチリチョコレート 」 とか 「 米 」 とか 「 チェダーチーズ 」 などちょっとアイスに合うのかな? と思うようなものが並んでいる。直前に別のところでアイスを食べてきたからさっぱりしたものを食べようと思ったのと同時に、無難なものを、という心理が働いたのも事実だ。
それと本当に食べたかったアイスがこの日は無かったというのもある。実はこの店ではビール味のアイスがあるということを聞いていたのだ。なんでもどこかのレストラン向けに作り始めたこのアイスが評判となり、ここに店を構えるほどになったのだとか。
ちなみにほかにももちろん我が国代表のわさび味や、グリーンティ味もある。
さて味の方だが、あまりファッショナブルな場所とはいえないこの場所にあるとは思えないほど ( たびたび失礼! )、素朴ながら繊細の感じ。GROM も素材の風味を生かした作りという意味では、似たコンセプトだがあちらはどちらかというと極太、しっかりした風味で、それに比べるとこちらはもっと自然体な風味で、好意がもてる。
ここでも友人とそれぞれ味を変えて注文したのだが、その中では 「 オリーブオイル 」 が名前に反してとてもうまかったと、記しておこう。

入るときには行列など無かったのだが、僕らは運が良かっただけなのかもしれない。店を後にする頃にはすっかり行列ができていたのだから。
ちなみにこの日一緒に行ったメンバーの一人は、ここが気に入ってその後一人で二度も、通ったそうだ。モルツは無かったが、彼女が頼んだのはギネスビールアイス。苦みの中にも甘みがあっておいしかったとのこと。
そして三軒目はもともと、Chinatown にある、Ice Cream Factory を考えていたのだが、周りの強い 「 お勧めしない 」 という意見に動かされ、ジェラート研究所から歩いて行くことができる、Pinkberry という、これまたニューフェイスのアイスクリームショップに変更となった。場所は SOHO である。
もともとカリフォルニアの LA を中心に展開してきたこの店が、最近は New York にも展開を進め、今ではここのほかに、Chelsea や 32nd Street の Korean Town にある。
この店もアイスクリームはジェラートだが、ジェラート特有のざらざら感とか淡泊な感じが一切無く、とてもクリーミーで口の中ですっと溶ける感じである。
さすがにここまでくるとみんなで一つずつは食べられなくて、大きなやつを一つ買ってみんなで分けることにした。
そもそもここはアイスにはこのクリームと、グリーンティの二種類しかない。この店の特徴は、アイスに乗せる新鮮なトッピングにある。ここではアイスに混ぜ込むのではなく、食べるときに口の中でフルーツの食感を楽しめることが売りのようだ。それだけにトッピングコーナーはとても充実していて、しかもどれもとても新鮮できれいなものばかり。一つずつ丁寧に選別している感じがあって、それが三店目のアイスクリームにも関わらず、食欲をそそるのである。
ここもある意味素材にこだわったアイスクリームといえるだろう。こちらも行列は覚悟の店である。
この店も注文の仕方が変わっていて、まずはレジの前のレジに並んで注文を住ませレシートをもらう。次にアイスクリームのコーナーに並び、注文したアイスを選ぶ。レジでお金を払うときに味を決めておくと、あまり待つことなくもらえるが、アイスクリームの前に来て選ぶようにすると余計に長い時間列に並ばなくてはならない。ちなみにレジで払った後アイスを受け取る行列に並ばずに待ってしまうと ( スターバックスのように )、いつまでたっても自分のアイスが出てこないので注意が必要である。


さてこの日は全部で20種類ほどのアイスを食べたことになるのだが、三つの店は甲乙つけがたい。三つとも全く性格がはっきりと分かれて、それぞれに個性があるからである。
さらにびっくりしたのがこれらはすべてジェラートだったこと。一口にジェラートと言ってもこんなに違うものなのかと、改めて見直した次第である。
久々に甘いだけのスイーツでないものを味わうことができた一日だった。この様子だと、New York のスイーツシーンは少しずつ変わってきていると言えるかもしれない。
New York で流行る店が東京に進出ことが多くなっているので、そのうち東京で見られるかな?
少しばかり高価ながら新鮮な食材を扱うことで人気になった Whole Foods スーパーでは地元名物店の製品コーナーがあるのだが、ベーカリーの棚に並んでいるのが、BALTHAZAR という店のもの。
BALTHAZAR - 初めてこの文字を見たとき一体なんて読むんだろうと思ったがバルサザールとでも書くのが一番近いだろうか - はバケットなどフレンチブレッドがスーパーで売られており、この店のパンを好んで買っていく人は多い。
そんな訳で、New York に住んでいる人には少々知られている BALTHAZAR のパンだが、そのレストランが SOHO にある。
もう少し正確に書くと、10年ほど前にここにできたフレンチレストランがオリジンで、その店のパンが人気となってスーパーでも売られるようになった、ということになろうか。
その名残・・・たかだか10年のレストランに対してそういうほど大げさでは無いがレストランの横に小さなパン売り場が併設されている。店内のスペースは四畳半ほどのスペースで、数人の客で一杯になるのだが、これが朝一番ともなると、焼きたてのパンとフレンチコーヒーをここで買ってオフィスで食べるのを楽しみにしている客達で一杯になり、店内は立ちつくす場もないほどである。
それでも無言のルールがあるかのように、狭い店内でちょっとした行列の輪ができる。毎日来る人たちはここにやってきては慣れた様子で行列の後ろに辛抱強く並ぶ。
たまに、
「ここが行列の最後?」 という声が聞こえるが、そこから一日の始まりとなるさわやかな会話に続くこともある。
その BALTHAZAR、実は今の仕事場と同じブロックにあるので、僕もその 「 朝のちょっとした楽しみ 」 を満喫している口である。
メインはレストランながら、おどろくことにパンは朝7:30ぐらいから売っているようだ。それだけパンがこのレストランにとっても顔になっているのだろう。
狭い店内にこれでもかと並ぶ、焼きたてのベーカリーを見ると一体どれを選ぼうかといつも迷うのだが、そもそもフランス語でなんと呼ぶのかわからないものが多い。それで、というわけでもないのだがつい僕が買うのは固定されてしまう。
一つはレモンマドレーヌで、もう一つはブルーベリーマフィンである。特にブルーベリーマフィンは一つ食べると腹がいっぱいになるほどのボリュームで、僕のイチオシである。
加えて、自分でこうしてマフィンやクロワッサンを買うだけでなく、仕事場への差し入れも BALTHAZAR のものが多く、この薄い黄色の包みを見るとつい顔がほころんでしまう。アメリカのオフィスだとよくミーティングでビザなんかをオーダーされることが多いのだが、その代わりに BALTHAZAR のキーライムパイとか、ベーカリーの詰め合わせだったりするから、退屈なミーティングもこのおかげでだいぶ救われている (笑)
New York に住んでいると 「 おいしいパン屋が無い 」 というセリフをよく耳にする。
不思議なことに、どこの国の移民も一様に同じ不満を持っているようだ。日本のパンは特にふっくら、しっとり、真っ白という食感のパンが多いが、それに対してヨーロッパはどちらかというとパサパサしたパンが多い。アメリカで売られているパンもしっとりした食感は無いからパサパサ系に属するのだが、それでもヨーロッパから来た人たちもたいてい 「 アメリカのパンはまずい 」 という。
それは結局、その国の水のせいかもしれないし、土壌と小麦のせいかもしれない。
その中で、日本人である僕の好みから見てもこの店のパンは単なるパサパサパンではなくて、パンの風味があるところが気に入っている。
( 余談だが、高校時代や大学時代、僕は焼きたてパンで働いていたのでパンを焼くのはちょっとうるさい )

※ 日本人にはなじみのマドレーヌ、英語では Madeleine と書き、発音は 「 マデリン 」 といった感じ。
でも僕にとってはやはりマドレーヌの呼び方のほうが、どこか懐かしい昭和の高級お菓子、見たいな雰囲気があって好きなんだけどな。


※ iMac を背にして、朝のコーヒー

※ ブルーベリーマフィン
レストランはまるで何十年もずっとそこにあるかのようなたたずまいで、照明から家具の調度品もうまくそれを演出しているのだが、SOHO で店を構えてまだたかだか10年である。それなのにすっかり安定した人気を得た。
すぐそばに DEAN & DELUCA もあり、こちらも似たような成功ストーリーを順調に歩んで、日本にも店舗がある ( らしい )。さてこの BALTHAZAR も東京店ができるだろうか。
いやよく考えてみると、これはフレンチレストラン・ベーカリーなので、何もアメリカからフレンチを持って行く必要は無いのかもしれない。
最近 New York の名だたる店がどんどん東京に進出していて、New York 自慢できるものがどんどん無くなってしまったので、BALTHAZAR くらいは New York だけに留まってくれた方が嬉しい、というのが正直なところである。