
ちょっと前のブログでイースター仕様の車を紹介したのだが、もう一台ここで紹介しようと思って撮っておいた写真があるのだった。
この車を見かけたのは、郊外の Strip mall ( 何軒かの小売店が集まって小さなショッピングセンターを形成しているところ ) のパーキングである。時は宵のうち、7時頃であっただろうか。
薄暗くなりかけた、車もまばらな駐車場に一台取り残されたかのように停まっていたこの車一帯はどう見ても異次元な世界であった。アメリカ特有のオレンジ色がかった街頭がまた車の不気味さをほどよく演出している。
車と微妙な距離をおきながらぐるりと回ってみると、街頭の角度と相まってシルエットとして見える位置があったのだが、このときこのミニバンはまるで地獄の使いかなにかで、中から恐ろしい御者が出てくるのではとさえ思えた。
果たしてどんなものでできているのかというと、それが下に紹介した写真だ。

手ブレのせいか怖くて震えたのか、少々像が甘いのは了解いただくとして、車体一面に貼り付けられている装飾品の数と種類は伝わっただろうか。
特にマスクの数が異様に多い。写真を撮った後編集中に気がついたのだが、窓ガラスに何かメッセージが貼り付けられている。もしかするとアーチストのコメントだったのだろうか。そうだとすると読んでみれば良かったとは後の祭り。があの時間にこの車に近づこうとはなかなかモチベーションがあがらないものである。
この車、こんな郊外で一体何を表現しているのだろうか、とかゆっくり走らないと接着剤でつけた装飾品が落ちたりするだろうから、果たして郊外で実用的なのだろうか、とか道路交通法のようなものには違反していないのだろうか、などと様々な思考が浮かびはするが、その一方でもう見ることもないだろう、と思っていた。
ところが、ある日、Manhattan、Downtown を歩いていたらこの車が路肩に停まっていたのである。
不思議なことに、二度目に見たときは全く畏怖を感じることはなく、郊外からここまで走っても問題無いんだなと思うと工業製品という印象が強くなり、むしろおもしろ可笑しく思えてしまうものなのかも知れない。
実際に走行可能で移動手段として使っている車をそのままアートにしてしまうというのがなんともアメリカらしくはないか。こんな改造車・・・と思ってしまうようではまだまだアートの許容範囲が狭いことの証明なのかもしれない。
最後に一枚おいておくのは白黒で撮ったものだ。こうしてみると不気味さが一層際だっては見えないだろうか。
